まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第34話『ハナちゃんの魔法』
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ここは、とある古びた城。その城の中にハナが入っていった。
こがね「あれ、ハナちゃん、って、どうしたのそのひざ!」
こがねはハナがその建物に入ってくるや否や言った。
ハナ「転んでひざすりむいちゃった。」
こがね「あらあら、すぐ手当てしてあげるね、ちょっと待ってて。」
こがねはハナを近くにあった椅子に座らせると、何処かへ走っていってしまった。
いろは「ん?ハナちゃん、怪我しちゃったの?」
ハナ「うん、転んじゃったの。」
いろは「そっか、まぁそんなにたいした怪我じゃなさそうだから消毒しておけば大丈夫ね。」
いろははニッコリと笑って言う。そこへ、救急箱を持ったこがねが戻ってきた。
こがね「はい、ハナちゃん、ちょっと脚見せてね。」
こがねは水で湿らせたティッシュでハナの足を拭うと、消毒液をつけた。
こがね「しみるけど我慢してね〜。」
こがねは消毒液のビンの蓋をしめると、バンソウコウを取り出して傷口に貼った。
こがね「はい、これで大丈夫よ。」
ハナ「こがね、ありがとう。」
こがね「どういたしまして、今度は転ばないように気をつけてよ。」
ハナ「は〜い。あ、そうだ、こがねの妖精ってさ、見たこと無いけど、いつも何してるの?」
それに反応してこがねはビクッとした。
こがね「え、私の妖精?」
ハナ「それから、いろはの妖精は?」
いろは「私の妖精ならあっちに居るわよ、ハロ〜?」
ハロ「は〜い?」
部屋の奥からハロと呼ばれた大人の妖精が姿を現した。
いろは「この子が私の妖精よ。」
いろははハロの紹介をする。
ハロ「あら、初めましてだったかしら、私はいろはの妖精のハロよ、よろしく。」
ハナ「よろしく〜。ハナちゃんだよ〜。」
トト「トトト〜。」
ハロに挨拶をするハナとトトたち。
ハナ「それからこがねの妖精は?」
こがね「えっと、えっと・・・。」
いろは「ハナちゃん、こがねの妖精はちょっと今出かけてるみたいよ。」
ハナ「そうなの?」
いろは「うん、そう。あ、それで、ハナちゃんは今日は此処に何しに来たの?」
ハナ「暇だってマジョリカに言ったらこがねの所へ行けって言われたの。」
いろは「そっか、じゃぁこがね、遊んであげて。」
こがね「え、私が?」
いろは「そうよ。」
こがね「あ、はい、じゃぁ何して遊ぶの、ハナちゃん。」
ハナ「ハナちゃんかくれんぼが良い!」
こがね「え、か、かくれんぼ?」
いろは「かくれんぼかぁ・・・。そういえば昔メアリーとしずくとよくかくれんぼをしたわ。」
ハナ「じゃぁいろはもやろう!」
いろは「え、私も?」
ハナ「だって人数は多い方が面白いじゃん。」
いろは「・・・よし、分かった、じゃぁ私とハナちゃんとハロたちが隠れるから、こがねは10秒数えて。」
ハロ「え、私もやるの?」
いろは「あったりまえでしょ。ね、ハナちゃん。」
ハナ「うん、だって人数多いほうが面白いもん。」
ハロ「はぁ・・・。」

***

マジョラッタ「そういえばあの書類はどこへやったかの・・・。」
マジョラッタは棚の一番下の引き出しを開けようとする。
マジョラッタ「ん?ぬおっ!」
その引き出しの中に丸くなって隠れているこがねを発見した。
こがね「あ・・・。」
マジョラッタ「・・・何をしとるんじゃ、こがね。」
マジョラッタはこがねを見て呟いた。
こがね「え、これにはちょっと深いわけが・・・。」
ハナ「あ、こがね見っけ〜!」
マジョラッタの横からハナが顔を出す。
こがね「あぁ、マジョラッタのせいで見つかっちゃったじゃん!」
真剣な表情で言うこがね。はじめはいやいややっていたこがねも、いつの間にかかくれんぼを楽しんでいるようだ。
マジョラッタ「かくれんぼしておったのか・・・。」
マジョラッタが呆れて言う。

***

ハナ「あぁ〜楽しかった。」
こがね「うん、あんな遊びしたの久しぶりだよ。」
ハロ「私は初めて・・・かしら。」
いろは「はは、みんな何とかいって結局楽しかったみたいね。」
トト「トトト〜。」
満足そうに頷くトト。
ハナ「じゃぁそろそろ帰るよ、今日はありがとね〜。」
こがね「うん、じゃぁ気をつけて帰ってね。」
いろは「気をつけて、バイバイ。」
ハナ「バイバ〜イ。」
ハナと妖精たちが帰っていくのを見届けてから、唐突にいろはが聞いた。
いろは「さっきのこがねの妖精の話だけど・・・そういえば私も聞いてないわね。」
こがね「え?」
いろは「さっきは適当に嘘言ってごまかしてあげたけど、あなたの妖精、どうして居ないの?実は私も前から気になっていたけど、なんというか、なかなか聞くチャンスが無かったから・・・。」
こがね「実は・・・私の妖精、家出しちゃったんだ・・・。」
いろは「家出?」
こがね「私がイジメられてた時、私がイジメられてるのが苛立たしかったみたいで・・・。」
いろは「何処へ行ったかは分からないの?」
こがね「分からないです。魔法で探せば見つかるかも知れませんけど、無理に連れ戻すのも・・・。」
いろは「そっか・・・。でも、今は友達だって居るんだから、会って話せば戻ってきてくれるんじゃないかな?」
こがね「そうだと良いんですけどね・・・。」
いろは「もう、なに沈んでるの、物は試し、私も戻ってくるようにこがねの妖精を説得してあげるから。」
こがね「・・・ありがとうございます。」

***

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