まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第18話『2つの大いなる風』
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 もちろん風木は魔女見習いとなり、その本屋で働くこととなった。そして風木は魔女見習いとしての驚くべき才能を発揮する。
マジョフェミル「9級試験の次、8級試験を受けて7級と6級が飛び級、そして5級を受けて4級飛び級・・・。風木はどうやら魔女としての素質があるようだな。」
かぜき「え、そう?」
マジョフェミル「あぁ。どこぞの"おジャ魔女"なんぞと呼ばれている魔女見習いとは大違いだ。」

 そしてどれみたちが魔女ガエルの呪いを解いた直後に1級試験にまで合格する。
かぜき「やったぁ、1級試験合格だ〜!」
マジョフェミル「よくやったな。」
かぜき「ありがとう。でも、私の力でマジョフェミルさんを元の姿に戻してあげたかったなぁ・・・。」
マジョフェミル「何、私は風木が頑張ってくれただけで嬉しいぞ。」
 マジョフェミルは風木の頭を撫でた。
かぜき「えへへ、とにかく私、人間に戻らない。魔女になるよ。」
マジョフェミル「・・・そうか。」

 それから約半年、風木はマジョフェミルの魔法堂に通いつづけた。
マジョフェミル「風木よ、まだ魔女界に住むか住まないかの決心がつかないのか?」
風木「うん・・・。私は魔女界に行きたいんだけど・・・。」
マジョフェミル「・・・家庭の事情か?」
 風木は黙って頷いた。
マジョフェミル「まぁゆっくり考えろ。」
かぜき「うん。」

 そんな会話を交わした翌日の事。
かぜき「こんにちは、ってあれ?開かない。」
 風木は魔法堂の入口を開けようとしたが、開かなかった。
かぜき「おかしいな。休業の看板もかかってないし・・・。仕方ないか。」
 風木は辺りを見渡して人が居ないのを確認した。そして風木は水晶玉をかざした。
かぜき「アバ○ム・・・じゃない、あれはド○クエだ。魔法堂の入口よ、開いて!」
 風木がそう唱えるが、入り口の扉はビクともしない。
かぜき「あ、あれ?魔法堂の入口よ、開いて!開くの、ほら、開きなさい!」
 風木が強く念じると、水晶玉から放たれる光が増し、扉が軋む音が聞こえてきた。そしてバンッという大きな音をたてて扉が開いた。その反動で扉が壊れてしまったが、風木は気にせず中に入った。
かぜき「え・・・。」
 魔法堂の中は小学3年生の子供が見るには耐え兼ねない光景だった。
かぜき「何、これ・・・何があったの・・・。」
 本棚は倒れ、本は床に散乱し、壁には血のような物で染まっていた。まるで強盗殺人があった現場のようだった。不意に、風木の瞳から涙が零れ落ちた。
かぜき「マジョフェミルさん、何処?何処に居るの?ねぇ、マジョフェミルさん、返事して!」
 風木は魔法堂内を探し回るが、マジョフェミルの姿は何処にも見当たらない。
かぜき「まさか・・・。」
 風木は手で散乱した本を掻き分けた。
かぜき「・・・居ない。何処なの、マジョフェミルさん。」
 その時、風木の背後で声がした。
???「誰かお探しかい?」
かぜき「あなた、誰?いつの間にここに居るの?」
???「私の名前は・・・・フレッドです。偽名ですがね。本名は言えない。」
かぜき「マジョフェミルさんは何処?」
フレッド「彼女ならここには居ない。何故なら僕が連れて行ったからね。」
かぜき「何処に?」
 風木が尋ねると、フレッドと名乗った男はニヤリと笑って答えた。
フレッド「あの世に。」
 次の瞬間、怒りが頂点に達した風木は自分でやった行動を覚えていなかった。しかし、気がつくとフレッドが青ざめた顔をしいた。そして魔法堂の床には大きな穴が開いていた。
フレッド「こ、これは・・・ばかな、くそ。」
 フレッドは風木に恐れをなしたらしく、逃げていった。
かぜき「あれ、わたし・・・。」
 風木が自分の手元を見ると、そこには割れた水晶玉があった。
かぜき「あ、水晶玉が割れてる・・・。」
 その時、魔法堂にフレッドとは違う誰かが入ってきた。
???「な、なんだこれは。」
 その男は魔法堂の床に開けられた大きな穴を見て言った。
かぜき「あなた・・・だれ?」
???「私はオルテガという者だ。君は・・・魔女か?ここにフレッドと名乗る男が来なかったか?」
かぜき「・・・。」
オルテガ「おい、君、大丈夫か?おい、おい?」
 風木の精神は壊れていた、と言っていいほど風木は心に深い傷を負っていた。しかし、年月が経つに連れて風木の心の傷もだいぶ癒えてきたようだった。

***

かぜき「マジョフェミルさんが生きてても死んでてもそれは良い。とにかくマジョフェミルさんに会いたい。そのために私はあのフレッドと名乗る人を絶対に見つける。」
オルテガ「フレッドは厄介な男だ。あいつを捕まえるならさっさと1級に受かって魔女になることだな。」
かぜき「・・・うん。」
 風木は力強く頷いて見せた。

***続く


次回予告
ももこ「Oh、次回は久しぶりに私の話だね。次回、私は森にハイキングに行くよ。」
あいこ「・・・それだけ?」
ももこ「それだけ・・・じゃないけど。詳しい事は19話でね。次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『静かすぎる森』、お楽しみにね。Here We Go!」
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