まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第29話『3つ目の風は精霊さん?』
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あいこ「あっちゃ〜、やってしもた・・・。」
かずは「どうしたん、妹尾さん。そんなに落ち込んで。」
あいこ「いやな、今の最後のテストで解答欄が何処かで1個ずれてたみたいやねん・・・。」
かずは「あぁ、そんなん気にしたらあかんって、私なんか全然出来ひんかったから。」
あいこ「一葉ちゃん、悪いけど自慢になってへんで・・・。」

***

空はもうすでに暗くなった頃、クラブの練習を終えて出てきたももこにトムが話しかけていた。
ももこ「え、次の日曜日に?」
トム「そっ、ちょっと練習付き合ってくれないか?」
ももこ「え、でも・・・。」
トム「頼むって、女子バスケ部ではモモコが一番頼みやすいんだよ。」
ももこ「でも、なんで女子じゃないとだめなの?」
トム「いや、だってチームメンバーの奴らには内緒にしておきたいからね。俺がこっそり練習するのを。」
ももこ「そ、そっか・・・わ、私は・・別に、良いけど・・・。」
ももこは顔を赤く染めながら答えた。
トム「よっしゃ、サンキュー。じゃぁ今度の日曜、12時に校門のところでな。」
ももこ「わ、分かったよ。」
トム「あ、そうだ、もう暗いから、俺が家まで送っていってやるよ。」
ももこ「え、いや、あの・・・。」
トム「良いから気にするなって。遅くまでつき合わせたお詫び。俺がモモコを引き止めてる間にお前の友達も帰っちゃったみたいだしさ。」
ももこ「え、う、うん・・・じゃぁ・・・ありがとう・・・。」
トム「・・・なんか最近モモコ、口数少なくねぇか?」
ももこ「え、そ、そんなことないよ、うん、多分。気のせいだよ。」
トム「そ、そうか?悩み事でもあるのかなって思ったけど・・・。」
ももこ「悩み事・・・。」
トム「ん?悩み事、なんかあるのか?」
ももこ「え、ううん、無いよ。」
トム「なら良いんだけど。」
それからももこの家の前に着くまでの間、しばらく沈黙が続いた。

ももこ「あ、あの、送ってくれてありがとう、それじゃぁ・・・。」
トム「あ、あぁ。」
ももこは家に入ると、気が抜けたように大きなため息をついた。

***

おんぷ「沖縄かぁ・・・暖かくて良いところね。」
おんぷは仕事の都合で沖縄にやって来ていた。
おんぷ「ううん、風が気持ち良いわ。」
おんぷは青い海を眺めながら暖かい風に吹かれている。
???「沖縄は初めてだっけ?」
おんぷに話し掛けてきたのは今日撮影するドラマで兄役を演じる俳優の平端という名の青年だった。
おんぷ「初めてではないですけど・・・最近は来たことなかったかな。」
平端「ふうん、俺は生まれ育った場所が沖縄だから、懐かしいなぁ。」
おんぷ「沖縄出身なんですか?」
平端「あぁ、那覇に住んでた。」
おんぷ「へぇ、そうだったんですか。」
平端「おっと、そろそろ撮影の時間だな、行こう。」
おんぷ「え、もうそんな時間?」
おんぷは海の方をもう一度眺めてから、急いで少年の後を追った。

***

おんぷ「はぁ〜、疲れた。やっぱり沖縄って良いなぁ。でも明日には東京に帰らないといけないのよね・・・。」
おんぷはホテルの一室の窓から真っ暗な海を見つめながら呟く。そして、おんぷは何気なく、持ってきていた鞄の中をあさった。
おんぷ「あ、そうだ・・・。」
おんぷは鞄の中から一本の伸縮自在の棒を取り出した。おんぷはそれを珍しい物でも触るかのように、慎重にスティックを広げてみる。
おんぷ「え、これって・・・。」
おんぷは突然青く光りだしたスティックを見て言った。

***

―コンコンッ
美保「おんぷちゃん、入るわよ?」
おんぷの母親である瀬川美保はおんぷの部屋の扉をノックして中に入った。
美保「あのね、明日のことなんだけど・・・あら?」
部屋の中におんぷの姿は無かった。

***

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