まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第39話『幻獣王の決意』
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フィーヌ「久しぶりだな、エイル、リオン。ちなみに私は今は元隊長だ。」
リオン「元隊長、ですか?」
フィーヌ「あぁ、国王の命令に逆らったためにクビになったんだ。」
エイル「こ、国王の命令に・・・。」
フィーヌ「そんなことより、今はもっと重大な話がある。」
リオン「何でしょうか?」
フィーヌ「今、幻獣界と魔女界との間で戦争が起こっている。また、幻想界も参戦した大戦争だ。」
エイル「我が国と魔女界が、ですか?何故そんな・・・。」
フィーヌ「原因はお前たちなんだ、エイル、リオン。」
エイル「私たちが、ですか?」
フィーヌ「国王は・・・お前たちが魔女界の森で倒れていたと聞いて、お前たちに怪我を負わせた犯人は魔女だと思ったんだ。元々国王は宝石を盗んだ犯人は魔女だと考えていた。そういうわけで国王は魔女界へ宣戦布告した。すると当然我が国、幻獣界と同盟を結んでいる幻想界も参戦してきた。」
リオン「そんな・・・。」
フィーヌ「そしてその戦争をとめることが出来るのは・・・お前たち2人しか居ないのだ。」
エイル「・・・え?どういうことですか?」
フィーヌ「お前たちは本当に魔女に襲われたのか?」
リオン「いえ・・・襲われたのは背中に黒い羽の生えた男でした。」
フィーヌ「やはりな。そいつは悪魔だ。崩壊した悪魔界の生き残りの子孫だ。」
エイル「あ、悪魔ですか?そういえば確かに奴の特徴は文献で読んだ悪魔と似ている・・・。」
フィーヌ「とにかく、今、ここはお前たちの夢の中だ。」
リオン「え、ここが、ですか?」
フィーヌ「そうだ、お前たちは悪魔に襲われたあと、ずっと気を失って眠り続けている。私は夢見の魔法を使ってお前たちを起こしにきたんだ。そして、お前たちが目を覚まし、幻獣王の元へ行き今すぐ王を説得せねばならない。そうすることでやっとこの戦争をとめることが出来るんだ。」
リオン「しかしこの夢から覚めるにはいったいどうすれば・・・。」
フィーヌ「それは任せておけ、良いか、目を閉じろ。」
2人は目を閉じた。しばらくすると、頭の中が真っ白になっていった。

***

2人の視界に、白い天井が飛び込んできた。
リオン「ここは・・・。」
2人はほぼ同時に体を起こした。
マジョハート「上手くいったようだな。」
フィーヌ「あぁ、完璧だ。」
エイル「俺たちは一体・・・。」
フィーヌ「今、夢の中で話したとおりだ。」
リオン「フィーヌ隊長・・・いや、元隊長でしたか・・・。」
フィーヌ「ちゃんと夢の中で話したことを覚えているようだな。なら話は早い、行くぞ。我らが国王の下へ。」
エイルとリオンは一度顔を見合わせると、フィーヌの方を見て黙って頷いた。

***

ディラノス「国王、大変です!」
幻獣王側近のディラノスが謁見の間へ慌ただしく入ってきた。
幻獣王「どうした?」
ディラノス「フィーヌが戻ってきました。」
幻獣王「フィーヌが!?」
ディラノス「はい、国王に会って話がしたいと申しています。」
幻獣王「ふん、生きておったのか・・・まぁ良い、通せ。」
ディラノス「・・・かしこまりました。」
ディラノスはそう言って一旦部屋を後にした。

ディラノス「フィーヌ、国王の許しが出た。中に入れ。」
フィーヌ「ありがとうございます、ディラノス様。」
ディラノス「フィーヌ・・・うまくやれよ。魔女界と戦争など馬鹿げていることをあの国王に教えてやれ。」
フィーヌ「ディラノス様・・・大丈夫です、この2人が証人ですから。」
ディラノスの後ろにはさっきまでマジョハートの診療所で眠っていた2人の姿があった。
ディラノス「そうだな、とにかくうまくやってくれ。」
フィーヌ「任せてください。」
そう言ってフィーヌたちは謁見の間の扉を開けた。

***

マジョハートは誰も居なくなった2台のベッドを見つめて呟いた。
マジョハート「やるじゃないか、あの妖精の奴。まさかほんの数分で2人の目を覚まさせるとはな。」
マジョハートはそのベッドに腰をおろした。

***

フィーヌ「失礼します。」
幻獣王「ふん、何のようだ。ぬぅ、お前たちは・・・。」
幻獣王は、フィーヌと共に入ってきた2人の人物(幻獣)に驚いた。
エイル「お久しぶりです、国王、エイルです。」
リオン「リオンです、お久しぶりです。」
鳥人間のエイルと一角獣のリオン(20話参照)だ。
幻獣王「お前たち・・・無事だったのか?魔女にやられたはずじゃぁ・・・。」
エイル「まさか、そのようなことは決してありません。」
幻獣王「魔女界の森で大怪我を負って倒れていたと聞いた。では一体誰にやれれたんだ!?」
リオン「・・・悪魔です。」
幻獣王「悪魔だぁ!?ふん、貴様ら、俺をなめているのか?悪魔界など遠の昔に滅んでおる!」怪異 エイル「国王、事実です。悪魔界は滅んだものの、悪魔には生き残りがいたのです!」
幻獣王「・・・馬鹿な!」
リオン「本当です、我々は国王の命令の元、魔女界に潜入していました。そこへ悪魔が我々の元へやってきて、突然襲い掛かったのです。」
幻獣王「だとしたら、何のために悪魔はお前たちに襲い掛かったというんだ!」
エイル「それは・・・。」
言葉に詰まるエイルたち。そこへ、フィーヌが割って入った。
フィーヌ「幻獣界と魔女界とで戦争を起こさせるためです、国王。」
幻獣王「何だと!?」
フィーヌ「戦争を起こすことによって、悪魔たちは自分たちの目的を誰にも気づかれずに遂行するつもりだったのでしょう。つまり、戦争が起これば、人々の目はそちらにばかり行き、自分たちが密かに行動していることがばれにくくなる・・・。」
幻獣王「おい、待て、奴らの目的とはなんだ!」
フィーヌ「これは私の推論ですが・・・おそらく奴らの目的は悪魔界の復興。」
幻獣王「悪魔界の復興?まさか、だとしたら神殿から宝石を奪ったのは・・・。」
フィーヌ「さすがは我らが国王、宝石に秘められた力についてご存知のようで・・・。その通りです、おそらく神殿から世界の宝石を奪ったのは悪魔たちでしょう。」
エイル「ちょ、ちょっと待ってください、フィーヌ元隊長・・・。」
リオン「宝石に秘められた力というのは、一体!?」

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