まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第25話『森の力、炎の力』
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はづき「はぁ、着いたわ、菜月神社。菜月さん、もう居るのかなぁ・・・。」
 日本時間の夜0時、はづきは美空市にある菜月神社という神社に居た。
はづき「あ、居た・・・あれ?」
 はづきは神社の中に、菜月以外に誰かが居るのに気がついた。
はづき「もしかして・・・。」
 はづきが神社の鳥居をくぐって入っていくと、神社にいた誰かがはづきに気づき声をあげた。
ももこ「あ、はづきちゃん、久しぶりだね。」
はづき「ももちゃん、どうしてここに?」
ももこ「実は・・・。」
 ももこはことのいきさつをはづきに話した。
はづき「そうだったんだ・・・。」
菜月「森羅は奥の部屋で眠っている、そろそろあいつを連れて神殿へ向かうとするか。」
ももこ「はい、私、連れてきます。」
菜月「いや、私が行く。ももこたちはここで待っていろ。」
 菜月は森羅のもとへ行こうとするももこを制して言った。

 菜月が奥の部屋へ入ると、全身に傷を負った森羅が眠っていた。
菜月「森羅・・・。」
 菜月は小さな声で呟くと、森羅を抱えようとした。しかし・・・。
森羅「うっ・・・。」
菜月「・・・森羅?」
 森羅がうめき声のような声を出した。
菜月「おい、森羅、大丈夫か?」
森羅「な・・・つきか?」
菜月「目を覚ましたか!おい、はづき!ももこ!森羅が目を覚ましたぞ!」

 鳥居の下で待っていたはづきとももこの耳に菜月の声が届いた。
はづき「え、今の声は菜月さんの・・・。」
ももこ「森羅さんが目を覚ましたって、行こう!」
 はづきは黙って頷きももこの後を追って走り始めた。

 2人が声のした部屋にたどり着くと、森羅が起き上がって2人の方を見た。
ももこ「森羅さん・・・。」
森羅「ももこか・・・どうやら迷惑をかけたみたいだな。」
菜月「・・・誰なんだい?」
森羅「・・・何がだ?」
 突然のことに森羅は聞き返した。
菜月「森羅を襲ったのはいったい誰かってことさ。」
森羅「・・・分からない。」
菜月「分からない?」
森羅「背後から突然襲われたんだ。そう、誰かに襲われたということは分かったんだが、それ以上のことは分からない。それから今までの記憶がまったく無いんだ。」
菜月「手がかりなしか・・・。私が思うに・・・。」
森羅「今・・・。」
菜月「何?」
森羅「私は今、おそらく菜月とおんなじことを考えている。」
はづき「どういうことですか?」
菜月「そうか、森羅もそう思うか・・・。」
 菜月は分かったという風ににやりと怪しい笑みを浮かべている。話の内容が理解できないでいるももことはづきはお互いに顔を見合わせて首をかしげている。
ももこ「あの、2人が同じことを考えているっていうのはどういうことですか?」
菜月「悪いが、今はいえない。」
森羅「そうだな、言わないほうが利口だな。」
はづき「どうしてですか?」
森羅「私たちの推論が正しいかどうかまだ分からないからさ。もし正しかったとしたら、このことをももこたちに話せばお前たちの命が狙われるだろう。」
菜月「とにかく話せないってこと。」
 ももこもはづきも意味が分からないらしく、あっけにとられたように菜月と森羅の顔を眺めている。
森羅「とにかく今夜は月の笑う晩だろう、早く神殿へ行こう。」

***

 そして、4人は時空の狭間の神殿の前までたどり着いた。
菜月「2人とも、ありがとうね。」
森羅「そうだ・・・おい、菜月。」
菜月「え?」
 森羅はそういうと、手を前に差し出した。すると、突然森羅の手から緑が芽吹きだした。森羅の手の上で、まるで100倍速でビデオを再生しているかのように木が生長していく。そして、しばらくしてその木は枯れ、手のひらに淡い緑の透明な石があった。
森羅「これは・・・精霊のしるしだ。お守りがわりに持っていてくれ。」
 森羅はそういってももこにその石を渡した。
菜月「なるほど、ね。」
 菜月はそう呟くとさきに森羅がしたのと同じように、手を前に差し出した。今度は、菜月の手が赤く光、巨大な炎が手のひらの上で渦巻き始めた。そして、その炎は柱のように天まで延びていき、そして次第に炎が和らいでいった。彼女の手のひらには、綺麗な赤い色をした、これも透明な石があった。
菜月「これは、はづきに・・・。」
 菜月はそういってはづきに石を渡した。
ももこ「これは・・・。」
森羅「その石は私たちの"力"を具現化したものだ。」
はづき「具現化、ですか?」
菜月「もしお前たちが危険な目にあったとき、その石が必ずお前たちを守ってくれるはずだ。大切に持っていてくれ。それじゃあな。気をつけて帰れ。」
 菜月がそういうと、2人の精霊は神殿の中へ入っていった。
はづき「・・・帰ろっか。」
ももこ「うん。そうだね。」
はづき「はぁあ、最近はいろいろとあって大変だわ。」
ももこ「とにかく、あいちゃんが精霊を1人すで神殿に連れてきてるから、残りの精霊はあと2人だね。」
はづき「そっか、もう3人精霊が集まったんだ・・・。」
ももこ「そうだよ、もう一息だね。」
はづき「あ、この間フジオ君たちと会ったんだけど、FLAT4のみんなは魔法使い界の精霊をもう4人見つけたみたいよ。」
ももこ「うわぁ、みんなも頑張ってるんだね。私たちも頑張らなきゃね。」
はづき「うん、頑張ろうね。」
ももこ「そうだね。それじゃぁ、さっき森羅さんがニューヨークの方に帰るならこっちだって言ってたから、それじゃぁね。」
はづき「うん、また会おうね。」
 ももこはづきが人間界へ帰ると、時空の狭間は再び静けさを取り戻した。

***続く


次回予告
しずく「はづきちゃんに連れられて久々に訪れたMAHO堂。そこではメアリー=ヒルスさんが私たちを待っていました。」
さつき「メアリーさんっていったいどんな人かなぁ・・・」
どれみ「次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『過去と未来と現在と』、ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」
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