まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第29話『3つ目の風は精霊さん?』
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その頃、おんぷは海岸沿いの道を走っていた。
おんぷ「はぁ、はぁ、近いわ。」
おんぷは持っているスティックの光が増していくのを確かめながら走っていた。
おんぷ「精霊か・・・確かあいちゃんが水の、ももちゃんが森の、はづきちゃんが炎の精霊を見つけたって言ってたから、これで4人目よね。」
???「ほう、そなたがあの精霊を探している子供たちの1人じゃったか。本当に子供じゃのう。」
おんぷ「えっ?」
いつの間にかその老婆はおんぷの後ろに立っていた。
おんぷ「まさかあなたが・・・。」
???「さよう、わしが風の精霊・・・名を風雅という。そう呼ばれていたのは昔のことじゃがな・・・。」
おんぷ「あの・・・。」
風雅「分かっておる、今夜は幸い月の笑う晩じゃ、そなたさえ良ければ神殿へいざなってもらいたい。」
おんぷ「え?」
風雅「『どうして私の考えていることが分かるの』、と言いたいのか?風の精霊には人の心を読む力がある、ただそれだけじゃ。」
おんぷ「あぁ、なるほど、だから・・・。」
???「あれ、お〜い、そんな所に居たのか?」
おんぷ「あ、平端君・・・。」
平端「こんな所で一人で何をしているんだ、お前のマネージャーが心配してたぞ。」
おんぷ「え、一人?」
おんぷは気付いて言った。
平端「は、何言ってるんだ?」
風雅「どうやら彼には私の姿が見えないようじゃな・・・。」
おんぷ(そっか、大人の人には精霊の姿が見えないんだっけ・・・。)
風雅「今晩12時過ぎにこの砂浜で待っておる、来れたら来い。」
おんぷはさり気なく頷いて平端という青年の後を追っていった。

***

美保「おんぷちゃん、何処に行ってたの、心配したのよ?」
おんぷ「ごめんなさい・・・。」
美保「無事だったから良かったけど・・・もう勝手にどこかへ行ったりしないで頂戴ね。」
おんぷ「はい・・・。」
おんぷ(とは言われても・・・精霊さんを神殿まで送り届けないと行けないし・・・。)

***

夜、12時を回ろうとした頃だった。
おんぷ(そろそろ行かないと・・・。)
おんぷはそう思ってそぉっと部屋を抜け出した。
おんぷ「寒い、沖縄といっても冬は寒いのね・・・。当たり前か。」

砂浜に着くと、そこにはすでに風雅がいた。
風雅「来たか・・・なら行こうかの、時空の狭間の神殿へ。」
おんぷ「はい。」
風雅「・・・誰かおる。」
おんぷ「え?」
風雅「さっきの青年じゃな・・・。」
おんぷ「まさか、何処に居るの?」
風雅「まだこっちに気づいていない見たいじゃが・・・。間違いない、その岩の向こう側じゃ。」
おんぷ「なんで、どうして此処に居るの?見つかったらまた連れ戻されちゃう・・・。」
風雅「私に任せておけ。」
そう言って風雅は何やらブツブツ呪文のようなものを唱えだした。
すると、突然おんぷの体がフワッと宙に舞った。
おんぷ「え、何?」
風雅「テレポートするぞ。」
次の瞬間、おんぷと風雅はその場から姿を消した。それとほぼ同時に、平端という青年はさっきまでおんぷが居た辺りにやって来た。
平端「はぁ、寒いなぁ。でも・・・夜の海ってなんか懐かしいんだよなぁ・・・。」
そう言って彼は水平線の彼方に浮かぶ笑う月を眺めている。

***

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