まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第21話『消えた!?魔女界への扉』
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 あいこはおんぷと電話をしていた。
あいこ「えっ、今度大阪に来るん?」
おんぷ「うん、仕事でだけどね。」
あいこ「・・・そやったらちょっと見せたいものがあるんやけどって、忙しいやろうし無理、やんな?」
おんぷ「どうしたの、そんなにしんみりして?」
あいこ「それは・・・来たら話すわ。」
おんぷ「?」
 おんぷは受話器ごしに首を傾げている。

***

いろは「はぁ、はぁ、こがね、早く!」
こがね「ま、待って下さ・・・い。」
 2人は息を切らして魔女界の街を走っていた。
いろは「そこを抜けたら人間界に続く扉があるから、そこまで頑張って!」
こがね「はい。」
いろは「見えた、人間界に続く扉!よし、行くよ、こがね。」
 2人はその扉の前まで辿り着くと、扉を片側ずつ押して開けた。
いろは「な、何これ!?」
こがね「出口があんな遠くに・・・。」
 扉の奥はもう人間界のはずだ。しかし、その先は電気がショートするような音をたてながら空間が歪んでいて、人間界側の扉ははるか遠くに揺らめいていた。
こがね「空間が歪んでる・・・?」
いろは「これじゃあ人間界に行っても帰ってこれないかもしれない・・・。」
こがね「そんな、でも・・・。」
いろは「分かってるわ、今は行くしかないの。」
 いろははそう言うと歪んだ空間の中へ飛び込んだ。こがねもそれに続いた。

***

 ここは大阪。
男1「はい、収録終わりです、お疲れさまっす。」
おんぷ「はぁ〜疲れた。」
美保「おんぷちゃん、お疲れさま。良かったわよ。」
 おんぷの母、瀬川美保が言う。
おんぷ「ありがとう。そうそう、次の仕事まで時間空いてるかな?」
おんぷ「2時間くらいなら空いてるかしら・・・。」
 美保はスケジュール帳らしき物を開いて見ながら答えた。
おんぷ「2時間か・・・。」
 腕時計を見ながらおんぷは呟く。
おんぷ「ごめん、ちょっと2時間だけ出掛けてくるね。」
美保「ちょ、ちょっと、おんぷちゃん?」

***

おんぷ「今が4時だから、6時までか・・・。良かった、なんとか約束の時間には間に合いそう。」
 やがて、おんぷの視野には淀川沿いの1つの建物が飛び込んできた。
おんぷ「見えたわ、魔法堂。」
 おんぷは走るのを止めてその建物の敷地の中へ入っていった。そこには1人の制服姿の女の子が立っていた。
おんぷ「あいちゃん、学校からそのまま来たんだ。」
 おんぷはその少女、妹尾あいこが制服を着ていたのを見て言った。
あいこ「おんぷちゃんこそ、仕事終わってそのまま来たんやろ?」
おんぷ「うん、まぁね。」
あいこ「おんぷちゃん、忙しいやろうに、わざわざごめんな。」
おんぷ「ううん、私も大阪で仕事があるって聞いた時はあいちゃんに会えたら良いな、って思ってたから。」
あいこ「そっか、それやったらよかってん。」
おんぷ「それより・・・話って何なの?」
あいこ「と、とにかく魔法堂の中入ろ、ここじゃ落ち着かんやろ?」
 おんぷにはあいこの様子が変であることが分かった。
おんぷ「中、入れるの?」
あいこ「うん、裏の窓が壊れてて、そこから入れるねん。」
おんぷ「ふぅん。」
 2人は裏庭に回って窓から魔法堂に入った。
おんぷ「けほっ、結構ホコリっぽいわね。」
あいこ「まぁずっと空き家状態やったからなぁ。」
 あいこは苦笑いしながらそう答えた。
あいこ「それで電話で言ってた見せたいものなんやけど・・・。」
 あいこは少し間をおいて言った。
あいこ「この部屋、なんかおかしいと思わへん?」
おんぷ「おかしい?」
あいこ「おんぷちゃん、確かこがねちゃんのお別れ会をやるときにいっぺんここに来てるやろ?」
おんぷ「来たけど、一度しか来てないからあんまり覚えてな・・・。」
 おんぷは喋りながら気付いた、その異変に。

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