まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第11話『鏡の中のさつき』
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 期末最終日、最後の科目は理科1分野のテストだった。
さつき「次のテストでやっと期末も終わりね。」
どれみ「これが終わればもう夏休みかぁ。」
しずく「その前に成績表とテストが帰ってくるけどね。」
どれみ「ぬわぁ、それは言わないで〜。」
さつき「ってそろそろ試験始まるよ。もう教室戻らなきゃ。」
どれみ「あ、うん、そうだね。じゃぁ、また帰る時に。」
3人はそう言ってそれぞれの教室に戻っていった。

***

先生「はい、それじゃぁ終わり、後から集めて。」
 先生のその声で後の方からがたがたと席を立つ音が聞こえてくる。
どれみ「やっば〜難しすぎだよ。」
 最後尾の生徒がどれみの前の席に座っていた女の子の分の答案を回収すると、その女の子は後を向いてどれみに話し掛けてくる。
さき「どれみちゃん、分かった?」
 彼女は手向山咲、去年もどれみと同じクラスだった女の子だ。
どれみ「ううん、全然。私やばいかも・・・。」
さき「私も全然分からなかったよ〜。下手したら50点無いかも・・・。樋口さん、分 かった?」
 咲はどれみの後ろに座っていた樋口まきにも話をふる。
まき「ううん、むずかしかった。」
さき「よね?あぁ、でもちょっと安心した。みんなむずかしいと思うんだ。よかった。」
どれみ「さつきちゃんならこれぐらい簡単に解けちゃうんだろうなぁ〜。」
 どれみは深くため息をつく。

***

どれみ「さつきちゃん、帰ろうってあれ、さつきちゃんは?」
信子「新庄さんならもう帰っちゃったわよ。」
しずく「え、本当?」
信子「本当って私はてっきりどれみちゃんたちの教室に行ったのかと思ってたけど・ ・・?」
どれみ「そっか。どうしたのかな、さつきちゃん。」
しずく「何か急用でもあって先に帰ったんじゃない?」
どれみ「そうかもね。仕方が無いから二人で帰ろっか。」
しずく「それよりテスト解けた?」
どれみ「・・・解けたと思う?」
しずく「ううん、思ってないよ。」
 しずくは即答する。どれみは思わずコケた。
どれみ「・・・は、はっきり言うんだね。まぁそうだったんだけどさぁ。」
しずく「私も全然分からなかった。」
どれみ「本当、さつきちゃんはあれも解けたのかな?」
しずく「そりゃぁ解けたんじゃないの?さつきちゃんだから・・・。」

 その頃、さつきの家。さつきは息を切らして部屋に入っていった。さつきは部屋の鍵をしめると、その場に疲れたように座り込んだ。
さつき「どうしよう・・・。」
 さつきは乱れた息を整えるように深呼吸をする。

***

 数日後、期末のテストが一斉に返ってくる日の放課後。
みほ「信ちゃん帰ろう。テストどうだった?」
信子「国語以外結構やばいかも・・・あ、新庄さんどうだった?」
さつき「え、まぁまぁ・・・かなぁ・・・。」
森枝「ねぇ、さつきちゃんテスト、見せて見せて。」
 丸野森枝(まるの もりえ)は元1年4組のクラスメイトだった少女だ。
さつき「え・・・。」
みほ「見せて〜。また100点連発とか?」
さつき「う・・・うるさぁい!!」
 突然のさつきの怒鳴り声に、さっきまで騒がしかった教室が一瞬で静かになった。
さつき「あ、あなたたち、人の点数より自分の点数の心配しなさいよ。」
 さつきはそう言うと鞄を持って教室を出て行った。
信子「し、新庄さんどうかしたのかしら・・・。」
森枝「私たちなにかまずいこと言ったかしら・・・。」

菊地「おい、新庄の奴なんか怒って帰ってったぞ。」
 菊地はじめ、鉄道好きの少年である。
吉村「あいつ普段おとなしそうだけど怒る時もあるんだな・・・。」
 吉村正太郎、彼は小学校5、6年の時さつきと同じクラスだったが、さつきの怒 った姿はこの時初めてみたらしい。
白岩「新庄・・・。おい、お前等、何かしたのかよ。」
 白岩一樹は先ほどまでさつきと喋っていた女子に言う。
信子「え、別に何も・・・。」
白岩「何もしなくて怒って帰るかよ。」
森枝「私はたださつきちゃんにテストの点を・・・。」
白岩「あぁ、それだけか?」
吉村「お、おい一樹。お前何女子相手に怒ってるんだよ。」
白岩「怒ってねぇよ。正太郎、俺先帰るぞ。」
 白岩はそう言って鞄ともって教室を後にした。
吉村「なんだ、一樹の奴も怒ってるのか?」
琴村「お、俺、白岩が怒るところも初めてみた・・・。」
 琴村始、彼は白岩、さつきと同じく元1年4組のクラスメイト。また、さつき、吉村 とは小学校も同じだ。
菊地「でもあいつ怒ってないって言ってたぞ・・・。」
吉村「いや、ありゃ怒ってるだろ・・・。」
 2年1組の教室内は突然の出来事に困惑状態であった。

***

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