まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第19話『静かすぎる森』
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 アメリカ・ニューヨークはこの日、幾分涼しかった。
ももこ「え、ハイキング?」
ベス「そう、今度の日曜日に。」
スージー「どう、モモコ。行かない?」
ももこ「ハイキングかぁ、楽しそうだね。行く、行く。」
ベス「じゃあ決まりね。」
ももこ「でも、何処へハイキングに行くの?」
ベス「湖の近くの森あたりに行こうかなって思ってるんだけど・・・。」
ももこ「湖って・・・ここから2キロくらい北の?」
ベス「そうそう、その湖。」
 その時、ももこ達に近づいてきた一人の少年がいた。
トム「お〜い、モモコ。」
ももこ「あ、な、何?」
トム「えっと何だっけ・・・?」
スージー「何よそれ。バスケのことかなんかじゃないの?」
 スージーが笑いながら言う。
トム「あぁ、そうだった、そうだった。明日、なんか練習試合があるらしいからちゃんと試合の用意しとけよ、って顧問が言ってたぜ。」
ももこ「う、うん、わかった。」
トム「それだけ・・・だな。じゃあまた後でな。」
 トムはそう言って自分の席に戻っていく。
ベス「あ、そうだ、ねぇ、モモコ、日曜日はさ・・・モモコ?」
ももこ「え、あ、何?」
スージー「どうしたの、ボーッとして?」
ももこ「ううん、な、なんでもないよ。なんでも・・・。」
ベス「ももこ・・・。」
 そんなももこを見て、スージーとベスは顔を見合わせた。

***

日曜日。
ももこ「うわぁ、晴れてよかったね。ハイキング日和だよ。」
ベス「本当、風が気持ち良い。」
スージー「あ、あっち見て、ほら、野ウサギよ!」
ももこ「うわぁ・・・かわいい!」
 ももこが言うと、ウサギは茂みの中へ逃げてしまう。
ベス「あぁ、逃げられちゃった。」
スージー「ねぇ、あっちの湖の方に行ってみようよ。」
ももこ「うん、行こう。」
 ももこ達は湖の方へ走って行く。
ももこ「うわぁ、風が涼しいね。」
ベス「ね、ねぇ、来て、大変!」
 最後尾を歩いていたベスの声が突然静かな森に響いた。それを聞いたももことスージーはベスに駆け寄った。
スージー「なに、どうしたの?」
ベス「ひ、人が倒れてる!!」
 ベスの指差す先には人が俯せに倒れていた。
スージー「本当だ、どうしよう!」
ももこ「とにかく落ち着いて、ベスもスージーも。私はこの人を見てるから、2人は助けを呼んできて!」
ベス「う、うん、分かった。」
スージー「すぐに助けを呼んでくるね。」
 2人はそう言って森の入り口の方へ走っていった。
ももこ「あの・・・、大丈夫ですか?」
 ももこはまず、倒れている人の意識があるかどうかを確認しようとした。
???「うっ・・・。」
 その男の手がピクッと動いた。
ももこ「うわ、動いた・・・てことは生きてますか?」
???「き、君は?」男はももこに気付いて尋ねた。
ももこ「私は飛鳥ももこって言います。それより今友達が助けを呼びに行ってるんで・・・。」
???「助け?まぁ良いか。」
 男はそう言うと起き上がった。
ももこ「へ?」
???「ふわぁ〜あ、よく寝た。」
 男はあくびをしてそう呟いた。
ももこ「・・・寝た?」

***

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