まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第26話『過去と未来と現在と』
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メアリー「じゃぁその件はとりあえずそれでよしとして・・・問題は時空の狭間から各世界の宝石を盗んだ犯人の居場所よ。こっちはまだまったく見当がついて無いんだから。」
はづき「そういえば、私、思ったことがあるんだけど・・・。」
どれみ「思ったことって?」
はづき「世界って7つしかないんでしょ?じゃぁ宝石を盗んだ犯人は全ての世界が崩壊したらどこで生活するつもりなのかって・・・。」
さつき「そういえばそうよね、自分を犠牲にしてまで世界を崩壊させる理由があるか・・・。」
メアリー「またはそうすることで何か利益になることがあるか・・・。」
しずく「そうだよね、確かに理由も無く宝石を盗んだりはしないはずよね・・・。」
はづき「そうだ、そういえばもうひとつ気になることがあるんだけど・・・。」
さつき「何?」
はづき「この間炎の精霊と森の精霊に直にあって、その時に2人が気になることを言ってて・・・。」
どれみ「どんなことを言ってたの?」
はづき「実は、森の精霊・・・森羅さんっていうんだけど、この人が何者かに襲われて一月ぐらい気を失ってしまってたの。それでこの前の月の笑う晩の時にようやく目を覚ましたんだけど・・・。その時炎の精霊の菜月さんも森羅さんも、森羅さんを襲った犯人の見当はつくが、私たちには言えないって・・・。」
メアリー「言えないってどういうこと?」
はづき「私たちがその犯人に襲われることになりかねないからって・・・。」
メアリー「精霊を襲う・・・まって、精霊は"人間界の子供"にしか姿は見えないんじゃ・・・。」
どれみ「あ、そうだよ、なのにどうして森羅さんは・・・?」
メアリー「まさか・・・。」
さつき「メアリーさん、何か知ってるんですか?」
メアリー「え、い、いや、ただ・・・。そんなわけは・・・。まさか生き残りがいるとでも・・・。」
しずく「生き残り?」
メアリー「ううん、何でも無い。もしそうだとしたら知らないほうが良いわ。あ、ということは精霊の人たちもそのことに気がついて・・・。」
さつき「いったいどういうことですか、教えてください!」
メアリー「・・・どうなっても知らないわよ?」
どれみ「お願いです、教えてください、メアリーさん。」
しずく「私からもお願いします、私たちはそもそもこの事件に関わったときから危険な目にあうことを覚悟しています。」
メアリー「・・・・良いのね?」
 メアリーははづきの方を見た。はづきはゆっくりと頷いた。
メアリー「分かった、話すわ。」
 メアリーはゆっくりと息をすって、吐いた。そして語り始めた。
メアリー「昔・・・4000年前まで8つの世界があった・・・。でも現在は7つしかない。つまり、1つの世界が消滅してしまった、世界が宝石を失ったことによって。」
どれみ「その話・・・あいちゃんから聞きました。たしか、その世界って悪魔が・・・。」
メアリー「そう、4000年前に崩壊した世界の名は"悪魔界"、名前どおり悪魔が生活していた世界よ。」
しずく「その悪魔が・・・今回の事件の犯人なんですか?」
メアリー「おそらく・・・。」
どれみ「どうしてそんなことが言えるんですか?」
メアリー「それは・・・悪魔が特殊な生命体だからよ。」
さつき「特殊な生命体、ですか?」
メアリー「そう。昔ね・・・私がまだ魔女見習いだった時に調べたことなんだけどね、悪魔という生命体は他の生命体と少し違うらしいの。」
はづき「どんな風に違うんですか?」
メアリー「普通、たとえば人間の目には赤外線や紫外線といった波長が極端に長または短い光を認知する機能が無い。しかし、幻獣界の住人たちなどはその赤外線や紫外線を認知できる目を持っている。また、各世界の精霊の体というものは神聖な、特殊な体をしていて、特に幻獣界の精霊の皮膚が反射するのは赤外線のみと限られている、つまりその光を認知できない他の世界の者には幻獣界の精霊の姿を見ることは出来ない。しかし、悪魔という種族はこの目が他の生命体と違うの。彼らの目はどんな波長の光をも見ることが可能な構造になっている、だから彼らには人間界の精霊の姿も魔女界の精霊の姿も見ることが出来るの。」
どれみ「あ、あのぉ・・・もうちょっと分かりやすくお願いできますか?」
メアリー「え、あ、ごめんごめん。ちょっと難しすぎたかな。ようするに、あなたたち人間は魔女界の精霊の姿を見ることが出来ない、でも悪魔たちはその姿を見ることが出来るの。」
どれみ「あぁ、そういう話だったんだ・・・。」
さつき「えっと、私たちが魔女界の精霊の姿が見れないわけは分かりました。でも、どうして人間界の精霊でも、大人の人間には姿が見えないんですか?」
しずく「あ、そういえば・・・同じ人間なのに大人にはその姿が見えない・・・?」
メアリー「そのことについてなんだけど・・・残念ながら科学的な証明はされていないの。しかもなかには大人でも精霊の姿を見ることが出来る人もいる。また、子供なのに精霊の姿を見ることが出来ない人もいる。だから"大人だけが見えない"というわけではないし、"子供にしか見えない"というわけでもない。だけど、これはおそらく、心の問題だと思うの。」
はづき「心の問題?」

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