まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第36話『こがねの妖精』
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ファファ「ファファファ〜・・・。」
魔女界の城の一室に元気なくやってきたのは昔ぽっぷの妖精だったファファだ。
マジョリカ「ん、なんじゃ、ファファか。そういや久しくファファを見とらんかったような気するんじゃが・・・。」
ララ「あぁ、マジョリカは知らないのね・・・あの日のこと。」
マジョリカ「なんじゃ、何かあったのか?」
ララ「この間何故かババがやってきて、そのときに運悪くファファだけ逃げ遅れてね・・・。」
マジョリカ「逃げ遅れた?」
ララ「そ、ババがね、みんなで温泉に行こうって誘いに来たんだけど・・・。」
マジョリカ「行けば良かったんじゃないのか?」
ララ「それが・・・その温泉、地獄界にある温泉なの。」
マジョリカ「・・・地獄界?」
ララ「何でババがその温泉に行こうって言ったのかは知らないけど・・・。」
マジョリカ「そ、そうか、それは何じゃか怖いのぉ・・・。」
ララ「そうなのよね、だからコーラを上げるからって断ったんだけど、『コーラはもらっておくが、温泉には行く!』って言ってファファを無理やり連れて言っちゃって・・・。」
マジョリカ「そうか・・・それは災難じゃったのぉ・・・。」
ファファ「ファファ〜。」
ハナ「ん、あれ、ファファ!久しぶり〜。」
突然部屋に入ってきたハナは、ファファが居ることに気づき言った。
ファファ「ファファファファ!!」
マジョリカ「この様子を見とると・・・よっぽど怖かったようじゃな・・・。」
ララ「それにしても何で地獄界の温泉だったのかしら・・・。」

***

その頃、こがねといろはは魔女界を歩きまわって・・・いや、箒に跨って飛び回って居た。
こがね「ここが私が以前住んでいた街で・・・。」
いろは「ここでこがねの妖精は姿をくらましたの?」
そう、2人はその昔に家出して居なくなったこがねの妖精を探しに魔女界を散策していたのだ。
こがね「は、はい・・・。」
いろは「そっか、じゃぁここで魔法を使えば妖精の居場所、分かるかもね。」
こがね「それじゃぁ、使ってみますか?」
こがねはそう言って水晶玉をかざした。
こがね「私の妖精、キロルの居場所を教えて!」
水晶玉は一瞬淡く光ると、すぐにその光は止んだ。何も起こらなかった。
こがね「あ、あれ?」
いろは「何も起こらないわね・・・。」
こがね「おかしいなぁ・・・気を取り直してもう1回。」
こがねは再び水晶玉をかざした。
こがね「キロルの居場所を教えて!」
すると、またもや水晶玉は一瞬光っただけで、何も起こらなかった。
いろは「こがね、あなた・・・。」
こがね「え、な、何ですか?」
いろは「もしかして・・・妖精のキロルには会いたくない?」
こがね「ま、まさか・・・そんなわけ無いですよ・・・。」
いろは「嘘つかないの、本当は会いたく無いんでしょ?」
こがね「ど、どうしてそう思うんですか?」
いろは「こがねは嘘をついてたりして動揺している時はいつも魔法、失敗するから。」
こがね「え?」
こがねはいろはのそのセリフを聞いて驚いた。動揺しているときに使った魔法がいつも失敗していることなど、こがね本人でも自覚していなかったことだったからだ。
いろは「・・・自覚症状無し?」
こがね「あ、えっと・・・。」
言われてみればそんな気がした。昔、こがねがまだ魔女界でイジメにあっていた頃の話。

当時、こがねに味方をしてくれる友達を持っていなかった彼女は、いつも一人だった。そして、そんな中、学校の授業などで魔法を使うときに、いつもプレッシャーが彼女を纏っていた。
『マジョビートが魔法使ってもどうせまた失敗するだけ』
『マジョビートに魔法の才能なんて無い』
そんな悪口が彼女の身の回りから聞こえてこないことの方が少なかった。そして、そのイジメのせいで、魔法を使う際にプレッシャーが生じてしまっていた。
『また失敗したらどうしよう』
『また失敗したらみんなになんて言われるんだろう』
そんな不安が彼女の心の中を占有し、動揺してしまった彼女が使った魔法は、成功するわけが無かった。
『また失敗?』
そんな声が彼女を追い詰めていた。

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