まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第40話『輝きを取り戻せ!』
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はづき「まさる君、待った?」
まさる「別に。」
夕暮れ時の川のほとり、2人の姿はそこにあった。
はづき「まさる君、あ、あのね・・・。」
はづきはそう言って鞄から緑色の包みに赤いリボンの巻かれた小さな箱を取り出した。
まさる「何だよ、それ。」
はづき「これ、まさる君に・・・あ、えっと、今日2月14日だから・・・。その・・・。」
まさる「あ、あぁ、サンキュ、それから、藤原、今日誕生日だよな?」
はづき「うん、やっと14歳になりました。」
はづきは微笑みながら言った。
まさる「これ・・・。」
矢田まさるはポケットから何やら小さな箱を取り出してはづきに渡した。
はづき「え?」
まさる「まぁそんな対したものじゃねぇけど・・・。」
はづき「まさる君・・・ありがとう。」
まさる「ほんとお礼言われるほど対したものじゃないから。」
はづき「中身が何でもプレゼントだもの、嬉しいわ。」
まさる「そ、そうか・・・あ、俺、早く帰らねぇと、藤原も早く帰れよ。じゃ、じゃあな。」
矢田まさるは逃げるようにその場を走り去る。
はづき「あ、うん、またね。」
はづきは矢田まさるの後ろ姿を見送った。

その川の橋の上には、2人の様子をじっと見ていた美空中の制服を着た少女の姿があった。その少女、中山しおりはチラッと鞄の中へ目をやった。そこには小さな箱が1つあった。
しおり「まさる君・・・。」
中山しおりはそう呟くと少し悲しい表情を見せて来た道を引き返していった。

***

どれみ「それにしてもさぁ〜精霊、見つからないねぇ・・・。」
しずく「うん、うん。」
どれみ「何処にいるんだろうねぇ〜、さつきちゃん。」
さつき「え、あ、うん、そうだね。」
しずく「・・・どうしたの、さつきちゃん、さっきから上の空だけど・・・。」
さつき「う、ううん、何でもないよ、なんでも。」
どれみ「な〜んか隠してるっぽいんだよね〜、さつきちゃん?」
さつき「な、何も隠してないよ!」
しずく「あ、もしかして・・・今日2月14日だもんねぇ。」
しずくが気付いて不気味にほほ笑みながら言った。
さつき(ギクッ)
どれみ「チョコをあげた誰かさんのことが気になるの?」
どれみも気付いてにやにやしながら言った。
さつき「な、何言ってるのよ?」
しずく「私の予想では白岩君あたりだと思うけどなぁ、さつきちゃんがチョコあげた男の子。」
さつき「ま、まさか、あはは。」
どれみ「あ、さつきちゃんってもしかして白岩君のことが・・・。」
さつき「ち、違うよ、あれはただ常日頃の感謝の意を込めて・・・あっ!」
しずく「あれ、チョコあげてないんじゃなかったっけ?。」
どれみ「それに私もまだ『白岩君のことが』としか言ってないのに何でそんなに否定してるのかな〜?」
さつき「う゛・・・も、もう、2人とも意地悪しないでよ。」
さつきは顔を赤くして言う。
どれみ「はは、ごめんごめん。」
???「盛り上がってるところ悪いんだけど、ちょっと良いかしら?」
3人は突然背後から聞こえてきた声に振り向いた。
しずく「あっ、いろはさん!それにこがねちゃん!」
こがね「やっほー、久しぶりだね。」
どれみ「ほんと、すごい久しぶりだよね。いったいどうしたの?」
いろは「今日はちょっといろいろ知らせがあってね。」
こがね「魔女界の精霊探しが終了しました〜。」
どれみ「えぇ、ほんと!?」
こがね「本当だよ。」
いろは「魔女界だけじゃないわ、魔法使い界が一番最初で次が魔女界、それから人間界以外の全ての世界で立て続けに精霊探しが終了したのよ。」
どれみ「そうなんですか・・・ということは、私たちも頑張らないとね。」
さつき「うん、そうだね。」
こがね「それで、人間界の方はどうなの?」
どれみ「うん、あいちゃんが水の精霊、ももちゃんが森の精霊、はづきちゃんが炎の精霊、おんぷちゃんが風の精霊を見つけたから、残すところはあと1人だよ。」
いろは「やっぱり、最後はあの精霊が残るのね・・・。」
しずく「え、やっぱりってどういうことですか?」
いろは「どの世界でも、"時の精霊"だけは一番最後に見つけているの。」
こがね「時の精霊は名前の通り、過去や未来を行ったり着たりしているから、なかなか見つけるのが大変なんだよ。」
どれみ「じゃぁその時の精霊が私たちの居る"今"の時間帯い現れない限り・・・。」
いろは「そうね、時の精霊には会えないわ。」
しずく「え、それって時の精霊と会う確率って凄く低いんじゃないですか?」
さつき「いや・・・"今"居ないとしても、必ずいつかの時間帯には居るわけだから、逆にその時間帯が来れば必ず会うことが出来るんじゃない?」
いろは「まぁでもその辺りは結構運が必要だけどね。」
どれみ「時の精霊・・・会えたら良いんだけど・・・。」
しずく「っていうか会わないとダメだよ、人間界の未来が掛かってるんだから・・・。」
さつき「そうだよねぇ〜、なんとかして見つけないとね。」
いろは「ところで、メアリーは何処に居るか分かる?あなたたちの元へ協力しに来てくれていると思うんだけど・・・?」
どれみ「あ、はい、MAHO堂に居ますよ。」
いろは「そっか、じゃぁ案内してくれる?」
しずく「あ、はい、分かりました。」

***

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