まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第15話『幻獣界の実態』
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 フィーヌとテイルはMAHO堂の中へ入ろうとしていた。
フィーヌ「ぬう、窓が開かないぞ〜!」
 フィーヌは窓から入ろうとしたが、窓が開かなかった、しかし、次の瞬間鍵の外れる音がして窓が開いた。
フィーヌ「あ、窓が開いた。」
???1「え、蝶がしゃべった?」
 窓を開けた張本人の女の子は言葉を話す2匹の蝶に驚いた。
フィーヌ「あれ、魔女じゃ・・・ない?もしかして人間?って、俺を見ても驚きが少ないみたいだな。」
???2「どれみちゃん、どうしたの?」
 窓を開けた女の子を呼ぶ声がした。
どれみ「あ、さつきちゃん、喋る蝶が居るよ。」
さつき「え、喋る蝶!?」
 そう言うとさつきは走ってどれみの居るところへ走ってくる。2人のやり取りを聞いていたしずくも走ってやってきた。
どれみ「それよりもしかして妖精ですか?」
 フィーヌは突然のことに驚く。
フィーヌ「何故妖精の存在を・・・。」
 そこでフィーヌはピンと来た。
フィーヌ「もしかしてお前達が人間界の精霊を探している子供たちか?」
どれみ「え、一応そうですけど・・・?」
フィーヌ「なら幻獣界の存在を知ってるな?すまないがここに隠れさせてくれ。」
さつき「え?」
 フィーヌはどれみたちの返事を待たずにテイルを無理やり引っ張って勝手に入ってきた。
どれみ「あの、それより幻獣界の妖精さんがどうしてここに・・・?」
フィーヌ「こいつが時空の穴に飲み込まれて人間界に来てしまってな。」
しずく「時空の穴?」
フィーヌ「幻獣界も人間界も時空の狭間を隔てて繋がっている。しかしどちらの世界も宝石を失った結果、双方の世界の壁・・・とでも言うのか、それが決壊し、幻獣界と人間界とが通じる穴ができてしまったのさ。」
どれみ「じゃぁ、そっちの妖精の人がその穴に吸い込まれて・・・あれ、もしかして・・・。」
 どれみは"もう1匹の妖精"を指差して、気付く。2匹とも妖精だと思っていたが、もう1匹は違っていた。
フィーヌ「そう、こいつは妖精じゃない、龍だ。」
さつき「もしかしてさっきテレビで・・・。」
フィーヌ「テレビ?」
さつき「え、とにかく、その、龍にしては・・・小さくないですか?」
フィーヌ「俺の魔法の力で小さくした。あの巨大な姿では目立ちすぎるからな。」
しずく「魔法、使えるんですか?」
フィーヌ「魔法使いや魔女ほどではないが・・・物を大きくしたり小さくしたりするぐらいならどんな妖精でもできる。」
どれみ「あの・・・。」
フィーヌ「何だ?」
どれみ「さっきここに隠れさせてくれ、って言ってたのは何でなんですか?」
テイル「僕たち、珍しい蝶々と勘違いされて人間の子供に追われてて・・・。」
フィーヌ「それでここに逃げてきたわけだ。」
どれみ「そうだったんですか・・・。」
 少しの間部屋がしんとなった。
フィーヌ「今度は俺から質問させてもらっていいか?」
さつき「あ、はい。」
フィーヌ「ここは・・・MAHO堂だろ?魔女はいないのか?」
どれみ「今は居ないです。」
フィーヌ「今は?じゃぁお前たちは何をしにここに居るんだ?」
どれみ「今日は掃除をしに来たんです。」
しずく「いろいろ思い出がある場所なんで、ほこりを被ったままの状態で放っておきたくないな、って思って・・・。」
フィーヌ「何だかよく分からんが・・・。まぁとにかく魔女は居ないんだな。くそ、ここから帰れるとも思ったんだが・・・。仕方が無いか、とにかく俺たちを追っていた子供もどこかへ行ったみたいだ、帰るとするか。」
どれみ「もう帰っちゃうんですか?」
フィーヌ「・・・子供から逃げるために隠れさせてもらったんだ、もうここに居る理由は無いだろ。それに・・・。」
しずく「それに?」
フィーヌ「国王・・・幻獣界の王は人間界、魔女界、魔法使い界を嫌っている。」
どれみ「え?どうしてですか?」
フィーヌ「さぁな、俺にも分からない。ただ、あの人も何も理由無しには嫌わないだろうがな。」
 どれみたちは黙り込んでしまう。
フィーヌ「そういう訳でこれ以上人間の世話になるわけにはいかない。」
さつき「そうですか・・・じゃぁ、気を付けて帰ってくださいね。」
フィーヌ「あ、あぁ。おい、テイル帰るぞ。」
 フィーヌはテイルを連れて帰ろうとした。
テイル「あの、皆さん、えっと、お父さんは人間を好きじゃないみたいだけど、僕は人間のこと好きだからね。」
どれみ「お父さん?」
フィーヌ「テイルの父親は我等が幻獣界の王だ。」
しずく「え、そ、そうだったんですか?」
テイル「お父さんだってきっと昔何かあったんだよ、でも人間は悪い人ばかりじゃないって分かったら父さんだって・・・。」
フィーヌ「おい、テイル、何を言ってる。帰るぞ。」
 フィーヌはテイルを無理やり引っ張って外へ出ていった。テイルは引っ張られながらも続けた。
テイル「僕はもう帰らなきゃいけないけど、またいつかきっと来るよ。だから・・・。」
 それ以上は遠く離れすぎてもう聞こえなかった。

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