まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第37話『マジョユーナの日記』
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男「おんぷちゃん、本番始まるよ。」
おんぷ「あ、はい、今行きます。」
この日、新年最初のライブの日だった。
おんぷ「うわぁ、人いっぱい、慣れてるとはいってもやっぱ緊張するなぁ・・・。」
おんぷは、舞台裏からこっそり会場内をのぞくと、たくさんの人が居るのを見て呟いた。そして、深呼吸してから、言った。
おんぷ「よし。」
おんぷはステージの中央に向かって走っていく。突如会場に歓声が上がった。
おんぷ「みんな〜、ちょっと遅いけど、新年明けましておめでとう!今年初めてのライブ、来ていただいてありがとうございます!」
挨拶をすると、会場もより盛り上がってきた。
おんぷ「それじゃぁ、早速歌います、まず初めに『harf point』を歌います!」
おんぷがそのセリフを言い終わったあと、少しの間をおいて軽快な音楽が流れ始めた。一方、会場の2階席には、ある男の姿があった。
オヤジーデ「はぁぁ、おんぷちゃんのライブのチケット、取れて良かったであります。」
オヤジーデは至極嬉しそうな顔をしている。
オヤジーデ「おんぷちゃ〜〜ん!!!」
オヤジーデは手を振って見せる。と、オヤジーデは突然肩を叩かれて後ろを振り向いた。
オヤジーデ「ん?あ、これはこれは・・・。」
フジオ「オヤジーデさん、こんなところにいたんですか・・・。」
オヤジーデの背後にはFLAT4の4人が居た。
レオン「まさか本当に居たとはね・・・。」
レオンが呆れ気味に続ける。
暁「魔法使い界が大変な時期に何やってるんですか、帰りますよ。」
オヤジーデ「え、帰るってそんな・・・おんぷちゃんのライブは始まったばかりじゃありませんか!」
トオル「そうだぞ、暁!」
レオン「・・・ユーはどっちの味方だい?」
フジオ「とにかく、魔法使い全員が集合するようにという国王の命令です。」
  オヤジーデ「なんと、それは仕方がありませんね・・・。それにしても、魔法使い全員集合とは・・・?」
暁「来れば分かりますよ。」
暁たちに連れられて、仕方なくオヤジーデはおんぷのライブ会場を後にした。

***

オヤジーデ「何ですとぉぉ〜!!?」
魔法使い界の城の中でオヤジーデの声が響いた。
魔法王「それほど驚くことでもないだろう。」
オヤジーデ「精霊探しが終わって世界が安定するまで魔法使い界から外へ行くのを禁止するなんて・・・。」
魔法王「仕方がない、世界をつなぐ時空の狭間が不安定になっている今、ただでさえ少ない魔法使いが魔法使い界に戻ってくることが不可能となれば、魔法使い界の復興が著しく遅れるどころか、逆に衰退の一歩をたどることになるやも知れないのだ。」
オヤジーデ「し、しかし、そんなことしたら・・・大変なことになりますよ!?」
魔法王「大変なこと?」
オヤジーデ「おんぷちゃんに会えなくなってしまいます!」
魔法使い界の王と、それからFLAT4の4人はそれを聞いて思わずコケた。
暁「オ、オヤジーデさん、とりあえず精霊探しは僕達が全力を尽くして頑張りますから、それまで我慢してくださいよ。」
フジオ「すでに精霊は4人見つけていますから、あと残すところ1人です。」
オヤジーデ「すぐ見つかるんですかぁ?」
レオン「ミーたちにお任せください。」
トオル「あと1人ぐらいすぐ見つけてみせますよ。」
オヤジーデ「そうですか・・・ところで最後の1人の精霊はいったい何の精霊なんです?」
暁「はい、最後の1人の精霊は・・・。」
暁は他の3人の顔を見て、そして再びオヤジーデの方を向きなおした。
暁「"時"の精霊です。」

***

こがねたちは、とりあえずいつも活動拠点としてる古城に戻ってきていた。
こがね「マジョユーナさんの娘・・・かぁ。」
こがねはそんなことを呟きながらただひたすら日記をパラパラとめくっていた。
いろは「まだ読んでるの?」
こがね「いろはさん・・・。」
いろはがこがねの隣にやってきているのに気づいて、こがねは日記を閉じた。
こがね「何か手がかりはないかな、って思って・・・。」
いろは「そう。何か見つかった?」
こがねは何も言わずにただ首を振った。
いろは「・・・そっか。」
キロル「マジョビート、あのさ・・・。」
キロルは、その部屋に入ってくるや否やそういった。
こがね「何、どうしたの、キロル?」
キロル「人間界のこととか、いろはさんのこととか・・・いろいろ話してよ。」
こがね「え?」
キロル「だって、マジョビート、変わってるんだもん。前会った時と。何があったか知りたくて・・・。」
こがね「そっか・・・うん、良いよ。」
キロル「あは、ありがとう。」
こがね「あのね、実はね・・・。」
その日、その古城の中で、ずっと笑い声が響いていた。
いつまでも、絶えることなく─。

***続く


次回予告
しずく「はぁ、寒いなぁ、手袋でも編もうかな。」
さつき「そういやしずくちゃんって編み物得意なんだよね。」
どれみ「自分でそんな可愛いマフラーとか手袋とか作れるなんて、しずくちゃん凄い!次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『真冬に咲いたコスモス』、ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」

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