まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第27話『交わった風』
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しばらくして、その光が引いてきた頃になって、風木がようやく口を開いた。
かぜき「これは・・・?」
どれみ「MAGIC BLUEっていう魔女界特有の宝石だよ。」
MAGIC BLUE…それは、1年前、どれみがマジョヘルスという地獄界の門番をしている魔女からもらったものだった。
かぜき「ま、魔女界?」
どれみ「この石は魔女になる素質のある人が持つとすごい光を放つんだって。だから、風木ちゃんは魔女になる才能があるってことだよ。・・・風木ちゃんって、魔女見習いか魔女か・・・違うかな?」
かぜき「・・・はい、今は魔女見習いです。でも、どうして分かったんですか?」
どれみ「何でだろうね、自分でも分からないや。でも、何か感じるものがあったんだ。」
かぜき「感じるもの・・・?」
風木は首を傾げている。
どれみ「そんなことより、実はお願いがあるんだけど・・・。」
かぜき「お願い、ですか?」
どれみ「そう。会ってまだ二度目なのにお願いするのも変な話なんだけど、実は・・・。」
かぜき「もしかして・・・"二つの風"、のことですか?」
どれみ「え?」
どれみは風木のその予想外の言葉に驚きを隠せないでいる。
かぜき「オルテガに・・・魔女見習いの私の面倒を見ている幻獣界の人なんですけど、その人が言ってました。今7つある世界は神殿にある宝石を失って大変なことになっているって・・・。それで私、だいぶ前に魔女界の図書館で調べたんです。オルテガはあんまり詳しいことを教えてくれなかったから・・・。そしたら、ある預言書にその風のことが載っていて・・・。」
どれみ「風木ちゃんは・・・自分がその風のひとつであることに気付いていたの?」
かぜき「実はその預言書のいろんなところにその風についてのことが書いてあるんです。それで調べたら、私のことと重なる部分がいっぱいあったんで、もしかしたらと思って・・・。それに、その預言書に載ってるもうひとつの風についての話が春風さんに似てたんで・・・。」
どれみ「私に?って、私に似てるって、どうして分かるの?」
かぜき「だって、春風さん有名じゃないですか。魔女カエルの呪いを2回解いたとか、呪いの森から生きて生還したとかしないとか・・・。いろいろ噂になってたんで。」
どれみ「え、私って噂になってるの?」
かぜき「あ、え、はい、噂っていうか・・・マジョフェミルさんが物知りだったんで。」
どれみ「マジョフェミルさん?」
かぜき「私が昔正体を見破った魔女の名前です。」
どれみ「ふうん。そっか、風木ちゃん、私のこと知ってたんだ。」
どれみは何か照れくさそうにしている。
かぜき「それから、昔魔女見習い試験の9級試験に落ちたっていう噂も・・・。」
どれみ「ってぇ、そんなことまで知らなくて良いの!」
かぜき「え、あ、あはは・・・。」
どれみ「とにかく、そっか、知ってたんだ・・・。だったら話が早いよ。お願い、私たちに力を貸して!」
どれみはそう言って手を差し出した。
かぜき「え?」
どれみ「預言書、読んだんでしょ?世界を救うには風木ちゃんの力が必要なんだよ。」
風木はにっこりと笑って、
かぜき「当然ですよ、こちらこそお願いします。」
と言ってどれみの手を握った。
どれみ「へへ、ありがとう。」
かぜき「どういたしまして。」
かくして、ようやく"2つの風"は交わった。そして今、世界を窮地に至らしめた者たちへの反撃が始まろうとしている。

***続く


次回予告
どれみ「風木ちゃんとも会えたし、一安心だね。」
メアリー「これで問題はひとつ解決と、あとは犯人探しと精霊探しね。これからが大変よ。」
どれみ「次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『帰ってきてぺルル!』、私の想いあなたにと〜どけ♪」

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