まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第24話『消せないトモシビ』
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 はづきは学校の門の前で一人の少女と出会った。
メアリー「それに、あなたと魔女界で会った気がするわ。」
はづき「ま、魔女界でですか?」
メアリー「そうそう、紹介が遅れたわね。私の名前はメアリー=ヒルス。藤崎いろはからみんなのことは聞いているわ。」
はづき「あ、あなたがあのメアリーさんですか?」
メアリー「あら、私のことを知っているの?」
はづき「はい、しずくちゃんから話は聞いています。でも、メアリーさんはフランスに住んでいるって聞いたんですけど・・・。」
メアリー「実はいろはに頼まれちゃってさ。」
はづき「頼まれた?」
 はづきは思わず聞き返した。
メアリー「そう、日本に居る春風どれみっていう子たちと一緒に、宝石を盗んだ犯人を捜してあげてってね。」
はづき「そうだったんですか・・・。あ、それと、さっき魔女界で会ったことがあるって言う話は・・・。」
メアリー「詳しくは覚えてないけど、あれは私が中一の時だから・・・3年前。その頃あなた達、パティシエ試験を受けてなかったかしら?」
はづき「3年前って言うと・・・小学校5年の時だから、はい、受けてました。」
メアリー「じゃぁ間違いないわ、その時に見た。まぁ見ただけであんまり詳しいことは覚えてないけどね。あ、それより、この辺にMAHO堂って無いかな?」
はづき「私の家の方に行けば、ありますよ。今は誰も使っていませんけど・・・。」
メアリー「そう、じゃぁそこで生活させてもらおうっと。」
はづき「・・・え?」
メアリー「みんなに協力するんだったら、日本に住んでた方が協力しやすいからさ。」
はづき「でも、メアリーさん、学校とか家とかの都合は・・・?」
メアリー「あぁ、それなら大丈夫よ。学校の方は有休とってあるし、親はしばらく家に居ないから。そんなことより、とりあえずますそのMAHO堂、案内してくれる?」
はづき「あ、はい。」

***

オルテガ「ここは・・・大丈夫だな、と。」
かぜき「何やってるの、オルテガ?」
オルテガ「ん?最近台風やら地震やらが多いから、この魔法堂が崩れやしないか、調べてるんだ。」
かぜき「ふうん?」
オルテガ「それより、風木は帰らなくても良いのか?もう夕方だが・・・。」
かぜき「あ、うん、そろそろ帰らなきゃね。」
オルテガ「気をつけて帰れよ、それと今夜はここに来ないほうが良い。」
かぜき「え、何で?」
オルテガ「実は今日、ちょっと用事があって行かなくちゃならないところがあってな。」
かぜき「用事?」
オルテガ「そうだ、まぁたいした用ではないんだがな。」
かぜき「そっか、でもどのみち今日は来れないよ、今夜は多分お父さんが家に居るから・・・。」
 風木は暗い表情を見せた。
オルテガ「・・・そうか。」
かぜき「あ、それじゃぁ、早く帰らないと、お姉ちゃんに怒られるよ。」
オルテガ「あぁ。」
 風木はそう言って魔法堂を後にした。
かぜき「って、やっばぁ、早く帰らなきゃ。よし、こうなったら・・・。」
 風木はポケットから香水のビンのようなものを取り出して、自分に振りかけた。そして、宙に舞う見習い服を纏うと、さっそうとポーズと決めた。
かぜき「プリティ〜ウィッチ〜かぜきっち♪って、ポーズなんて決めてる場合じゃないよ。よいしょっと。」
 かぜきは箒を取り出すと、それに跨って空を飛んだ。しばらく飛んで、風木はふとある建物を見つけた。
かぜき「あれ、もしかしてあの建物は・・・。」
 風木は辺りに人が居ないことを確かめると、急いでいることも忘れてその建物の前に降り立った。
かぜき「やっぱり、こんなところにも魔法堂はあったんだ・・・。でも今は開いてないみたいね・・・それにしてもなんだろう、何か不思議な力を感じる・・・。」
 風木はそう言って魔法堂の壁に触れた。ふと、入り口の方から声が聞こえてきた。
かぜき「あれ、誰か来たみたい・・・この服装見つかったらやばいかも、隠れなきゃ。」
 まだ魔女見習い服を着ていた風木は、その格好見られたらまずいと想い、入り口から死角になっているところに隠れた。入り口から入ってきたのは、藤原はづきとメアリー=ヒルスの2人だったが、むろん風木に面識は無い。
かぜき「あの2人は・・・あ、魔法堂の中に入って行ったわ。それにしても今の2人、魔女なのかなぁ・・・。でも今のうち眼鏡の人が着てたあの制服って確かカレン女学院の・・・。」
 そう呟いた後、風木は何かを思い出したような表情を見せた。
かぜき「いっけない、早く帰らないといけないんだ帰ろうっと。」
 風木は慌てて箒に跨り、再び家へ向かって飛び立った。

***

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