まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第40話『輝きを取り戻せ!』
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暁「近いぞ、すぐ近くに居る。」
フジオ「これでいよいよ最後なんだね。」
レオン「ミーたちの活躍もこれで最後ってわけかい?」
トオル「はは、まだまだ活躍する場ならあるだろ、だって俺たちは・・・レッツ♪」
フジオ「フジオのF!」
レオン「レオンのL!」
暁「暁のA!」
トオル「トオルのT!」
オヤジーデ「いちいちポーズは決めんで良いから、それより早く精霊を追いなさい。早く精霊探しが終わらないとおんぷちゃんに会えないであります。」
暁「ゲッ・・・。」
暁は突如背後に現れたオヤジーデを見て呟いた。
トオル「言われなくても分かってますよ、な。」
フジオ「えぇ、精霊はあっちの山の方へ移動しているみたいだよ。」
フジオは精霊を探すためのスティックが放つ光を見ながら言った。
オヤジーデ「それにしても、この時間帯から逃げ出される前に捕まえないと、大変ですよ。何しろ相手は"時の精霊"なんですから。」
暁「あ、居た、あそこだ!」
視界の先には背中に羽を生やした人間のような姿をした生物が飛行していた。
オヤジーデ「ぬぅ、私には見えないであります。」
フジオ「レオン君、そっちを頼むよ!」
フジオは走って時の精霊を追いながら精霊より少し右の方を指差して言った。
レオン「OK!」
トオル「じゃぁ俺はこっちだな」
トオルはそう言ってレオンとは逆の精霊の左方向へ走っていく。
暁「よし、みんな!」
暁はフジオと共に後ろから精霊を追っていた。その暁の合図によって全員の前髪が静かに揺れた。
フジオ「あ、ダメだ!!」
フジオがそう叫んだ瞬間追っていた精霊が突然光に包まれ、姿を消した。
トオル「な、何だ?」
そして姿を消した直後、FLAT4の魔法によって現れた巨大な網が何も無い森の上に落ちた。
オヤジーデ「?、どうしましたか、私には精霊の姿は見えないので現状が分からないのですが・・・。」
暁「逃げられたのか、過去か未来に・・・。」
フジオ「"時の精霊"は時間を操る精霊、他の時代に逃げられたらどうしようも・・・。」
???「随分と古典的な捕まえ方をしようとするんだね、君たちは。」
フジオと暁の背後から聞こえてきたその声に、2人は驚いて振り返る。
暁「あ、あなたは・・・。」
そこへ別方向から時の精霊を追っていたレオンとトオルもちょうど戻ってきた。
トオル「な、なんで・・・。」
???「私は時の精霊です。時間を止めて君たちの背後に回るくらいのこと、わけありませんよ。」

***

こがね「いろはさん、こっちです!」
いろは「あ、居たわ、あの岩の影!」
いろはの指差す先には1人の精霊が居た。2人は精霊のもとへ走りよると、言った。
こがね「精霊さん、ですね?」
???「あぁ、私が魔女界の時の精霊≠ウ。」
いろは「時の精霊さん、時空の狭間の神殿まで着いてきてもらえますよね?」
時の精霊「風の奴から話は聞いていた。良いだろう、君たちなら信用できる。」
こがね「ありがとうございます!やりましたね、いろはさん、これで・・・。」
いろは「えぇ、これで魔女界の精霊5人が全て集まったわ。」

***

ディラノス「国王、大変です!」
幻獣王「どうした、ディラノス!?」
国王謁見の間に慌ただしく入って来たのは国王側近のディラノスだった。
ディラノス「たった今フィーヌとテイルから連絡があったのですが・・・幻獣界の精霊探しがたった今終了したようです!」
幻獣王「本当か!?でかしたぞ、さすがは我が息子テイルだ。」
ディラノス「さらに幻想界と死後界、音楽界も無事に精霊探しを完了したようです。」
幻獣王「そうか、ということはすでに精霊探しが完了している魔法使い界と魔女界を含めれば残すは人間界だけか・・・。」
そう言うと幻獣王は突然苦しそうに胸を押さえた。
ディラノス「国王、どうかなさいましたか?」
幻獣王「グルモスは私を裏切ったんだ・・・人間は私を騙そうとした・・・。」
ディラノス「突然何の話ですか、国王?」
幻獣王「ディラノス・・・すまないが下がっていてくれ。」
ディラノス「え、あ、下がるというのは・・・。」
幻獣王「この部屋から去れと言っておるのだ!」
ディラノス「は、はい、失礼いたしました。」
幻獣王の怒鳴り声に驚いてディラノスは慌てて部屋を出た。ディラノスが部屋から出ていったのを確認してから幻獣王は呟いた。
幻獣王「人間は・・・私を殺そうとした・・・フレッド、いや、グルモスよ、私は貴様を、貴様ら人間を絶対に許さぬぞ・・・。」

***

人間界、この日は2月14日だった。
さつき「あ、ねぇ、白岩君・・・。」
かずき「ん、あぁ、何だ?」
放課後、クラブ活動へ向かおうとする白岩一樹をさつきは呼び止めた。
さつき「あ、あのね・・・。」
さつきは2人以外にその階段の所には誰も居ないことを確認すると、鞄から小さな箱を取り出して白岩一樹に手渡した。
さつき「き、今日はバレンタインでしょ?だから、その・・・。」
かずき「あ、あぁ、サンキュ。」
さつき「じゃ、じゃあね、クラブ頑張ってね。」
そう言ってさつきは階段を駆け上がろうとした。
かずき「新庄も・・・お前も勉強、頑張れよ。」
その言葉にさつきは足を止めて振り返り、
さつき「ありがとう。」
と言って再び階段を駆け上がった。白岩はそれを見届けてからさつきからもらったその箱を鞄にしまうと、階段を下りていった。

***

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