まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第40話『輝きを取り戻せ!』
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MAHO堂の入り口の扉が音を立てて開いた。
メアリー「あら、どれみにしずくにさつきじゃない。」
どれみ「こんにちは。」
メアリー「今日はここに来るって聞いてないけど、何かあった?」
しずく「えっと、実は・・・。」
しずくたちに続いて2人の少女がMAHO堂の中へ足を運んだ。
メアリー「いろは・・・。」
メアリーは思いがけないMAHO堂への来客者に驚いた。
いろは「しばらくぶりだね、私の頼んだ通りにちゃんとあの子たちに協力してくれてるんだ。」
メアリー「当たり前でしょ。いろはの、私の親友の頼みだもの。」
メアリーのその言葉に2人は微笑みを交わした。
メアリー「また・・・会えたね。」
いろは「そうね。」
メアリー「今日は何のようで来たの?」
いろは「ちょっとどれみたちに話しておきたいことがあって・・・。魔女界やその他の世界で精霊探しが終わったってことを伝えにね。」
メアリー「そっか。」
いろは「ところで、最近何か変わったことはあった?」
メアリー「特に何も。悪魔の所在も何もつかめていないわ。」
いろは「そう。ま、そんなに簡単にシッポを掴ませるような奴でも無いでしょうけど・・・。」
メアリー「確かに、そうだけど。とにかく今はどれみたちが精霊探しを終えることの方が先だけどね。最近、人間界の生命力が著しく低下してきていることが分かるの。」
いろは「じゃぁ、早いところ精霊探しを終えないと、人間界は危険ってこと?」
メアリー「そう、でも、焦っても何もならないから、気長に最後の精霊が現れるのを待つしか無いわね。」
いろは「そっか、しずく。」
しずく「はい、何ですか?」
いろは「頑張りなさいよ、あなたたち。私たちは魔女界でまだやらなくちゃならないことがあるから帰るけど・・・。全部が終わったらしずくたちに協力しに来てあげるから。」
しずく「あの、いろはさん・・・。」
いろは「・・・何?」
しずく「いろはさんは・・・人間界に戻ってくるつもりは無いんですか?」
いろは「しずく・・・前にもメアリーに同じことを聞かれたわね。」
そう言っていろははメアリーの方を見た。
いろは「悪いけど、人間界に戻ってくるのは無理よ。」
しずく「どうしてですか!?」
さつき「マジョダークさんの魔法のせいで、いろはさんのことを誰も覚えていないからですか?」
いろは「・・・そうよ。私の帰る場所が人間界には無い。だから私は人間界には・・・。」
しずく「ありますよ。」
いろは「え?」
しずく「私やメアリーさんはいろはさんのこと、覚えているというか・・・思い出せました。私だって、メアリーさんだって、いろはさんに人間界に戻ってきて欲しいって思っています。だって私には、いろはさんは大切な人だから・・・。だから、私はいろはさんに人間界へ帰ってきて欲しい。」
いろは「別に・・・魔女界に居るから会えないわけじゃないわ。」
しずく「でも、いろはさんも本当は人間界で生活したいんじゃないんですか?」
いろは「それは・・・。」
メアリー「いろは・・・私もしずくと同じでいろはは人間界で生活したがっているように見えるの。」
いろは「・・・。」
どれみ「いろはさん、私はまだいろはさんのこと、あまりよく知らないんですけど・・・。でも、しずくちゃんからいろいろと聞かされています。しずくちゃんはいつも、いろはさんのことを、嬉しそうに、楽しそうに話してくれるんです。だから、しずくちゃんの言っていることは本気だと思うんです。」
こがね「しずくちゃんの気持ち、私にも分かります。」
いろは「こがね・・・。」
こがね「私は人間界でどれみちゃんたちと出会って、凄く楽しい思い出がいっぱいあって・・・。その思い出を共にしてきた友達と別れるってこと、凄くつらいんですよね・・・。いろはさんは、メアリーさんやしずくちゃんにとって大切な人だから・・・。いろはさんと別れたことが、凄くつらかったと思うんです。」
いろは「・・・みんな、ありがとう。でも、私は・・・私は・・・。」
いろはは瞳からあふれ出す涙を必死に拭った。拭っても拭っても涙は止まらない。
いろは「ごめん、少し考えさせて・・・。」
いろははそう言ってMAHO堂を飛び出した。
メアリー「いろは!」
こがね「いろはさん、あ、メアリーさん、みんな、また来るから、とりあえず今日はこれで帰るよ、それじゃぁね!」
そう言うとこがねは走り去ったいろはの後を追った。

***

魔女界。マジョラッタたちの元へいろはたちは戻ってきていた。
いろは「こがね・・・。」
こがね「はい、何ですか?」
いろは「みんな、私のこと許してくれるかな・・・。」
こがね「許す?」
いろは「私がそれでも魔女界に残るって言っても、みんな、許してくれるかな?」
こがね「いろはさん・・・。」
いろはたちの居る古びた城の枯れ草ばかりの庭には、新しい木の芽が芽吹いていた。

***続く


次回予告
かぜき「はぁ〜あ、マジョフェミルさんたちを探すためにも、早く魔女見習い試験1級にも受からないとねぇ〜、それにしても神殿から宝石を盗んだ犯人の悪魔さんは何処に居るんだろう?って、そうこうしてるうちに魔法堂についちゃった。オルテガ〜来たよ〜ってあれ、オルテガ?」
どれみ「次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『悪夢、再来』、ドキドキピース明日もひ〜かれ♪」

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