まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第18話『2つの大いなる風』
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 どれみたちは魔女界中央図書館に保管されていた預言書について話を進めていた。
おんぷ「じゃあ、『2つの大いなる風』っていうのは?」
マジョリカ「これは私の勘じゃがその2つの風のうちの1つはどれみ、お前のことじゃ。」
どれみ「・・・え?」
マジョリカ「なぜなら・・・名前に"風"がついてるからじゃ。」
 どれみたちは、コケた。
しずく「マ、マジョリカさん・・・それって・・・。」
どれみ「確かに私の名字って"春風"だけどさ、それだったらぽっぷがもうひとつの風?」
マジョリカ「いや、それは違うじゃろう。」
はづき「何か理由があるの?」
マジョリカ「・・・どれみに限らずお前たちは魔女ガエルの呪いを2度も解いた。それだけで理由は十分じゃ。お前達ならまた何かやってくれる気がするんじゃ。」
さつき「じゃぁ、もうひとつの風は?」
マジョリカ「それは分からん。しかしこの預言書が正しければお前はもうその第2の風と接触しているはずじゃ。」
どれみ「え、それって・・・?」
さつき「そっか、『闇に包まれ華麗に咲く花さえも光を失う頃には、2つの大いなる風がお互いをかすめ』、だから・・・。」
はづき「あの"妖精の花"が光を失ったんだから、2つの風はもう接触してるはずだわ。」
マジョリカ「そういうことじゃ。」
どれみ「もしかして・・・。」
マジョリカ「どうした、心当たりがあるのか?」
どれみ「え、ううん、良く分からないけど・・・。」
マジョリカ「分からないけど、なんじゃ?」
どれみ(もしその子の名前に"風"がついてるとしたら・・・。)

***

かぜき「オルテガ〜、何処なの?居ないの?」
 どれみたちがMAHO堂に集まっているのと同じ頃、ここは美空市港に近い別の魔法堂。その建物の中、水野風木の声が響いていた。彼女のこだまする声が聞こえなくなると、辺りに響いていたのは美空市の浜辺に打ちつける波の音だけだった。
かぜき「おかしいな〜。オルテガ、何処に行ったんだろう。」
 風木は魔法堂内をくまなく探すが、オルテガの姿は見当たらなかった。
かぜき「何か今日は用事があって出かけてるのかな?」
 風木が諦めて魔法堂出た時だった。
かぜき「あれ、あそこに居るのは・・・。」
 港の方にオルテガらしき人影が見えた。他に、見たことの無い男が2人ほどいた。
かぜき「オルテガと一緒に居るの、誰だろう。って、あれ?」
 突然、オルテガ以外の2人が風木の視界から消えた。
かぜき「消えた・・・?暗いから見失っただけかな・・・?」
 風木が呟いていると、オルテガが風木の方を向かって歩いてきた。
オルテガ「来てたのか、風木。」
かぜき「うん。ねぇ、今誰かと話してなかった?」
オルテガ「あ、あぁ。地元の漁師の人だ。最近台風がよく来るから船が流されないように点検をしてたそうだ。」
かぜき「ふうん。」
オルテガ「とにかく中に入るぞ。」
かぜき「う、うん。」
 風木はオルテガの言っていることに疑問を感じたが、あえて聞かず、オルテガについて魔法堂の中に入っていった。
オルテガ「次の魔女見習い試験は・・・来週だったかな。」
かぜき「来週?」
オルテガ「あぁ。次は・・・3級試験だったかな、頑張るんだぞ。」
かぜき「うん。任せといて。」
オルテガ「・・・どうやら私が風木に初めて会ったときよりはだいぶ元気になったようだな。」
かぜき「そう?」
オルテガ「あぁ。あの時はまるで死人のように暗かった。」
かぜき「し、死人って言い方はやめてよ。」
オルテガ「悪い、悪い。しかし、本当に元気になった。」
かぜき「それもこれもオルテガのおかげだよ。」
オルテガ「そうなのか、私は何もしていないが・・・。」
かぜき「そうだよ。あの時は私、すっごいショックだったけど、オルテガが励ましてくれたから・・・。」

***

 話は2年前、どれみたちが小六の頃、魔女ガエルの呪いが解かれる3ヶ月前までさかのぼる。
かぜき「はぁ〜ぁ。家に帰っても面白くないしなぁ。何か面白い事って無いかな。」
 だ小学2年生だった風木は波の音を耳に静かな海を眺めながら海岸沿いの道を歩いていた。
かぜき「あれ、何だろうあの建物。あんなお店あったっけ?」
 風木の目にとびこんできたのは、『魔法堂書店』という看板の下がった一軒の店だった。
かぜき「本屋さん?」
 恐る恐る風木はその本屋へ入っていった。
かぜき「うわぁ、見たこと無い本がたくさん。・・・でもお金持ってないからなぁ。」
???「おや、可愛いお客さんだね。」
 その声に風木は振り向いた。
かぜき「うわ、その帽子、魔女が被ってる帽子みたい!」
 かぜきは振り向くや否やそう言い放った。
???「へ?」
かぜき「お姉さんって魔女ですか、何て聞いてみたりして。」
???「あ・・・。」
 言うまでも無く、その"魔女"は醜いカエルの姿になった。これが水野風木と彼女、"マジョフェミル"との出会いだった。

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