まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第31話『サンタさんなんて大嫌い!』
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薬屋で風邪薬を買い、用を済ませたどれみは店を後にし、さっき風木が見ていたケーキ屋の前を通りかかった。
どれみ「はぁ、ケーキ見てたらお腹すいてきちゃった・・・。って、あれ?」
どれみはそのケーキ屋の前に何かが落ちているのに気づいた。
どれみ「何だろう、これ・・・手作りのブレスレットみたいだけど・・・。あ・・・。」
どれみはそれを見て、ふと風木がこれに似たような物を身につけていたのを思い出した。
どれみ「風木ちゃんのかな・・・。」
どれみはそれをポケットに入れると、家に向かって走り出した。

***

かぜき「ただいま〜、って誰も居ないんだよね。」
風木が家に着くと、そこは真っ暗な空間だった。
かぜき「電気は・・・ここだっけ?」
風木は手探りで壁を調べる。
かぜき「あった・・・。」
電気のスイッチを入れると、部屋の中はたちまち明るくなった。明るくなったその部屋は5畳くらいの狭い部屋で、こたつと棚がいくつかとそれ からキッチンの台があるだけだった。そして、そのこたつの上になにやらメモらしきものが残されていた。
かぜき「何々?・・・『今日は遅くなるって言ったと思うけど、9時くらいには帰るから、そのつもりでね。それから、帰りに良いもの買ってきてあげるからね。姉より』、か。何だろう、良いものって・・・。まぁ良っか、晩御飯食べようっと。」
風木は買い物袋の中から買ってきた食材を取り出した。
かぜき「さてと・・・。」
風木はポケットから香水のようなものを取り出してそれを体に吹き付けた。
かぜき「プリティ〜ウィッチ〜かぜきっち〜♪」
いちいちポーズをとってから、風木はポロンを構えた
。 かぜき「ペルオ〜ルタント フィラディリオン!カレーのレシピよ、出てきて!」
風木がそう唱えると、出てきたのは『料理入門』と書かれた本だった。
かぜき「えっと・・・あった!」
風木はその本をパラパラとめくりカレーの作り方が載っているページを見つけた。
かぜき「さて、作りますか。」

***

どれみ「青ヶ崎町ってこの辺だよね・・・。」
暗くなった街をどれみは歩き回っていた。
どれみ「この辺に線路沿いのアパートなんてあったっけ?あ、そういえば・・・。」
どれみは突然走りはじめた。
どれみ「はぁはぁ、確かこがねちゃんの住んでたアパートがこの辺に・・・あった!」
どれみはそのアパートの1階から全ての部屋の表札を調べ始めた。
どれみ「えっと・・・此処でもない。こっちは・・・あ、ここだ。」
『302号室 水野雷火』と書かれた表札の前でどれみは立ち止まった。
どれみ「ライカって読むのかな・・・変わった名前だな・・・。」
そう思いながら、どれみはその家の扉をノックした。すると、扉の向こうから聞き覚えのある声が聞こえてきた。扉が開くと、そこには風木の姿があった。
かぜき「あれ、どれみさん!?」
どれみ「あのさ、これ、風木ちゃんのじゃない?」
かぜき「え?」
どれみ「これ、さっき会ったケーキ屋さんの前に落ちてたんだ。」
かぜき「これ・・・私の・・・ありがとうございます。」
風木は笑って見せた。
かぜき「これ、オルテガにあげたネックレスとおそろいの手作り品なんです。・・・それにしても、どうして私の家の場所が分かったんですか?」
どれみ「一回家に帰ってぽっぷに聞いてみたんだ。そしたら青ヶ崎町にある線路沿いのアパートに住んでるって風木ちゃんから聞いた、って言ってたからさ。」
かぜき「そうだったんですか・・・あ、せっかくだからあがってください。」
どれみ「え?でも・・・。」
かぜき「お願いです。わざわざこれを届けてくれたお礼にお茶でも出しますよ。」
どれみ「そっか、じゃぁお言葉に甘えてちょっとだけ上がらせてもらうよ。」
どれみは風木に言われ家に上がると、こたつのあるあの5畳ほどの部屋に案内された。

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