まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第10話『動き出した計画』
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魔女王「まずは長らくお待たせした事をお詫びします。」
幻獣王「ふん、まぁ良い。で、今度は何のようだ?」
魔王「おい、幻獣王!お前は口が過ぎるぞ!」
幻獣王「お前は黙ってろ。」
魔王「何だって?」
死後王「お前達、静かにしろ。魔女王、今回は何のようで?」
魔女王「神殿の宝石が・・・全ての世界の宝石がなくなりました。」
騒がしかった会議室内が再びしんとなった。
幻獣王「なん・・・だって?」
魔女王「全ての世界の宝石がなくなってしまいました。」
幻獣王「魔女界の者が率先して警備に当たっていたのではなかったのか!?」
幻想王「何たること!これだから人間界のように他の世界の存在を認めようとしない世界と国交を開こうとしている連中は・・・。」
魔王「おい、幻想王!それは人間界に対しても魔女界に対しても失礼な発言だぞ!」
幻想王「ふん、悪いな、貴様の世界を忘れていた。唯でさえ崩壊しそうな世界なのに宝石を失った惨めな世界が・・・。」
魔王「何ぃ?」
死後王「おい、幻想王。静かにしろ。ここは争いの場では無い。」
魔女王「とにかく落ち着いてください。」
幻獣王「落ち着くも何も、我が世界の宝石を失ったのだぞ?全く、魔女界の者は一体どんな警備をしていたんだ?」
幻想王「・・・おい、まさか魔女界の警備に当たっていた奴が宝石を持っていったなんて事はないだろうな?」
 一瞬の沈黙。
魔女王「そ、そのような事は決して・・・。」
幻獣王「そうだ、その通りだ幻想王。魔女界の誰かが犯人に違いない。」
幻想王「そうだ、神殿の警備は魔女界の者が率先して行っていたんだ。一番妖しい。」
魔王「おい、お前達、そんな根拠の無い話はやめろ。」
幻獣王「根拠がない?おい、魔法使い界の王とやら、冷静に考えてみたまえ。30分おきに警備を行っているにもかかわらず、その短時間の間に宝石がな くなったんだぞ?なら考えられることはひとつ、犯人は魔女界の者である。違うか?」
音楽王「しかし、魔女界の宝石も無くなってしまっているのだぞ?」
幻獣王「そんなもの自分達の罪を隠すためのカムフラージュだろう。」
死後王「それならば幻獣王、あなたの世界の者も十分に妖しい。」
幻獣王「・・・何故だ?」
死後王「今から4000年も前に悪魔界の宝石を奪って悪魔界を崩壊させたのは何処の誰だね?そんな奴を先祖に持っているのだ、その子孫が同じことをするとも限らない。」
幻獣王「何を言うか、そんなもの4000年も昔の話、今の私の世界にそのような不届き者はおらぬわ。」
魔女王「落ち着いてください。ここで論争を繰り広げたところで犯人はわかりません。」
幻想王「だから犯人は魔女界の者だろう?」
魔王「幻想王!」
幻獣王「まぁ良い。そんなことよりさっさと帰って我が世界の子供たちに精霊を探すように命じなくてはならない。こんなところで無駄な時間をつぶしている暇は無いのだ。帰らせてもらう。」
幻想王「私も帰らせてもらおう。」
 2人はそう言ってその部屋から立ち去っていった。
死後王「・・・全く、勝手な奴等だ。」
魔王「魔女王、気になさるな。あやつらは自分の力に溺れている。幻獣界の者も幻想界の者もあの王に怯えているだけだ。あやつらの世界の民が皆魔女界の者を疑ってはいない。むろん私たちもだ。」
魔女王「ありがとうございます。」
音楽王「とにかく我々の世界でもいち早く精霊を探させる必要はある。ということで失礼ながら私も帰らせてもらおう。」
死後王「そうだな。それでは魔女王、本日はこの辺で・・・。」
魔女王「本当に申し訳ありません。私たちがもっと厳重に警備を行わなかったばかりに・・・。」
死後王「魔女王よ、そう自分を責めなさるな。あなたは何も悪いことはしていない。」
魔王「その通りです。」
死後王「魔女界の方も魔法使い界の方も精霊探しは順調とのことで・・・冥福を祈ってますぞ。」
魔女王「ありがとうございます。」
 魔女王が言うと、閻魔大王と音楽界の王は会議室を後にした。
魔王「それでは私もこの辺で・・・。」

***

謎の男「ふっふっふ。計画通りだ。幻獣界、幻想界と魔女界、魔法使い界、死後界、音楽界の二派に分かれたな。」
 謎の男は会議室の窓の外からずっと中の様子を眺めていた。
謎の男「宝石も七つ手に入ったことだ・・・。あとは戦争でも起こってくれれば・・・。問題は人間界だが・・・。人間界は私が直接手を下さずとも精霊を集められるはずが無い。放っておいて大丈夫だな。しかしここまで計画通りに進むと笑いが止まらぬな。」
 男はにやりと笑ってその場を立ち去って行った。

***続く


次回予告
どれみ「やっと期末テストが終わってもうすぐ夏休みかぁ〜。でも夏休みは精霊探しも頑張らないといけないなぁ。って、夏休みの前に期末テスト返ってくるじゃん・・・。次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『鏡の中のさつき』、ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」
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