まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第34話『ハナちゃんの魔法』
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ハナ「はぁ、今日は楽しかったね〜。」
ミミ「ミミ、ミミ〜。」
ハナ「ん、あれ・・・。」
ハナは途中の木の上でさっき会ったあの少女が居るのに気づいた。
ハナ「あ、さっきの・・・。」
???「あ・・・。」
少女はハナに気づいてまた逃げようとした。
ハナ「待て〜!」
ハナの水晶玉が光ると、逃げようとする少女の動きが止まった。
???「あ、あれ?」
ハナ「もう逃がさないからね〜。」
???「ちょ、ちょっと、何をするつもり?」
その少女の居る木に登っていくハナ。
ハナ「捕まえた〜。さっき魔法でハナちゃん転ばせたでしょ。」
???「私知らない。」
とそっぽを向く少女。
ハナ「知らない?」
???「もう良いでしょ、帰らせてよ。」
ハナ「ダ〜メ、話は終わってないよ。」
???「・・・分かった、私が魔法であなたを転ばせた、それで良いでしょ?」
ハナ「良くないよ、なんでそんなことしたの?」
???「なんでって・・・。」
そこへ一人の大人の魔女がやってきた。
魔女「あ、こんなところに居やがった、おい、降りて来い!そこの赤紫色の髪の小娘!」
???「やっば、見つかっちゃった、ちょっと、早く魔法を解いて、捕まっちゃうよ!」
ハナ「追われてるの?」
???「私はやってないのにあのおばさんの持ってる水晶玉を盗んだって決めつけられてるのよ。」
ハナ「そうなの?」
魔女「嘘おっしゃい、あんたみたいないたずら娘を誰が信用するもんですか!」
ハナ「いたずら娘?」
魔女「そいつは毎日毎日いたずらばっかりして、みんな迷惑がってるのよ。だからそいつ以外に犯人はいないわ。」
ハナ「じゃぁ待ってください、ハナちゃんが魔法でその水晶玉を探しますから。」
魔女「何?あんたみたいな子供にそんなこと出来るのかしら?」
その魔女が皮肉っぽく言う。一方のハナは自分の水晶玉を取り出し、魔法を唱えた。
ハナ「あの魔女の水晶玉の在り処を教えて!」
ハナの水晶玉から放たれた光はまっすぐ近くの街の方へ伸びていく。
ハナ「あっちだって。ということはこの子は水晶玉持ってないよ。」
魔女「ふ、ふん、どうせ何処かに隠したんでしょ。」
ハナ「とにかくこの光の先にあるはずだから行ってみようよ。」
魔女「・・・。」
その光の指し示す先を目指すハナたち。その光の先には1件の家があった。
魔女「こ、ここは私の家じゃぁ・・・。」
ハナ「家の中にあるみたいだよ。」
魔女「しかし家の机の上に置いてあった私の水晶玉はなくなっていたんだ、あるわけが無い!」
ハナ「でも、とにかく中に入って探してみたらどうですか?」
魔女「分かったわよ、でも、これでなかったらあんたたちが私の水晶玉、弁償しなさいよ。」
魔女は怒ったような口調で言って家の中に入っていった。
魔女「私はこの机の上に水晶玉を置いておいたのよ。そしたら無くなっていたの。」
その魔女は丸い机を指差して言う。ハナはその机の横にあった棚にふと目をとめる。そして、その棚と壁の間を覗き込んだ。そこには丸い物が光っていた。それは紛れも無く水晶玉だった。
ハナ「あった!」
魔女「え?」
???「本当?」
ハナが手を伸ばしてその水晶玉を取った。
ハナ「これですか?」
魔女「こ、これだ・・・。」
魔女は気まずそうに言った。
ハナ「水晶玉は丸いからきっと転がってったんですよ。」
魔女「そ、そうね。はい、見つけてくれてどうも、さっさと帰ってちょうだい。」
???「な、なによそ・・・。」
魔女の態度にムッとした少女が反論をしようとしたが、ハナがそれをさえぎった。
ハナ「もう良いから、いこう。」
???「で、でも・・・。」
ハナ「良いから、良いから。」
???「え、ちょっと、ねぇ・・・。」
少女を無理やり引っ張ってハナたちはその魔女の家を後にした。

***

???「さっきはありがとう。」
ハナ「へ?」
???「私が盗んでいないことを証明してくれて。」
ハナ「そんなことは良いよ。でも、ダメだよ。」
???「ダメ?」
ハナ「魔法でいたずらなんてしたらダメ。」
???「・・・。」
ハナ「魔法でいたずらばっかりしてたから今回だって疑われたんでしょ?」
???「そうだけど・・・。」
ハナ「魔法はね、いたずらをするためにあるものじゃ無いんだよ?」
???「・・・。」
ハナ「実はハナちゃんもね、昔魔法でいたずらしてたりしたことあるんだ。」
???「え?」
ハナ「でもね、私のママが魔法はどういうときに使うものなのかを教えてくれたの。魔法はいたずらしたりズルしたりするために使っちゃダメだって言ってた。魔法はね、自分のために使うんじゃなくて、人のために使うものなんだよ。」
???「人のために・・・。」
ハナ「うん、だから他人に迷惑をかけたり、自分のためにならないような魔法は使っちゃダメ。」
???「そっか・・・。そうかもね。」
ハナ「あ、そうだ、私はハナって言うの。よろしくね。」
???「え、えっと・・・私は・・・エミリ。」
ハナ「よろしくね、エミリちゃん。」
エミリ「うん。」
ハナ「あ、そろそろ帰らないとマジョリカたちに怒られちゃうから、またね。」
エミリ「うん、またね。」
ハナ「それから、もう魔法でいたずらしたらダメだよ?」
エミリ「分かってるって。」
エミリの返答を聞いたハナは笑顔を浮かべてマジョリカのところへ帰っていった。
エミリ「いたずらはダメ、か。っと、私も帰らないとね。」
その少女、エミリも自分の家に向かって帰っていった。

***続く


次回予告
さつき「さってと、今日も塾へ行きますか。」
どれみ「さつきちゃん、冬休みも塾行くんだ、大変だね。」
しずく「塾は結構楽しいとか言ってたけど、やっぱり大変だよね・・・。」
どれみ「次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『さつきの想い』、ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」

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