まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第12話『ハナちゃんの大脱走マーチ』
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 所かわってここは現実世界の魔女界。
オヤジーデ「た、た、た、大変であります!!」
マジョピー「どうしたの?」
オヤジーデ「ちょっと居眠り・・・じゃなくて目を離した隙にハ、ハ、ハナちゃんが!!」
マジョポン「ハナちゃんに何かあったの!?」
オヤジーデ「い、居なくなりました〜!」
『えぇ〜!?』
 マジョピーとマジョポンの2人は声をそろえて悲鳴をあげた。

 さらに場所は変わり、ここは魔女界のとある森。
ハナ「どれみ・・・はづき・・・あいこ、おんぷ、もも・・・。」
 ハナは自分の母親たちの名前を呟きながらその森を歩いていた。その顔はとても寂しげに見えた。
ハナ「あれ?」
 ふと、ハナは気が付いた。いつのまにか、知らない森に居る。そういえば"ママ"に逢いたくなってマジョピーたちの目を盗んで魔女保育園を抜け出した後・・・。それからが思い出せない。
ハナ「ここ・・・どこ?」
 ハナはとても不安になった。しかも、不運なことに水晶玉は魔女保育園に置いてきてしまっている。
ハナ「どうしよう・・・。」
 ハナは今にも泣きそうな顔をするが、突然声をかけられ、驚いて振り返った。
少年「お嬢ちゃん、どうしたんだい、こんな森で。迷子かい?」
 ハナはしばらく考えてから頷いた。
少年「そうか。しかし君は凄いね。こんな森の奥まで一人でやってくるなんて。見たところ4歳ぐらいなのに。」
 少年は優しくハナを抱きかかえた。
少年「さすがは次期女王候補だ。」
 少年はニヤリと笑った。

***

(再び『続・ハナちゃんの秘密』内)
 女王様そっくりの人にハナは林野を紹介してあげた。
ハナ「林野君って言うの。」
林野「僕は林野じゃないぞ、巻機山花!ここは一体どこなんだ!今日こそ教えてもらうぞ、お前の秘密!!」
 林野はそう言って悪のカリスマ、ダークアゴーに変身した。
ハナ「あ、お前は!!」
アゴ「ふん、久しぶりだな!」
ハナ「・・・誰だっけ?」
 林野もといダークアゴーは思わずコケた。
アゴ「こ、こいつ、ふざけやがって。ダークアゴーだ!名前ぐらい覚えておけ!」
ハナ「まぁいっか。とりあえず悪者!」
 どうやらハナは悪者であることだけは認識できたらしい。
アゴ「・・・なんだ?」
ハナ「秘密、教えてあげようか?」
 ダークアゴーは再びコケる。
???「いけません。あなたは次期女王の身分なんですよ?」

あいこ「げ、次期女王って、まさか・・・。」
 あいこは一瞬考えるが、再び漫画に目を戻した。

ハナ「って、女王様が秘密いっちゃってるじゃん。」
???「・・・あ。」
アゴ「次期女王だぁ?そんな身分には到底見えないが・・・。」
ハナ「それよりアゴさん、今この世界が大変なの!」
アゴ「大変?そんなこと、知ったことじゃないな。」
ハナ「実はこの世界にでっか〜い龍が・・・。」
 すると3人の背後にその巨大な龍が登場した。龍は登場するなり突然火を噴いてダークアゴーに襲い掛かった。
アゴ「うわあああああ!!!」
ハナ「危な〜い!」
 ハナはダークアゴーに飛び掛り、ダークアゴーを押し倒した。炎はダークアゴーが先ほどまで立っていた場所の草を燃やし、ハナの靴を燃やした。
ハナ「あつっ!」
 それをみて女王様らしき人が何処からか取り出した布で叩いてハナの靴の火を消した。
???「大丈夫ですか?」
アゴ「き、貴様・・・何故僕を助けた!」
ハナ「・・・なんでだろう。分からない。」
 ハナは笑って答える。
アゴ「く・・・。」
 再び龍の豪火が3人を襲った。突然だったため、今度は避けれそうにはなかった。
アゴ「ぬぉぉぉ!」
突然ダークアゴーがうなり声を上げて右手をかざした。すると、龍の豪火は彼の手に吸い込まれて、消えた。そして龍に飛び掛った。明らかに龍の方が力も大きさも上回っていた。しかし、ダークアゴーは退かなかった。
アゴ「くらえぇぇ!」
 ダークアゴーは顎を龍に思いっきり打ち付けた。そして龍がひるんだずきに彼は龍の尾にしがみついた。
ハナ「アゴさん・・・?」
アゴ「ふん、今迄お前の秘密を詮索して悪かったな、巻機山。」
 ダークアゴーは静かに言った。
アゴ「さようならだ。」
 ダークアゴーが悲しげにそう言うと、彼の体が突然光りだした。
アゴ「うぉおおおお!!!逃げろ、巻機山!」
 龍は尾を振って彼を振り払おうとするが、ダークアゴーは決して龍の尾にしがみついた手を放さなかった。次の瞬間、ハナは何が起こったのか理解できなかった。龍の体が木っ端微塵に砕けて、あたりに散らばっていた。ハナが全てを理解したのは、爆発したさいの煙が完全に消えたときだった。
ハナ「アゴ・・・さん。」

あいこ「それ以来ハナは・・・ダークアゴーのことを決して忘れる事はありませんでした。・・・完 めっちゃ良い話やん。あかん、涙が出そうや。」
 あいこは感極まって涙を浮かべていた。
あいこ「そういえばハナちゃん、元気にしてるかなぁ・・・。」

***

魔女界。
こがね「ハナちゃ〜ん。」
いろは「ハナちゃ〜ん、居たら返事して〜。」
 こがね、いろははハナちゃんが行方不明になったことを聞いて、魔女保育園の近くにある森を探索していた。
こがね「ハナちゃん、何処に行ったんだろう。」
いろは「何か事件に巻き込まれてなきゃいいけど・・・。」
 2人は心配してそんな言葉を交わした。
こがね(ハナちゃん・・・。)

***続く


次回予告
こがね「ハナちゃんが行方不明って、去年もそんなことがあった気が・・・。あの時はたしか誘拐されて・・・まさかまた誘拐!?次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『衝撃、こがねの知った未来』ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」
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