まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第32話『奪われた宝石』
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こがね「よっこらしょっと。」
こがねは箒から降りて地面に立った。いろはもそれに続く形で地面に降り立った。
いろは「こがね、スティックはどう?」
こがね「青く光っています。」
いろは「近いわね。でもこの先の森は確か・・・。」
いろは高台から見える森を眺めながら呟いた。その森は2人が風の精霊と会った森だった。
こがね「確か風の精霊さんがいる森・・・ということはこのスティックは風の精霊さんに反応してるのか・・・。」
風の精霊は、他の4人の精霊を見つけて神殿に連れていくまで神殿へは行けないとこがねたちに言っていた。風の精霊はその理由を教えてくれなかったが、とにかくまだ炎、水、森の3人の精霊しか見つけていなかったため、まだ風の精霊を連れていくことは無理だった。
いろは「とりあえず・・・風の精霊さんの所に行ってみようか。」
こがね「え?」
いろは「もしかしたら、あと1人のまだ見つけていない精霊さんのことを知ってるかもしれないじゃない。」
こがね「・・・そうですね、行ってみますか?」
いろはが頷くと、2人は箒に乗ってその森を目指した。

***

どれみ「え、本当?」
どれみは小竹と電話で会話していた。
こたけ「あぁ、もちろん俺もレギュラーだぜ。」
小竹は、福岡県北九州市のある学校に通っている。去年の秋、美空中からその学校に転校した彼は、その学校でサッカー部に入部していた。そして、その学校のサッカー部は春のサッカーの大会予選で九州大会に進出したのだ。
どれみ「そうなんだ、凄いじゃん。」
こたけ「それで・・・その大会は年が明けた来年の2月にあって、ベスト4まで勝ち進んだら全国大会出場で東京に行くんだ。」
どれみ「東京か・・・じゃあ、もし全国大会に出場したらみんなで応援に行くよ。」
こたけ「おう、でも全国大会に行けるかどうかは厳しいとこなんだけどな・・・。」
どれみ「大丈夫、小竹なら行ける・・・って言いたい所だけど、無理かな・・・。」
こたけ「ど、どれみ、何だよそれ。」
どれみ「ははは、冗談だよ。」
こたけ「まぁ良いけどよ。んじゃあ、そろそろ電話切るぞ。」
どれみ「ん、そだね。もう遅いからね。」
どれみは受話器を持ったまま窓の外が暗くなっていることを確認した。
どれみ「んじゃ、良いお年を!」
こたけ「あぁ、じゃあな。」
どれみは受話器を置くと、呟いた。
どれみ「小竹、頑張れ。」
ぽっぷ「じぃ〜」
どれみ「は、ぽっぷ、何時の間にそこに!?」
気がつくと、どれみの背後にぽっぷの姿があった。
ぽっぷ「30分前から。お姉ちゃん電話長すぎ〜。」
どれみ「ごめん、ごめん、電話使うの?」
ぽっぷ「うん、ちょっとね、おばあちゃんに電話。」
ぽっぷはそう言って受話器を取って電話番号をプッシュし始めた。
どれみ「おばあちゃんに?」
ぽっぷ「うん、今年の年末おばあちゃんのところ行くんだから電話しとけだってさ。」
どれみ「ふうん、そっか。そういえばお母さんがそんなこと言ってたっけ。」
どれみはそんなことを呟きながら自分の部屋に戻っていく。
どれみ「はぁ〜ぁ、今年も本当にあと少しだなぁ・・・。今年もいろいろあったな・・・。」
どれみは天窓から見える一番星を眺めながら呟いた。
どれみ「みんな・・・元気にしてるのかな・・・。」
日はさらに暮れ、窓の外を2つ目の星が瞬き始めた。

***

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