まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第23話『炎の精霊、降臨』
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 ここはフランス、マルセイユ。
メアリー「さて、行きますか。」
 メアリーは朝日の差す窓から海を眺めながらつぶやいた。
メアリー「日本へ!」

***

 その頃、どれみたちはちょうど学校の中間テストが終わった頃だった。
しずく「あぁ、やっとテストが終わったよ。」
どれみ「それより、明後日は待ちに待った学園祭か。」
しずく「今年は出店の準備と合唱で忙しいんだよね。」
さつき「去年は合唱だけだったもんね。」
しずく「でも中間テストのうさばらしにちょうど良いよね。私今回自信無いんだ・・・。」
どれみ「そんなこと言ったら私はいつもだよ・・・。でもそんな嫌なことは忘れて明日は頑張ろう!」
さつき「ははっ、どれみちゃんらしいわ。」
しずく「でも、どれみちゃんが言うことも一理あるよ。」
さつき「何でも前向きなところがどれみちゃんの取り柄だからね。」
しずく「逆に気にし無さすぎなのがたまに傷だけどね・・・。」
どれみ「いやぁ、それほどでも・・・。」
さつき「どれみちゃん、今のは誉められてないよ。」

***

 カレン女学院3人組もちょうど学校からの帰り道だった。
はづき「最近寒くなってきたわね。」
れいか「でも10月にしては暖かいですわ。」
さちこ「そうよね、今年の冬は暖冬かな。それにしても、今年は台風が多いよね。」
はづき「うん、数はそんなに多くないけど、上陸する台風が多すぎるわ。」
さちこ「そうよね〜。」
 そんな会話をしているうちにカレン女学院からの最寄駅に着いた。そして、そこではづきはあることに気付いた。
はづき「あら・・・。」
さちこ「どうしたの、はづきちゃん?」
はづき「定期入れを学校に忘れてきちゃったみたい・・・ごめん、先に帰っててくれる?」
さちこ「え、別に待ってるよ。」
はづき「ううん、戻ってくるまでに2、30分はかかると思うから・・・。」
さちこ「そっか・・・じゃあ、悪いけど先に帰るね。」
れいか「藤原さん、またですわ。」
はづき「うん、ごめんね。」
 はづきはそう言って学校へ、玉木麗香と伊集院さちこの2人は美空方面の電車に乗り込んだ。

***

 人気の無い空き地で突然白い光が出現し、その光の中からメアリーが現れた。
メアリー「着いた、ここが美空市か・・・。」
 メアリーは辺りを見回した。
メアリー「同じ日本でもお母さんの魔法堂がある北海道の獅子良町とはまた違う雰囲気ね。」
 やや冷たい秋風が辺りに吹いている。
メアリー「まぁあそこはだいぶ田舎だからなぁ。」
 ふと、メアリーは空き地の前の道に何かがあるのに気がついた。
メアリー「これは・・・。」

***

 はづきが学校へ戻る途中のことである。
通行人「あの、すいません、この辺に駅ってありますか?」
 通りすがりの見知らぬ人にはづきは道を尋ねられた。
はづき「えっと駅ならこの通りをまっすぐ行ったところにありますよ。」
通行人「あ、そうですか、ありがとうございます、藤原はづきさん。」
はづき「いえ、どういたしまして。って、え、どうして名前を・・・?」
通行人「あれ、結構鈍いんだね。まぁ久しぶりの再会ではあるけど・・・。」
はづき「もしかして・・・。」
通行人「やっと気付いたみたいだね、そうさ。」
 その男が指を弾くと、たちまち姿を変えてしまった。
はづき「FLAT4のフジオ君!」
フジオ「僕だけじゃないよ、みんな!」
 するとフジオの後ろに居た3人が煙をあげて姿を変え、ポーズを取り始めた。
フジオ「フジオのF!」
レオン「レオンのL!」
暁「あかつきのA!」
トオル「トオルのT!」
フジオ「4人合わせてFLAT4、久しぶりだね、はづきちゃん。」
はづき「何でみんながこんなところに?」
トオル「もちろん僕はおんぷちゃんに会いに行くために人間界に・・・モゴモゴ。」
 暁がトオルの口をふさいで話し始めた。
暁「実は魔法使い界の4人目の精霊を見つけたから、時空の狭間の神殿に連れて行ったんだけど、その帰りに魔法使い界に続く扉と間違えて人間界に続く扉から出てきちゃったんだ。」
フジオ「そうしたらたまたまはづきちゃんを見つけたんだ。」
はづき「そうだったんだ。」
レオン「そういえば・・・今の人間界にしては暑くないかい?」
はづき「たしかに10月にしては暑いけど・・・。」
暁「まだ炎の精霊は降りてきてないんだね」
はづき「え、おりる?」
レオン「なんだ、知らないのかい?」
フジオ「炎の精霊は夏は雲の上にいるんだけど、夏が終わると地下深くに冬眠するんだ。」
はづき「へぇ、冬眠ってなんだか熊みたいね。」
 はづきは笑いながら言う。
暁「逆に言えば夏は空の上、冬は地下深くに居るから、そのちょうど空から降りてくるときに会えないと次は半年後に空に戻るときまで会えない。」
はづき「えぇ、そうなの?」
暁「本当に知らなかったんだ、じゃあ僕達が間違って人間界に出てきて逆に良かったよ。」
はづき「本当ね、ありがとう。」
フジオ「さて、人間界に特別な用があるわけでもないし、魔法使い界に帰ろうか。」
トオル「そうだな、あ、おんぷちゃんによろしく言っといてくれ。」
はづき「わ、分かったわ。」
 苦笑いするはづき。
暁「それじゃあ・・・。」
 4人はそう言ってその場を去った。

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