まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第28話『帰ってきてぺルル!』
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かぜき「うぃ〜っす。」
風木は勢いよくMAHO堂の玄関を開けた。
中には、どれみ、メアリー、しずく、さつき、はづき、おんぷが居た。
メアリー「この子が・・・どれみの言ってた子?」
どれみ「そう、水野風木って子。」
しずく「へぇ〜、可愛い女の子だね。」
かぜき「あれ・・・?」
さつき「どうかしたの?」
かぜき「この眼鏡の人と、この人、私見たことあるような・・・。」
風木ははづきとメアリーを指差して言った。
メアリー「え、私と・・・。」
はづき「私を?」
かぜき「そうだ、私、この間このMAHO堂に入っていく2人を見たんだ。」
風木は思い出したように言った。
メアリー「へぇ、見られてたんだ。全然気付かなかった。」
はづき「本当、まさかそんな身近にいたなんて・・・。」
かぜき「あのぉ、それから、さっきから気になってるのは・・・。」
風木はちらっとおんぷの方を見た。
かぜき「本物、ですか?」
おんぷ「え?」
かぜき「まさか瀬川おんぷさん・・・じゃぁ・・・。」
どれみ「本物だよ。」
かぜき「やっぱりですか!?へぇ、うわぁ、凄い、私実はその、結構好きだったり、いや、あはは。あ、サインもらっても良いですか?」
おんぷ「い、良いわよ。」
かぜき「本当ですか?ありがとうございます。って、書いてもらう紙もペンもないや。あ、そうだ。」
風木はポケットからコロンを取り出してそれを体に吹き付けた。
かぜき「プリティ〜ウィッチ〜かぜきっち〜♪」
はづき「私たちが6年の時の見習い服だわ。」
しずく「で、突然魔女見習い服に着替えて何するつもりかしら・・・。」
かぜき「ペルオ〜ルタント フィラディリオン!ペンと色紙よ、出てこい!」
ポンっと音をたてて、風木の手元に色紙とペンが出てきた。
かぜき「というわけで、サインお願いします。」
おんぷ「あ、あはは、うん。」
おんぷは風木の行動に少し戸惑いながらもサインはちゃんとしてあげるのであった。
おんぷ「はい、どうぞ。」
かぜき「ありがとうございます!」
風木は嬉しそうに笑うと、お辞儀した。
さつき「なんか・・・ちょっと変わった子ね・・・。」
しずく「うん、初対面のはずなのになんだか初対面じゃないみたいな感じ・・・。」
おんぷ「でも、個性的で良いんじゃないかな。」
どれみ「それはさておき、風木ちゃん、とりあえず自己紹介してよ。みんな初対面だから・・・。」
かぜき「あ、はい。水野風木です。初めまして。えっと、誕生日は10月4日で、血液型がO型、干支は戌年(いぬどし)です。それから・・・。私が魔女見習いになったのは・・・。2年前、魔法堂書店っていう本屋でマジョフェミルっていう魔女の正体を見破ってしまって・・・。それがきっかけで私は魔女見習いになりました。私はそれからしばらく して1級試験に受かったんですけど・・・。その時すでに魔女カエルの呪いを春風さんたちが解いていたので、マ ジョフェミルはすでに魔女の姿に戻っていました。まぁでもせっかく1級試験に受かったんで、私は魔女になろうと思っ て、魔女になって・・・。」
おんぷ「え、じゃぁ風木ちゃんは魔女見習いじゃなくて魔女なの?」
しずく「でも今着てるそれって、魔女見習い服だよね?」
しずくが言うと、風木は俯いてしまう。
しずく「・・・ごめん、何かまずいこと言っちゃったかな?」
かぜき「いえ、割っちゃったんです、水晶玉。」
どれみ「割っちゃったんだ・・・。」
かぜき「はい。実は私、魔女になったあと魔女界に住むか人間界に残るか迷っていて・・・。でもとりあえず答えが出るまでは、と思ってマジョフェミルの魔法堂に通い続けていました。そんなある日、魔法堂へ行くとマジョフェミルの姿が無くなっていました。しかも魔法堂の中はまるで・・・嵐でも過ぎ去ったかのように荒らされていて・・・。その時は何が起こったのか理解できなくて・・・。ただ呆然としていて、ふとマジョフェミルさんのことが気になったから、魔法堂の中を探し回ったけれど見つからなくて、そしたら・・・。突然背後にフレッドと名乗る男が現れたんです。」
はづき「フレッド?」
かぜき「はい、それからその男は私を見て"マジョフェミルならあの世に連れて行った"と言ったんです。それを聞いたあと、自分で何をしたか、したことを覚えていなくて・・・。気がつけば水晶玉が割れていて、床には大きな穴が開いていて、フレッドはただ恐ろしいものを見るかのような顔をしていました。」
おんぷ「それは、マジョフェミルさんが殺されたと聞いて、感情的になったせいで魔力が暴走した、っていうことかしら?」
かぜき「はい、おそらく・・・。その後フレッドはその暴走した魔力に恐れをなして逃げていったらしく、それとすれ違いにオルテガがやってきたんです。オルテガは、自分は幻獣でフレッドと名乗る男を追ってきたと言ってました。それから、オルテガはその時マジョフェミルさんの死を聞いてショックを受けていたうえに魔力を使いすぎて疲れきっていた私を介抱してくれたんです。」

***

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