まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第41話『悪夢、再来』
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夕暮れ時の人間界、どれみたちは学校からの帰りだった。
どれみ「スティック、全然反応しないね。」
しずく「・・・うん。」
さつき「本当にこのスティックって精霊が近くに来たら反応するのかなぁ・・・。」
しずく「・・・どうだろう。」
どれみ「もうすぐ期末テストだね。」
しずく「・・・だね。」
さつき「どうしたの、しずくちゃん、元気無いみたいだけど・・・?」
しずく「・・・うん。」
どれみ「しずくちゃん!」
しずく「あ・・・ごめん。私、元気無いよね。」
さつき「しずくちゃん、やっぱりいろはさんのこと・・・。」
どれみ「やっぱりそうなんだ。」
しずく「いろはさん・・・多分戻ってくるとは言わないと思う。」
どれみ「実は・・・私もそう思うんだ。」
しずく「いろはさんはきっと、マジョダークさんのことがあったから・・・。」
さつき「しずくちゃん・・・。」
しずく「ご、ごめんね。私、元気ださなきゃ、だよね・・・。早く時の精霊さんを見つけなくちゃ。」
どれみ「・・・うん、そうだよ。そうこなくちゃ。」
さつき「でもさ、スティックが反応してくれないかぎりは何とも言えないよね。」
しずく「そうよねぇ、このスティックだけが頼りだもん。」
どれみ「他の精霊はみんなに見つけてもらったんだから、最後の精霊くらいは何とか私たちが見つけたいところなんだけど・・・。」
さつき「この調子じゃぁいつ見つかるか分からないわ。一刻を争うっていうのに。」
そうこうしているうちに3人はいつもの分かれ道にたどり着く。
さつき「じゃぁ、また明日ね。」
しずく「うん、バイバイ。」
どれみ「バイバイ。」

***

かぜき「ねぇ、ぽっぷちゃん、ぽっぷちゃんってさ・・・。」
ぽっぷ「え、何?」
放課後、おしゃべりをしていた2人の姿が美空第1小学校のとある教室にあった。
かぜき「ぽっぷちゃんって魔女見習いだったんだよね?」
ぽっぷ「・・・え、うん、そうだけど?」
かぜき「ぽっぷちゃんのお姉ちゃんって・・・どれみさんってどんな人?」
ぽっぷ「どんな人って・・・そりゃドジでマヌケな頼りないお姉ちゃんだよ。」
ぽっぷは笑いながら言うのを聞いて、風木も少し笑っている。
かぜき「ドジで・・・マヌケ?どれみさんが?」
ぽっぷ「え・・・まぁ、全く頼りにならないわけでも・・・無いんだけどね。確かにたまには・・・本当にたまには頼もしかったり凄かったりするんだけど・・・。」
ぽっぷが照れて言うのを見て、風木は気付いて言った。
かぜき「あはは、ぽっぷちゃんって結構素直なんだね。」
ぽっぷ「え?」
かぜき「お姉ちゃんのこと、凄く頼りにしてるって。顔で言ってるもん。」
ぽっぷ「あ、いや、だから・・・。」
かぜき「別に恥ずかしがらなくても良いじゃない。ぽっぷちゃんはお姉ちゃんが魔女見習いだから魔女見習いになったの?」
ぽっぷ「ううん、結局はそうなんだけど。お姉ちゃんが魔女見習いであることを私が見破りそうになったから、私も魔女見習いやることになっちゃったってところかな。」
かぜき「そっか。そうなんだ。」
ぽっぷ「そう・・・って、うわぁ!」
かぜき「どうしたの?」
ぽっぷ「外見てよ、もう結構真っ暗だよ!」
かぜき「あ、本当。って、もう完全下校の時間じゃん。」
ぽっぷ「大変、急いで帰らなきゃ。」
かぜき「・・・そうだ。」
ぽっぷ「へ?」
風木はポケットの中を何やらゴソゴソと探し、何かを見つけると、ぽっぷに言った。
かぜき「ねぇねぇ、ぽっぷちゃん。」
ぽっぷ「何、どうしたの?」
かぜき「久しぶりに空、飛んでみたくない?」
風木がぽっぷに見せたのは魔女見習い服に着替えるのに必要な香水のコロンのような物だった。

***

ぽっぷ「うわぁ、箒に乗るのなんて久しぶりだよ。」
薄暗い校舎の上で、1本の箒に乗る2人の少女の姿が夕陽に照らされていた。
かぜき「だよね?もう遅いからこれで急いで帰れるよ。えっと、ぽっぷちゃんの家ってどっちだっけ?」
ぽっぷ「えっと、あっちだよ。」
かぜき「OK!」
風木はぽっぷの指差す方へ箒を進めて、飛行した。

***

かぜき「あ、あの家だよね?」
ぽっぷ「うん、そうだよ。」
かぜき「じゃぁこの辺なら・・・よっと。」
風木はそう言いながらひとけの少ない路地に降り立った。
ぽっぷ「風木ちゃん、わざわざありがとう。」
かぜき「ううん、私が話しに付き合せちゃったんだから、これぐらい当然だよ。」
ぽっぷ「やっぱりこういう時に魔法って使えると便利だよね。」
かぜき「うん、そうだね。あ、じゃぁ、誰か来る前に私は魔法堂に行くから・・・。」
ぽっぷ「今から魔法堂へ行くの?」
かぜき「うん、私がいつも通っている魔法堂の方。」
ぽっぷ「今日は何かあるの?」
かぜき「特に何も無いけど・・・いつも寄ってるんだ、魔法堂。オルテガと会っていつも話をしたりするだけだけどね。」
ぽっぷ「ふうん、そっか。風木ちゃんにとって、オルテガは大切な人なんだね。」
かぜき「え・・・うん、そうだよ。大切な人。じゃぁ、そろそろ行くね。」
ぽっぷ「うん、バイバイ。またね。」
かぜき「バイバ〜イ。」
風木はそう言って再び箒に跨り、空高く舞い上がっていく。ぽっぷは空を見上げたまま、黙って風木を見送った。

***

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