まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第14話『水平線上のドラゴン』
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 その頃、小笠原諸島の沖。そこを飛来していた龍は、さっきまで幻獣界の森にいたテイルだった。
テイル「どうしよう、人間に見つかっちゃったみたいだ・・・。」
人1「居たぞ、龍だ!捕獲しろ!」
 テイルの飛ぶ下、海の上には一隻の船が走っていて、先ほどからずっとテイルを追いかけてきている。
テイル「うわぁ、逃げなきゃ、捕まったら本当にまずいよ!」
 その時、テイルの耳になにやら呟く声が聞こえてきた。
???「テイル、やっぱり人間界に居たか。」
テイル「そ、その声は・・・。フィーヌさんですか?」
 見ると、蝶ぐらいに小さなフィーヌが居た。
フィーヌ「そうだ、とにかく話は後だ、人間達にばれている、ここはひとまず逃げるぞ!」
 フィーヌは指を弾くと、テイルが小さくなった。
人1「あ、あれ?」
 船の上の人からはテイルが突然消えたように見えたらしく、あたりをうろついてからテイル達の前から姿を消した。
テイル「ありがとう、フィーヌさん。」
フィーヌ「何、お前を助けて連れ戻さないと俺の首が飛んでしまうからな。」
テイル「それより僕はさっきまで幻獣界の森にいたはずなのに、いつのまに人間界に・・・?」
フィーヌ「どうやら世界が宝石を失った影響らしい。」
テイル「え?」
フィーヌ「7つの世界は時空の狭間を通じて繋がっている。この人間界も我々が住む幻獣界もな。」
 フィーヌは羽を広げて北へ向かって飛び始め、言った。テイルもそれを追いかけながら聞いていた。
フィーヌ「しかし人間界も幻獣界も宝石を失った結果、崩壊の道をすすむ。そのせいで人間界と幻獣界をつなぐ空間の隔たりが壊れて穴が出来てしまったのだろう。ちなみにテイルが人間界に居ることが分かったのはその穴から出ていた緑色の光、あの光は人間界を象徴する、緑樹石の緑と同じ色を放っていたからな。」
テイル「その穴っていうのが、さっき森で見た穴?」
フィーヌ「あぁ、おそらくな。それ以外考えられない。それより、早く帰るぞ。」
テイル「あ、待って!」
フィーヌ「どうした?」
テイル「せっかく人間界に来たんだから、人間界を見学していこうよ!」
 フィーヌは少し考えてから、
フィーヌ「しかたの無い奴だ、但し少しだけだぞ。」
 2人はそう言ってその場所から一番近い国、日本へ行った。
フィーヌ「ここは日本という国で、私たちと同じように精霊探しをしている子がこの国に何人かいると聞いてるのだが・・・。」
テイル「へぇ、詳しいね。」
 テイルはそう言うと街へ下りていった。小さくなった姿で飛んでいると、数人の子供たちがテイル達の存在に気付いたらしく、そのうちの一人がテイルを指差して言った。
子供1「あ、珍しい蝶が飛んでるよ!」
フィーヌ「ま、まずい、に、逃げるぞ、テイル!」
子供2「ねぇ、今のちょうちょ、何か喋らなかった?」
 女の子が言うのを聞いてテイルとフィーヌは全力で飛んで逃げていった。人間界で誰かに捕まるわけにはいかない。なぜならテイルの父親、すなわち幻獣界の王は、人間界、魔女界、魔法使い界を嫌っている。もしものことがあれば、何が起こるか分からない。ましてや人間界の者のほとんどは幻獣界の存在すら知らないのだ。そんなことを考えながら逃げている最中、ふと大きな建物が目に映った。
テイル「フィーヌさん、あの建物の中に逃げましょう!」
フィーヌ「あれは・・・MAHO堂!あそこなら俺たちを理解してくれる奴がいるかもしれん!」
 彼らはMAHO堂が魔女が経営している店であることを知っていた。魔女なら幻獣界の存在を知っているはずだから、なんとかしてくれるだろう─。そう思って2人は迷わずMAHO堂へ向かった。
フィーヌ「なんだ、このMAHO堂・・・今は使われていないのか?」
 フィーヌは店の開いている気配の無いMAHO堂を見て呟く。
テイル「どうなんでしょう・・・。」
フィーヌ「まぁ良い、入るぞ。」
テイル「はい。」
 2人はMAHO堂の中へ・・・。

***続く


次回予告
テイル「え、僕が次回予告するの?えっと・・・えっと・・・。次回は14話の続きです!」
フィーヌ「・・・もっとまともな次回予告は出来ないのかよ。」
どれみ「と、とにかく、次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『幻獣界の実態』、ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」
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