まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第42話『取り戻せない過去』
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マジョマリナ「え、マジョユーナ?」
いろは「はい、知りませんか?」
マジョマリナ「あなたたち・・・裁判所関係の人って訳ではなさそうね。明らかに子供だものね。」
いろは「え?裁判所関係?」
マジョマリナ「知ってるわ。この子の・・・エミリの生みの親よ。」
こがね「やっぱり、じゃぁマジョユーナさんのこと、知ってるんですね?」
マジョマリナ「えぇ。本当は・・・地獄界に送り返されたマジョユーナと一緒に、この子も地獄界に送り返さなきゃいけないんだけど・・・。地獄界出身の魔女の子だから、戸籍には登録されていないの。だから、マジョユーナは私に子を預かってくれって頼んできたわ。この子だけでも地獄界に戻らなくてもすむようにって。」
いろは「それでさっき裁判所関係の人がどうのって・・・。」
マジョマリナ「そういうことよ。でも、どこでマジョユーナのことを・・・。」
こがね「実は、この日記なんですけど・・・。」
マジョマリナ「・・・これは?読んで良いの?」
こがねが頷いて答えると、マジョマリナは日記の中身を黙って読み始めた。
マジョマリナ「これは・・・。」
いろは「マジョユーナさんの日記です。」
マジョマリナ「マジョユーナの・・・。」
マジョマリナは黙ってそれを読み続けている。最初にマジョマリナの異変に気付いたのはいろはだった。
いろは「・・・泣いているんですか?」
マジョマリナ「・・・ごめんなさい、マジョユーナのことを思い出したら・・・。」
こがね「あのぉ・・・マジョマリナさんとマジョユーナさんってどういう関係なんですか?」
マジョマリナ「実は、私の母親は地獄界出身の魔女なの。」
キロル「え、マジョマリナさんのお母さんがですか?」
マジョマリナ「そう。そして、私の母とマジョユーナの母親が友達同士だったらしいの。お母さんが魔女界出身の魔女だから、私にも友達が居なかったわ。でも、そんなある日、私はマジョユーナと出会った。彼女は深い森の中で一人で暮らしていた・・・。おそらく自分が地獄界出身の魔女だから、あまり人目のあるところで生活したくなかったんだと思うわ。」
こがね「友達・・・。」
こがねはその言葉に過敏に反応した。
マジョマリナ「マジョユーナは私にとって唯一の親友だったわ。だから、エミリを私は喜んで預かった。」
エミリ「お母さん、何のお話してるの?エミリにも教えてよ。」
マジョマリナ「エミリ・・・この日記、エミリに見せるわよ?」
いろは「はい、それが目的でここへ来たんですから。」
マジョマリナ「エミリ・・・これはね。あなたの本当のお母さんが書いた日記よ。」
エミリ「本当の・・・お母さん?」
マジョマリナ「覚えてないのも無理ないわね。」
マジョマリナはそう言ってエミリに日記を手渡した。
エミリ「これ、何?」
マジョマリナ「ふふ、難しくて分からないかしら。もっと大きくなってから読めば良いわ。この日記・・・預からしてもらっても良いかしら?」
いろは「はい、良いですよ。」
マジョマリナ「ありがとう。大切にするわ。マジョユーナの唯一の形見だものね・・・。」
マジョマリナはそう言って少し悲しげな表情を浮かべている。そんなマジョマリナをこがねたちはただ黙って見つめていた。

***

パディオ「よくきたな、フレッド。いや、グルモスだったな・・・。」
グルモス「何言ってるんだ、来いって言ったのはパディオの方だろう。」
パディオ「ふん、まぁな。しかしお前も大した奴だ。幻獣王はおまえのことを完全に人間だと思い込んでやがる。面白いもんだぜ。」
グルモス「誰かを騙すなんて簡単なことさ。」
パディオ「これで悪魔界復興計画のメンバー全員がそろったってわけか・・・。といっても3人だがな。」
グルモス「全員?あいつも来てるのか?」
パディオ「あぁ、連れてきた。」
グルモス「じゃぁあの二つの風の件は解決したのか?」
パディオ「いや、まだだ。しかし、それよりあの儀式の方が先だ。」
???「何の話をしているんだ?」
2人の背後から聞こえてきたその声に反応してパディオが言った。
パディオ「やっとグルモスが戻ってきたぞ。」
???「おぉ、グルモス・・・久しぶりだな。」
グルモス「久しぶりだな、オルテガよ。風の1人はどうなった?お前がいつも連れていた魔女見習いは。風木とか言ったか・・・。」
オルテガと呼ばれたその男は、パディオ、グルモスの方を向いて言った。
オルテガ「風木ならもう処分出来たも同然だ。」
オルテガはそういうと、ニヤリと笑って見せた。

***続く


次回予告
どれみ「光った、光ったよ、スティックが!」
さつき「本当、近くに居るわ、早く探しましょう!」
しずく「最後の精霊さんは絶対私たちの手で見つけて・・・。あ、居たわ!」
どれみ「次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『遅すぎた精霊探し!?』ドキドキピース眩しくひ〜かれ♪」

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