まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第30話『ももこ、最後の選択!?』
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時間と場所は変わって、正午のアメリカ・ニューヨーク。
ももこ「ごめん、待った?」
ももこが校門の前までたどり着くと、トムがすでに来ていた。
トム「いや、俺も今来たとこ。それより悪いな、休みの日に練習に付き合わせて。」
この日、2人は学校の体育館でバスケの練習をする約束をしていた。
ももこ「ううん、良いよ。」
トム「そうか、じゃぁ入ろうぜ。先生にはもう許可とってあるから。」
ももこ「そうなんだ。」
2人はそう言って校門をくぐって中に入っていく。
トム「それにしても、休みの日の学校って本当に静かだな。」
ももこ「そうだね。私たち以外誰もいなさそうだし・・・。」
トム「ん、そんな感じだな。っと、練習やる前に着替えねぇとな。」
トムはそういって男子更衣室に入っていった。ももこも、女子更衣室に入り服を着替えて出てきた。
トム「よっしゃ、練習やるか。」
ももこ「う、うん。」
トムは準備運動を終えると、早速ボールを持ってきた。 トム「さて、じゃぁモモコ、1対1で勝負しようぜ。その方が楽しいし練習にもなるだろ。」
ももこ「う、うん、そうだね。」
2人はコートの真ん中まで来ると、先にももこがボールを持たされた。
ももこはボールをもらうと念入りにボールを確かめるようにして触って見せた。そして、ドリブルを始めた。それを見て手を広げてディフェンスの体制に入るトム。
トム「レイアップでもスリーポイントでも何でも来いよ。」
トムがそう言い放った直後に、ももこは動いた。右足を一歩下げ、そして左足を大きく右斜め前に踏み出した。そうすることによって、ももこの背中にトムの体が隠れるようになる。ももこはその後瞬時に走ってゴール下を目指した。
しかし、トムもそれにすばやく反応し、すぐさまゴール下へ走って行く。ももこがゴール下につくと、すぐにトムに動きを封じられてしまい、ドリブルをやめてしまった。すると、ももこは今度は左足を一歩引いてシュートの体制に入る。それに反応してトムが右手を前に出してくる。
ももこはそれを待っていたかのように、ボールを持つ両手を半時計回りにねじり左足をもう一歩下げた。そして今度は素早く左足を元の位置に戻し、再びシュートの体制に入った。ももこの手から放たれたボールは見事にリングを通過した。
トム「やられたな・・・やるじゃねぇか。でも次はそうはさせねえぞ。」

***

練習を終え、着替えて2人が学校を出た頃には空に綺麗な夕焼けが輝いていた。
トム「はぁ、いい汗かいたぜ。モモコ、今日はありがとな。」
ももこ「え、う、うん。私も練習になったから良かったよ。」
トム「そっか、なら良かったぜ。って、寒っ!なんか温かい飲み物飲みたくないか・・・?」
ももこ「そうだね、ココアとか。」
トム「ココアか・・・よし、ちょっと待ってろ。」
トムはそう言って、近くにあった自販機にお金を入れた。しばらくして、トムは2本の缶を持って戻ってきた。
トム「ほらよ、おごり。」
トムはそう言って持っていた缶のうちの1本をももこに差し出した。それはホットココアの缶だった。
ももこ「え、良いの?」
トム「良いんだよ、練習に付き合ってもらったんだから。」
ももこ「あ、ありがとう。」
ももこはお礼を言うと早速それを開けて飲んだ。
ももこ「はぁ〜、温かいや、ありがとう、トム。」
トム「ん、温まるな。」
トムも缶のココアを飲みながら答える。
ももこ「うん。」
トム「あのさ・・・。ちょっと聞いても良いか?」
ももこ「何?」
トム「モモコって・・・付き合ってる奴とか居るのか?」
ももこ「え?」
ドキッとした。ももこは胸の鼓動が高鳴るのを感じた。
ももこ「い、居ないよ。」
トム「ふうん、居そうな気がしたんだけどな。日本の友達とかとさ。」
ももこ「あの・・・トムはメアリーさんと・・・付き合ってるんだよ・・・ね?」
ももこはベスが言っていたことを思い出しながら尋ねてみた。
トム「え、誰から聞いたんだよ、そんなこと・・・。」
ももこ「え、それは・・・。」
トム「あいつとは・・・幼馴染で・・・。でも、そうなるのかな・・・。」
ももこはそのトムの返答を聞いて少し寂しそうな表情を見せた。が、トムはそれに気づいていなかった。
トム「あいつ、普段は高飛車っていうか・・・キツいっていうか、あんな性格だけどさ・・・本当は優しいとこもあるし・・・結構いい奴だったりするからな・・・。」
ももこ「そっか・・・。」
トム「まぁでも、やっぱただの友達かな。俺、他に好きな奴とか居たりするから。まぁ片思いだろうけど。」
ももこ「え?」
トム「はは、まぁ・・・誰とは言わねぇけど・・・。」
ももこ「好きな人・・・。」
トム「モモコは居るのか?好きな人は。」
ももこ「え、えぇ、いや、あの、その、居るというか、居ないというか・・・。」
トム「な、何慌ててるんだよ・・・。」
ももこ「だって・・・。」
トム「えっ?」
ももこ「ううん、なんでもない。」
トム「何だよそれ・・・あ、そうだ、それから、もうひとつ聞いてもいいか?」
ももこ「何?」
トム「モモコは将来パティシエになりたいって言うのは本当なのか?」
ももこ「・・・どうして知ってるの?」
トム「ベスと話してるのをちょっと聞いてさ。」
ももこ「そうなんだ、でも、それがどうかしたの?」
トム「いや、あれだけバスケ上手いのに、バスケやらないなんてもったいないなぁって思って・・・。」
ももこ「そんな、私なんてまだまだだよ。トムは・・・将来バスケの選手になりたいの?」
トム「あぁ、一応な。無理かも知れないけど、俺はバスケ以外にやりたいこともないし、これといった取り柄もないしね。」
ももこ「そっか、バスケットボールの選手か・・・。」
トム「モモコはバスケの選手になること考えたことないのか?」
ももこ「ううん・・・無いかな。」
トム「じゃぁ考えてもろよ、お前にはパティシエなんかよりバスケやってる方が・・・。」
ももこ「ちょ、ちょっと、パティシエ"なんか"ってどういう意味?」
トム「え・・・?」
ももこ「パティシエがどれだけ凄い仕事か知りもしないのにそんなこと言わないで。」
トム「あ、ちょっと、おい・・・。」
ももこはそう言い放った後、逃げるように帰っていった。
トム「怒らせちゃったな・・・くそ、言い方がまずかったか・・・。」
トムは走っていくももこの背中を見ながらそう呟いた。

***

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