まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第20話『悲しい音色』
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 ここは魔女界のとある森。
??1「なぁ、俺、思うんだ。本当に魔女界の奴が犯人なんだろうか?」
??2「実は俺もそれは思ってた。」
??1「なのに俺たちは国王に逆らえないがために・・・。」
??2「よせ、それ以上は言うな。」
??1「しかしリオン、国王がやっていることが正しいとは言えない。それは分 かる出ろう?」
 リオンと呼ばれた、一角獣と人間の中間のような生物はそれに答える。
リオン「あぁ、分かってる、だが・・・。エイル、無理なものは無理だ。俺たちは科せられた任務を果たさなければいけない。」
 リオンとは別のもう1人、鳥人間のエイルは首を振る。
エイル「じゃぁ俺たちの任務は永遠に終わらないと言うのか・・・?」
リオン「そうとは限らない、時空の狭間にあった7つの宝石を盗んだ犯人が魔女界の者で無いと証明されれば俺たちの任務は終わる。」
エイル「そんなの何時になることやら・・・。」
リオン「俺たちの任務は"宝石を盗んだ犯人が魔女であるという証拠を掴む事"。確かに犯人が魔女じゃなければ俺たちはずっと実在しない犯人を追いつづけなければならないわけだ。」
エイル「そんなのごめんだ。なんとか国王を説得出来ないものだろうか・・・。」
??3「そんなことをしなくても君たちが楽になる方法を知っているぞ。」
 2人は背後から突然声をかけられ、驚いて振り向いた。
エイル「だ、誰だ!?」
??3「誰と言われて答えるほど馬鹿じゃないのでね。」
リオン「どういうことだ・・・?」
??3「そんなことより、君たちが楽になる方法、知りたくないんですか?」
エイル「・・・念のため聞いてやる、その方法とは何だ?」
 その男はニヤリと笑った。
??3「ここで・・・あなたたちが死ねばその瞬間楽になれますよ。」
リオン「何ぃ!?」
エイル「ふざけているのか?」
??3「いえ、真面目ですとも。私の計画をゆかりなく進めるためにも・・・。」
リオン「計画だと、まさかおまえ・・・。」
エイル「貴様が宝石を盗んだ犯人か!?」
??3「それは違うね。私ではない。」
エイル「貴様・・・何か知っているのか?」
??3「あぁ、知ってるとも、しかし私は冥土の土産に全てを話すなんて馬鹿なことはしない。万が一盗み聞きしている奴がいたり君たちの息の根を止める事が出来なかったりすれば、我々の計画に支障をきたすおそれがあるのでね。」
リオン「そう言ってやすやすとやられるほど俺たちは落ちちゃいないぜ。」
エイル「あぁ、なめるのもいい加減にしろよ。」
??3「ふっ、あわれだな。」

***

さつき「おっはよ〜、しずくちゃん。」
 さつきは朝、学校に着くと2年2組の教室へやってきた。
しずく「あ、さつきちゃんおはよ。どれみちゃんは?」
さつき「ううん、まだ来てないみたい。」
しずく「そっか。そうそう、おんぷちゃんの新曲、聞いた?」
さつき「うん、聞いたよ。Dark Angelって曲でしょ?」
しずく「うん、あれって私結構好きだな。」
さつき「聞いた話だけど、あの歌って作詞はおんぷちゃんがしたらしいよ。」
しずく「え、そうなんだ。なんか詳しいね。」
さつき「まぁね。それでさ、あの歌って・・・。」

***

 おんぷはある歌番組で新曲を披露していた。
おんぷ「私はけがれない天使だと思ってた、あの子と出会うあの時まで〜♪あの子が気付かせた、私に気付かせた、私は天使に近付けた?」
 おんぷは歌い終わるとカメラに向かって礼をした。
司会者「今の曲は、瀬川おんぷで、Dark Angelでした。この曲はおんぷちゃんが作詞したそうですね?」
おんぷ「はい、そうです。」
司会者「ということはこの歌詞に出てくる『わたし』と『あの子』にはモデルが居るのかな?」
おんぷ「はい、居ますよ。誰かまでは言えませんけど。」
 おんぷは意味ありげに笑った。

***

魔女王「マジョリン、それは本当ですか?」
マジョリン「はい、幻獣界の者が2人、森に倒れていました。2人とも意識はありません。」
魔女王「死んではいないのですね。」
マジョリン「はい、意識がないだけです。しかし、かなりの深手を負っています。」
魔女王「すぐに幻獣界の王に連絡しなさい。」
マジョリン「し、しかし、我々は幻獣界の王に神殿の宝石を奪った犯人だと思われています、そこに魔女界で幻獣界の者が倒れていると知らせれば、魔女界の者がますます疑われます。」
魔女王「かといってその事を隠せば万が一ばれた時、私たち魔女界の者の疑いがより増すでしょう。」
マジョリン「しかし・・・。」
魔女王「良いですか、私たち魔女界の者は無実なのです。」
マジョリン「・・・分かりました。すぐに幻獣界の王に知らせてきます。」
魔女王「お願いしますよ。」
 マジョリンが去ると、魔女王は城の外を眺めながら静かに呟いた。
魔女王「一体誰がこのようなことを、このままでは戦争が起こってしまう・・・。」

***

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