まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第44話『後戻りなんて必要ない!』
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さつき「2つの風のことが載っていたあの予言書ですか?」
メアリー「そう、実はいろはに頼んで、魔女界から持ってきてもらったんだけど・・・ここを見て欲しいの。」
メアリーはしばらく予言書をパラパラめくっていたかと思うと、あるページで手をとめ、そのページの真ん中あたりを指差しながらどれみたちに見せた。
メアリー「どれみたちは魔法文字が読めないと思うから訳を書くと・・・。」
メアリーはそういうと、つたない日本語で予言書の一説を近くの机の上にあった紙に訳し書き始めた。

『□は吹く。□法の無い青き星で。□は吹く。時が作られたその場所で』

いろは「この四角(□)は何?」
メアリー「それが読めないのよ・・・書物が古すぎるせいか、今の魔女界では使われていない文字だから・・・3ヶ所(□の部分)、読めなくて・・・。だけど、なんとかが吹くのなんとかは“風”だと思うわ。」
さつき「そうですね・・・そう考えるのが普通ですね・・・。」
こがね「じゃあ、その次の“□法”ってなんなにかなぁ?」
さつき「ううん、何かの法律かしら?“法律が無い国で”なんとなく意味は通じる気はするけど・・・。」
しずく「民法とか?」
こがね「なんか違う気がするなぁ・・・。」
いろは「じゃあ何が入るの?」
こがね「うう〜ん。」
どれみ「法・・・。」
どれみが小さな声で呟いた。
さつき「え、どれみちゃん、何って?」
どれみ「え、あ、いやさ、“魔法”、じゃないかなぁって・・・。」
しずく「“魔法”・・・そっか、それだよどれみちゃん!」
いろは「そうね、“魔法”・・・間違いなさそうね。」
こがね「どれみちゃん凄〜い!」
どれみ「い、いやぁ〜それほどでも〜。」
メアリー「ってことは、こうなるのか・・・。」
メアリーは、先の紙の空白箇所を埋めた。

『風は吹く。魔法の無い青き星で。風は吹く。時が作られたその場所で』

いろは「“魔法の無い青き星”でって、人間界の、この地球のこと?」
メアリー「要するに、悪魔たちは人間界に居る、ってことで間違いないでしょ。」
こがね「“時が作られた”って言うのは・・・?」
しずく「“時”なんて作れるの?」
どれみ「作れるわけない、よね・・・。」
さつき「何かの比喩だとは思うんだけど・・・。」
いろは「“時”、かぁ・・・これってさぁ、時間のことかしら?」
メアリー「分からないわ、この“時”自体が何かのたとえなのかもしれない。」
いろは「そうなるともう考えようが無くなってくるわ・・・。」
どれみ「“時”・・・もしも時間のことじゃなかったら、何の意味なんだろう・・・。」
こがね「さぁ・・・。」
メアリー「困ったなぁ、これが悪魔の居る場所を指していることは間違いないと思うのに・・・解読出来なかったら意味が無いわ。」
いろは「なんとしてでも解読しなくちゃね・・・。」
しずく「そういえば、よくさ、こんな感じのなぞなぞとかでさ、“時が始まる”とか“一番最初に日が昇る”とかみたいなのはあるんだけどね、“時が作られる”は聞いたこと無いなぁ・・・。」
さつき「時が・・・始まる?」
どれみ「え、どうしたの、さつきちゃん?」
さつき「時が始まるのは・・・要するに日付変更線の西側の国・・・トンガ王国とか?」
しずく「え、あ、今考えるのはそれじゃなくてこの・・・。」
さつき「ううん、そうじゃなくて・・・。」
こがね「そうじゃなくて、って・・・?」
さつき「世界標準時よ!」
どれみ「え、さつきちゃん、それって、どういうこと?」
メアリー「・・・なるほど。」
しずく「メアリーさんも分かったんですか?」
メアリー「地球全体の“時間”はイギリスのロンドンを中心としているわ。つまり、何時何分とかの具体的な時間というものは、ロンドンを中心として“作られた”もの。さつき、そういうことが言いたかったんでしょ?」
さつき「はい。」
しずく「そっかぁ、うん、きっとそうですよ、メアリーさん!」
どれみ「さつきちゃん、やるじゃん!」
さつき「へへへ。」
いろは「なるほどね・・・ということは、悪魔は今・・・。」
メアリー「そう、イギリス、ロンドンに居るはずだわ。」

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