まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第46話『最初の砦、ロンドン』
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グルモス「もうすぐ・・・月は笑う。」
パディオ「いよいよ来たか・・・。」
オルテガ「あと、2、3日ってとこだな・・・。」
3人は、夜空に浮かぶ月を眺めながら言った。その月は、満月よりも左側が少し欠けた月だった。
パディオ「お前たち、準備は出来ているな。」
グルモス「もちろん、万全だ。」
パディオ「オルテガも大丈夫だな。」
オルテガ「あぁ、大丈夫だ。」
グルモス「さて、久々に暴れまわるとするか・・・。」
夜空に浮かぶ月を見ながら、3人は円陣を組むように並んだ。
パディオ「油断はするな、まず悪魔界復活の儀式と、人間狩りだ。」
グルモス「言われなくても分かってるぜ。」
パディオ「良いか、月が笑ったら・・・。その瞬間から作戦を開始する。俺たちはもう後戻りできない。死ぬ気でやれ。」
オルテガ「あぁ。」
グルモス「任せておけ。」
雲の隙間から顔を出した月は、何も知らないかのように黙って地上を見守っていた。

【笑う月の晩まで あと 02 日】

***

美空市、MAHO堂。そこには、メアリー、いろは、こがねの他に、どれみ、しずく、さつきが居た。夕方、ふいにMAHO堂と魔女界をつなぐ扉が開いた。
こがね「マジョラッタ・・・!」
魔女界からの訪問者は、マジョラッタだった。
マジョラッタ「待たせたな・・・ついに完成したぞ。」
メアリー「例のポロンがですか?」
マジョラッタ「あぁ。これがその“リストリクトポロン”と“インペリアルクロス”を装備した魔女見習いタップじゃ。リストバンド型のちょっと変わったタップになっておる。」
マジョラッタが指をはじくと、複数のリストバンドのような物が乗せられたトレイが現れた。
どれみ「これに私たちの新しい魔女見習い服が・・・。」
しずく「マジョラッタ、それって、どうやって使うの?」
マジョラッタ「左腕に装着してから右手でそのリストバンドを掴めば、魔女見習い服が出てくるはずじゃ。」
そう言ってマジョラッタはリストバンドをどれみたちに渡した。
しずく「今、着てみて良いの?」
マジョラッタ「いや、・・・今は止めておけ。ロンドンに着いてから・・・。それからの方が良い。この魔女見習い服は普通の物とは違う。むやみやたらに使わない方が良いじゃろう。」
さつき「そんなに危険な魔女見習い服なんだ・・・。」
マジョラッタ「もちろん、魔力は暴走しないようにポロンに制御を加えた。しかし、この魔女見習い服に秘められた力は想像出来ん。もしかしたらこれでも魔力は暴走してしまうかもしれんのじゃ。」
どれみ「マジョラッタ、私たちのために、わざわざありがとう。」
マジョラッタ「礼などいらん、その代わり、どれみ・・・。絶対に悪魔などに負けるんじゃないぞ。」
どれみ「・・・うん。」
マジョラッタ「うむ・・・。よし、じゃぁわしは魔女界でまだたくさん仕事が残っておる、今来たばかりじゃが、そろそろ帰るとしよう。」
しずく「え、もう帰っちゃうの?」
マジョラッタ「すまんの・・・本当はこっちに残ってお前たちの協力をしてやりたいのじゃが・・・。」
さつき「私たちなら大丈夫、それより、忙しいみたいなのに、ポロン・・・作ってくれて、ありがとう。私たち、絶対に負けないから・・・。」
マジョラッタ「礼はいらんと・・・言ったじゃろ。じゃぁな、お前たち。お前たち全員の無事を魔女界で祈っておくぞ。」
マジョラッタはそう言って人間界を後にした。
いろは「どれみ、はづきやおんぷたちにも、ちゃんと連絡しておきなさいよ。」
どれみ「はい、連絡しておきます。」
メアリー「とりあえず、いよいよ明日だけど、みんな、心の準備は良い?」
こがね「もう覚悟は出来てますから、大丈夫です。」
どれみ「本当、いよいよだよね・・・。」
しずく「緑樹石が無くなって、精霊探しが始まってから、今日まで、いろいろあって・・・ここまで物凄く長い道のりだったけど・・・あっという間だったような気もする。」
さつき「これで、悪魔との戦いが終わったら、やっと一件落着だね。」
どれみ「ううん、まだ、緑樹石が輝きを取り戻すまでは、油断は出来ないよ。」
こがね「そっか、そっちもまだあったんだよね・・・。」
どれみ「けどさ、緑樹石の方は精霊さんたちが頑張って輝きを取り戻す方法を考えてくれてるからさ、今は悪魔とのことだけに集中しよう。」
こがね「そうだね。」
しずく「明日から、どれだけ時間がかかるか分からないけどさ・・・頑張ろうね。」
どれみ「それじゃ、みんな、ファイト〜・・・」
全員「オーッ!!」

***

ももこ「いよいよ、明日なんだ・・・。」
ももこは、パソコンの画面を眺めながらそう呟いた。そして、椅子から立ち上がると、窓の外を見た。空には、月が昇っていた。
ももこ「満月・・・。明日の月は笑うのかな・・・。」
月明かりに照らされた街は街灯やネオンサインのため明るかった。ももこは黙って、夜のニューヨークの街並を眺めていた。

【笑う月の晩まで あと 01 日】

***

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