まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第48話『風の舞う夜の丘で』
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幻獣王「ふん!」
グルモス「ぐっ!」
幻獣王の一振りに、グルモスの手に握られていた槍は耐え切れず飛んでいった。
グルモス「し、しまった!」
幻獣王「勝負あったな。」
グルモス「く、くそ・・・。なっ・・・何だ、あれは。」
不意に、グルモスが気がついて言った。
幻獣王「ん?」
幻獣王はふと後ろを振り返った。すると、そこには明るく光る何かが見えた。それは、いまだ光を放ち続ける風木だったが、あまりにも強い光を放っていたため、そこからはその光の正体が風木であることを伺うことは出来なかった。
幻獣王「なんだ、何ごとだ!?」
おんぷ「み、見て、みんな!」
おんぷもその光に気付いて言う。
はづき「ま、眩しいわ。」
さつき「あれは一体・・・何?」
いろは「さ、さぁ・・・どれみたちが何かやったのかしら・・・。」
いろはも驚いたような表情を見せながら言った。

***

どれみ「どうしよう、このままじゃ風木ちゃんが!!」
あいこ「ど、どれみちゃん、とりあえず、落ち着いて!」
こがね「とにかくこのままじゃ危険だよ、暴走した魔力を沈めなきゃ!」
メアリー「でも、どうやって?」
こがね「そ、それは・・・。」
その時だった。風木の体からバレーボールくらいの大きさの光球がパディオの方をめがけて飛び出した。
パディオ「なっ!?は、速い!」
とっさにパディオは避ける体勢に入るが、その光球はパディオの近くまで来ると、檻の形に広がった。
パディオ「何!?くそっ!」
その檻のような物は、ガシャンと音を立ててパディオを捕らえた。
パディオ「しまった・・・。」
パディオは檻の柵をこじ開けようとするも、その檻はビクともしなかった。
パディオ「くそぉ・・・俺の負けか・・・。」
どれみ「これって・・・風木ちゃんの魔法?」
リックス「ふ・・・まさか風木に助けられることになるとはな・・・。」
ももこ「凄い、私たちが何回魔法を唱えても、捕まえることすら出来なかったのに・・・。」
あいこ「安心してる場合やあらへん、早く風木ちゃんを助けな・・・。」
どれみたちは、いまだ光のおさまらない風木の方を見上げた。

***

いろは「今、あの光から小さな光球が飛び出していったけど、一体何が起こっているのかしら?」
おんぷ「どれみちゃんたち、無事なのかしら・・・不安になってきたわ。」
幻獣王「むぅ・・・悪いことが起こっていなければ良いが・・・。」
グルモス「今のうちだ!!」
いろはたちの背後から突然その声が響き渡った。
いろは「あ、大変、グルモスが!」
幻獣王「何?し、しまった・・・逃げられたか・・・お前たち、追うぞ!」
はづき「はい。」

***

グルモス「くそ、あいつらまだ復活の儀式はやってないのか?」
グルモスは息を切らしながら森の奥へと走っていく。
グルモス「確か・・・この辺に・・・あった!」
グルモスは、その森で一番大きな木の元へ来ると、その木の根元を掘った。
グルモス「・・・パディオたち、あいつら何をやってるんだ、まぁ良い、とにかく儀式が先だ。」
???「お探しの物は・・・これですか?」
グルモス「何・・・き、貴様は!?」
その声の主は、なんと魔女界の女王様と、その側近マジョリンだった。そして、女王様の手にはあの神殿から盗まれた8つの宝石が握られていた。
グルモス「くそぉ・・・何故その宝石のありかが分かった?」
魔女王「魔法を使えば、すぐに・・・。」
そこへ、幻獣王と、いろはたち4人が到着した。
幻獣王「これはこれは、魔女王にその側近マジョリンではないか、人間界に来ておったのか?」
マジョリン「幻獣王様が悪魔を探しに人間界に赴いたと聞いて・・・。」
幻獣王「救援にかけつけてくれたという訳か・・・。」
グルモス「くそ、この人数相手じゃ・・・万事休すか。」
グルモスはそう呟くと、膝から崩れ落ちた。

***

しずく「風木ちゃん・・・。」
どれみ「どうしよう・・・本当にどうしよう・・・。」
ぽっぷ「そうだ・・・。」
こがね「ぽっぷちゃん、何か思いついたの?」
ぽっぷ「お姉ちゃん、そうだ、マジカルステージで何とかならないかな・・・。」
どれみ「マジカルステージ・・・そっか、それしか無い・・・。それしかないよ。」
あいこ「うん、一か八か・・・最後の賭けや。風木ちゃんを助けるにはそれしかあらへん。」
こがねたちもその考えに頷いた。
どれみ「じゃぁ、みんな、行くよ、マジカルステージ!!」

***続く


次回予告
どれみ「魔力が暴走した風木ちゃんを救うには・・・もうマジカルステージしか無い!みんな、準備は良い?このマジカルステージ、絶対絶対成功させなくちゃ!次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『虹をかけよう』、ドキドキピース輝きは〜なて♪」
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