まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第23話『炎の精霊、降臨』
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はづき「炎の精霊、か・・・。」
 はづきは鞄の中から女王さまからもらったスティックを取出し、折り畳まれているのを伸ばした。
はづき「空から降りてくるってことは、これを空に向けて待ってたら反応するのかしら?」
 はづきは空にスティック向けた。しかし、反応が無かった。
はづき「まぁそんな簡単に見つかったら苦労しな・・・い・・・。」
 はづきが南西、太陽の見える方向にスティックを傾けた時だった。スティックが突然青白く光りだしたのだ。
はづき「精霊が近くにいる?」
 はづきはスティックを折り畳むと南西へ向かった。

 しばらく走って、はづきはスティックを取り出し、光の度合いを調べた。
はづき「さっきより明るいわ・・・。」
 はづきは、精霊がもうすぐ近くにいることを確信する。そして、ふと眼前に神社の鳥居があることに気付いた。
はづき「菜月神社・・・?」
 はづきはスティックをその神社の方に向けた。すると、スティックは今までに無いまばゆい光を放ち始めた。
はづき「ここに居るのかしら・・・。」
 はづきは鳥居をくぐって敷地の中へ入っていった。中はひっそりとしている。ふと、はづきは上空を見た、そして目を疑った。空中に女の人が浮かんでいる。いや、ただ人ではない。それは―。
???「貴様、何故ここに居る。」
 彼女は地面に降りたつや否や言った。
はづき「あなたは・・・。」
???「質問に答えなさい。ここへ何をしに来た。」
はづき「私は炎の精霊を探しにここへ来ました。」
???「へぇ、私の存在を知る人間が居るのか。
私は君の言う通り炎の精霊、そして人は私を菜月(なつき)と呼ぶ。」
はづき「菜月、ですか?」
菜月「そうだ、この神社の名前にもなっている。」
はづき「でも、なんで炎の精霊なのに菜月なんですか・・・?」
菜月「元々は夏が来ると書いて『夏来(なつき)』と読んだ。しかし何時からか字が誤って伝わり、今の菜月に変わったんだ。」
 はづきは納得したというふうに頷いている。
菜月「それにしても・・・なんだ、私に用があると言っていたが・・・?」
はづき「人間界が今大変な状態にあるのはご存じですよね?」
菜月「あぁ、もちろん。」
はづき「じゃあ、神殿へついて来てもらえますか?」
菜月「もしかしてお前か、精霊を探している奴が居るというのは・・・。」
はづき「私だけでは無いですけど・・・。」
菜月「なるほど・・・そうだな、良いだろう。」
はづき「ありがとうございます。」
菜月「まぁ私はオーストラリアへ行かなくてはならなかったんだが・・・。」
はづき「え、冬は冬眠するんじゃなかったんですか?」
菜月「冬は冬眠?あぁ、他の世界の精霊にはそういう奴も居るな。しかし、この世界では北半球と南半球で季節が異なるからそういう訳にはいかない。」
はづき「あ、そっか、北半球の日本では冬でも、南半球のオーストラリアでは夏なんだ・・・。」
菜月「そういうこと。つまり私にはやるべき仕事がある・・・。あ。」
はづき「どうしたんですか?」
菜月「そういや精霊の力は神殿からでも使えるんだった。だから心配はいらないな。よし、次の月の笑う晩にここで会おう。」
はづき「はい、ありがとうごさいます。」
菜月「それより、おまえ、もう日が暮れるが帰らなくて良いのか?」
はづき「あ・・・。そういえば私、学校に定期入れを取りに行かなきゃ・・・。」
菜月「気を付けて帰りなよ。」
はづき「あ、はい。さようなら。」
菜月「さようなら。」

***

はづき「嘘、学校に入れないじゃない・・・。」
 学校の門は既にしまっていた。
はづき「どうしよう、定期が無かったら家に帰れないわ。」
メアリー「お探し物はこれかしら?」
はづき「え?」
 はづきは突然見知らぬ少女に話し掛けられた。そして、はづきは彼女が差し出したものを見た。それははづきの定期入れだった。
メアリー「そこの空き地の前に落ちてたよ。」
はづき「そっか、私、定期入れを忘れたんじゃなくて落としてたんだ・・・あ、ありがとうございます。でも、この定期入れがどうして私のだって分かったんですか?」
メアリー「その定期に名前と年齢と性別が書いてあったでしょ?女子中学校の近くに落ちてたから、この学校の生徒の定期入れだろうなって思って。それに、あなたを魔女界で見た覚えがあるから。」
はづき「ま、魔女界でですか?」
 はづきはその人の口から予想だにしていなかったその単語が出てきたことに驚いた。

***続く


次回予告
はづき「フジオ君たちに会ったり、菜月さんに会ったり、今日はいろいろあると思ったら、今度は誰なの?」
どれみ「次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『消せないトモシビ』、ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」
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