まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第12話『ハナちゃんの大脱走マーチ』
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あつこ「あいこ〜、小包が届いてるわよ。」
あいこ「小包?誰からやろう。」
 あいこは母あつこから小包を受け取る。
あいこ「横川信子・・・あ、信ちゃんからや。なんやろ。」
 あいこは自分の部屋に戻ると、小包の封とビリビリと破って開けた。
あいこ「ノートと・・・手紙?何々・・・。新しい漫画が出来たから送ります、かぁ。へぇ、わざわざ送ってくれたんや。で、どんな漫画なんやろう。」
 あいこは同封されていたノートを見る。
あいこ「ぞ、『続・ハナちゃんの秘密』〜!?なんかめっさ嫌な予感・・・。」

***

マジョポン「ハナちゃん、今日は何して遊ぼうかな?」
 魔女保育園の保母さんの1人、茶色い髪をした魔女がハナの居た部屋に入ってきて言う。
ハナ「・・・。」
 ハナはマジョポンを無視するかのようにじっと窓の外を見続けている。
マジョピー「あれ、窓の外に何かいるの、ハナちゃん?」
 ハナの様子を見て部屋に入ってきたもう一人の保母さん、藍色の髪の魔女が言った。そのマジョピーの問に対して、ハナは首を横に振った。
マジョポン「じゃぁどうしたの?」
 マジョポンは心配そうにハナに話し掛ける。
ハナ「・・・ママに会いたい。」
 マジョポンとマジョピーは困ったような顔をして、その顔をお互いに見合った。ハナのママ・・・つまり、どれみたちはハナの住む魔女界には居らず、人間界に住んでいるのだ。ハナの望みをかなえるのは難しかった。
マジョピー「ハナちゃん、それはちょっと無理かな〜。」
 ハナは悲しそうな顔をして窓の外を眺めつづけていた。

***

 あいこは恐るおそるページをめくっていた。
『私の名前は巻機山花、今年から中学二年生です。私はついこの間まで美空市ってところに住んでいたんだけど、今は訳あって別の場所に住んでいます。え、その訳は何かって?そ・れ・は・・・。ヒ・ミ・ツ!!』
あいこ「もう魔女ガエルの呪いが無い言うても、なんか怖いわぁ・・・。」
 あいこは呟くと、次のページに目をやった。

(『続・ハナちゃんの秘密』内)
 夜、中学二年生になったハナは、とある森まで来ています。
ハナ「今は・・・まだ11時半かぁ。じゃぁこの扉が開くまではまだだいぶかかりそう・・・。」
 ハナは森の中に不自然に建っている扉の前にいた。その扉は、何故か『扉』しかなかった。言ってみればドラ○もんのどこでもドアのようなものだ。辺りは真っ暗で、どこからともなく狼の遠吠えが聞こえてくる。
ハナ「仕方ないか、12時になるまで何処かで時間を潰そう〜っと。」
 そんなハナの様子を見守る、妖しげな影が、そこにあった。
???「まさか何処かへ引越ししたはずの巻機山がこんな所にいるとは・・・とことん運がいいらしい。今日こそ・・・今日こそあいつの秘密を・・・!!」
 するどく尖ったあごが特徴的な彼は、そう呟いた。
ハナ「あれ、林野君、こんなところで何してるの?」
林野「うげっ!!」
ハナ「まっ、いっか。ねぇ悪いんだけど、12時まで暇つぶしに付き合ってくれる?」
林野「・・・はぁ?」
ハナ「12時にならないとあの扉開かないの。」
林野(ま、待てよ、これはチャンスじゃないのか?上手くいけばこいつの秘密が・・・。)
林野「し、仕方が無いな。で、何をするんだ?」
ハナ「鬼ごっこしよう、鬼ごっこ♪」
林野「え"?」
ハナ「じゃぁ林野君が鬼ね。」
 そう言うと、ハナは何処かへ走り去って行った。しかし、すぐに戻ってきた。
ハナ「そうそう、ちゃんと10秒数えてね。」
 そう言ってハナは再び走り去っていった。林野はしぶしぶ木にもたれかかって目を瞑り、10秒数え始めた。数え終えると、目を開けて辺りをみた。暗闇の奥からまた狼の遠吠えが聞こえてきた。
林野「さ〜って、どこに隠れたかって、僕は一体何をやっているんだ〜!!」
 林野の叫び声が辺りにこだまする。
林野「巻機山花を見失ったじゃないか・・・。ってことは結局探さないといけないのか。」
 林野は森の中をくまなく探し回るが、見つからない。仕方が無く最初の場所に戻ると・・・。
林野「あれ、扉が開いてる。しかも扉の向こうに・・・。」
 その扉は『異次元に繋がる扉』なのか、此処とは違う場所へ繋がっているようだった。そう、まるでドラえ○んのどこでもドアのように。林野は恐る恐るその扉をくぐる。林野が扉をくぐると、そこは広い草原だった。いや、ただ広いなんてものじゃない、地平線が見えていた。
林野「こ、ここは・・・?」
 林野は辺りを見渡し、遠くの方に人影が見えたので、そこへ近づいてみた。その人影が誰か分かると、自分が声をかけるより先に声をかけられた。
ハナ「あ、林野君。あ"・・・鬼ごっこしてることすっかり忘れてた。」
林野「忘れられてたのね・・・どうりでみつからない訳だ。」
 林野はがくっと肩を落とした。
???「・・・お友達ですか?」

あいこ「って、このハナちゃんの横に居る人魔女界の女王様に似てる・・・でも信ちゃんたちが知ってるわけあらへんし・・・。」
 あいこは息をのんでページをめくる。

***

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