まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第41話『悪夢、再来』
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かぜき「はぁ、すっかり日が暮れちゃったよ。」
風木はそう言って魔法堂書店の近くの砂浜に降り立った。辺りには誰も居なかった。
かぜき「うぅ〜それにしても寒いなぁ。」
風木はそんなことを言って身震いすると、魔法堂に向かって走った。
魔法堂の入り口の重い扉を押し開けると、
かぜき「こんばんわ〜、オルテガ〜?」
と言って中に入っていった。
かぜき「あれ、オルテガ〜?居ないの〜?」
風木の声がむなしく辺りに響き渡る。
かぜき「変だな、居ない時はいつも『今日は居ないから』とか教えてくれるのに・・・。」
風木は魔女見習い服のまま魔法堂書店の中を歩き回った。
かぜき「この部屋の中かな・・・?」
風木はそう言ってその部屋の扉をゆっくりと開けてみた。
かぜき「・・・え?」
風木はその部屋の中の光景に、目を疑った。
かぜき「これは一体・・・どういうこと!?」

***

かほし「遅いわね〜、風木の奴。」
風木の6歳年上の姉、水野輝星(みずの かほし)は壁に掛かった古びた時計を見つめながら言った。
かほし「せっかく作った晩御飯が冷めちゃうじゃない。」
輝星は食卓に並べられた料理の皿たちを見つめながら言った。
かほし「もう・・・何処に行ってるのかしら。ちょっと心配になって来たわ。」
輝星は再び時計を見た。時計の短い針は数字の8の辺りよりも先を進んでいた。輝星は、何かを決意したように、突如立ち上がって、台所からラップを探し出して持ってくると、食卓に並べられた料理の皿1枚1まいをラップし始めた。そして、全ての皿にラップをし終えると、今度は冷蔵庫に貼ってあった電話連絡網の紙を取った。
かほし「面倒くさいけど・・・1件1件電話をかけて・・・。いや、あの子、確か隣のクラスの春風さんと"みそがい"って子と仲が良いって・・・。でも隣のクラスの子の電話番号なんて・・・分からないじゃない。」
ぽっぷと風木のクラスが違うため、風木のクラスの連絡網に春風ぽっぷの名前は無かった。
かほし「あれ、裏に何か書いてあるわ。」
連絡網の紙の裏側には、手書きで"三十海(みそがい)のりか"、"春風ぽっぷ"と書かれていた。
かほし「どっちかにかけたら分かるかしら・・・。」
輝星はそう呟いて受話器を取った。

***

ぽっぷ「え、私?」
はるか「そ、水野って言う人から電話、ぽっぷに代わって欲しいって。」
ぽっぷ「水野って・・・風木ちゃんかな?分かった。」
ぽっぷはそう言って電話のところへ行き受話器を取る。
ぽっぷ「はい、代わりました。」
かほし「あ、ぽっぷちゃん?風木の姉ですけど・・・。」
ぽっぷ「あ、風木ちゃんのお姉ちゃんですか?どうかしたんですか?」
かほし「風木、そっちの家におじゃましてないかしら?」
ぽっぷ「うちには来てないです。もしかして、まだ帰ってないんですか?」
かほし「そうなのよ。三十海さんの家にも電話してみたんだけど、やっぱり居ないみたいで・・・。あの子、いったい何処で何してるのかしら・・・。」
ぽっぷ「私・・・もしかしたら風木ちゃんの居場所知ってるかもしれません。」
かほし「え、本当?」
ぽっぷ「あ、でも・・・私が探して連れて行きます。」
かほし「そう?それは有難いけど・・・。」
ぽっぷ「大丈夫です、風木ちゃんはきっと見つけてみせますから。」
かほし「・・・そう、じゃぁお願いするわ。待ってるからね。」
ぽっぷ「はい、分かりました。」

***

ぽっぷは受話器を置くと、そこへどれみがやって来た。
どれみ「風木ちゃんがどうかしたの?」
ぽっぷ「まだ家に帰ってきてないみたいなの。多分、まだ魔法堂に居ると思うんだ。もしかしたら、何かあったのかもしれないから、迎えに行こうと思うんだけど・・・。」
どれみ「魔法堂って・・・でも、美空市港の近くの魔法堂書店の方でしょ?」
ぽっぷ「うん、そうなんだ。でも行くのに電車に乗らないといけないでしょ?」
どれみ「・・・仕方ないわね、私も風木ちゃん心配だから、一緒に行ってあげるよ。」
ぽっぷ「ほんと?ありがとう。」
どれみ「とにかく、急いで美空駅まで行くよ。」
ぽっぷ「うん。」

***

美空駅についた頃、すでに時刻は9時を回っていた。
どれみ「美空市港駅まで子供1枚大人1枚だから・・・320円か。ゲッ、往復で640円もかかるじゃん・・・。」
ぽっぷ「お姉ちゃん、早く!電車来たよ〜?」
どれみ「分かった、分かったからちょっと待っててば。」
どれみはぽっぷに子供用の切符を渡すと、2人して急いで改札を抜けて電車に乗り込んだ。

***

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