まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第08話『もうひとつの世界!?』
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ここは水龍寺。
女王様「先ほどの話のことですが・・・実はその昔、"悪魔界"という世界が存在しました。」
あいこ「悪魔界?」
女王様「はい。名前のとおり、その世界には悪魔が住んでいました。しかし今から約4000年ほど前にその世界は精霊を失って崩壊してしまったのです。」
あいこ「・・・宝石を失ったんですか?」
女王様「そうです。」
女王様は頷いてそう答えると、ゆっくりとそのいきさつを語りだした。
女王様「4500年前、悪魔界と幻獣界との間では戦争がおこっていました。もちろん戦争がおこるほどの原因はあったのでしょうが・・・。その戦争は以後500年もの間続き、その間に戦争が始まった理由を誰もが忘れてしまったのです。しかし、彼らは理由を忘れてもなお戦うことを止めようとはしませんでした。」
あいこは呆然と立ち尽くすようにその話を聞いていた。
女王様「そしてその戦争では終始悪魔界が押していたそうです。ところがある日、このままでは勝てないと悟った当時の幻獣界の王は、時空の狭間にある神殿の宝石を奪い、悪魔界ごと崩壊させる手段をとってしまったのです。」
あいこ「そんな・・・。」
女王様「そしてそれから2、3年後に悪魔界は崩壊してしまいました。」
女王様は寺の中を少し歩いて縁側の障子を開けると、そこから月の光が差し込んできた。
女王様「ちなみにその悪魔界の宝石は黒無石(こくむせき)・・・。その宝石は今も幻獣界の何処かにあると言われています。しかし、神殿から持ち去られて4000年もたった今、それが何処にあるかは分かりません。」
あいこ「もし・・・もしもその宝石を見つけて悪魔界の神殿に戻したら・・・。悪魔界は復活するんですか?」
女王様「いいえ。復活することはありません。その世界が滅んでしまえば、その世界の宝石はただの石になってしまいます。・・・この人間界も、魔女界も、魔法使い界も、全てのどんな世界も・・・。決して悪魔界と同じ末路を辿らせてはなりません。あいちゃん、人間界の未来はあなたたちにかかっています。なんとしてでも精霊を見つけ出して神殿へ戻してあげてください。」
あいこ「・・・はい、分かりました。」
女王様「あと2時間もしないうちに夜が明けるでしょう。ですから私たちもそろそろ帰ります。あいちゃん、大変だとは思いますが、決して諦めずに頑張ってくださいね。」
女王様はあいこににっこり笑いかける。
あいこ「もちろんですよ。」
女王様「それではマジョリン、帰りますよ。」
マジョリン「はっ。」
女王様「っと、その前にまずあいちゃんを大阪まで送ってあげないといけませんね。目を瞑っていて下さい。」
あいこは言われるがままに目を瞑った。女王様の指を弾く音が聞こえたかと思うと、一瞬あいこの意識がとんだ。ふと我に返ると、そこはあいこの家の布団の中だった。
あいこ「夢・・・いや、夢やあらへん。そっか、私女王様の魔法で・・・。」
あいこは布団から這い出ると、少し開いていた窓のカーテンを閉めながら呟いた。
あいこ「悪魔界か・・・。そんな世界があったんやなぁ。」
その後すぐにあいこは布団に潜り、眠った。

***

所かわってアメリカ、ニューヨーク。ももこ達はちょうど学校からの帰りだった。
ベス「ちょっとモモコ、聞いてる?」
ももこ「え、え?何?」
ベス「どうしたのよ、モモコ最近なんだかずっとぼ〜っとしてるけど。何かあったの?」
ももこ「何にもないよ。それよりさ、昨日クラブの時にトムがね・・・。」
スージー「あのさぁ、モモコ。」
ももこ「え、何?」
スージー「最近モモコの話す話題ってトムのことばっかりじゃない?」
ももこ「え?」
ベス「そういえばそうかも。あ、もしかして・・・。」
ベスとスージーは妖しげな笑みを浮かべている。
ももこ「な、何言ってるのよ私はただ・・・。」
ベス「モモコ、顔真赤だよ。」
スージー「別に隠さなくても良いのに。ねぇ?」
ベス「そうだよ。」
ももこ「ち、違うって・・・もう良いよ。」
ももこはその場を逃げるように走り去ってゆく。
ベス「ち、ちょっとモモコ?・・・もしかして怒らせちゃった?」
スージー「みたいね。」
ベス「モモコってそういうこと笑って話してくれそうな気がしてたけど・・・。」
スージー「本当よね。私もそう思ってた。でもさ・・・。」
ベス「どうしたの?」
スージー「トムってさぁ、確か・・・。」
ベス「あぁ、そういえば・・・。」
二人はお互いの顔を見合ったあと、走り去っていくももこの後ろ姿を見つめた。

***

ももこ「ただいま。」
みのり「モモコお帰り。あ、ちょっとモモコ?」
ももこは家に帰るとそのまま二階の自分の部屋に入っていってしまう。
ももこは自分の部屋に入ると、鍵を閉め、そして扉にもたれかかって呟いた。
ももこ「もう、ベスの馬鹿・・・。」
ももこはベッドの上に座った。
ももこ「でも、もしかして私本当に・・・。だけど私人を好きになったことなんてないから分からないよ・・・。」
ももこは髪をわっか状にくくっている部分をほどくと、ベッドの上に横たわった。そして大きく深呼吸をしてみせた。
ももこ「トム・・・。」
気が付くと、ももこは眠りについていた。

***続く


次回予告
どれみ「悪魔界の話を聞いて、ますますプレッシャーが・・・。本当に人間界の未来って私たちにかかってるんだぁ〜!!でも、次回はちょっとそれとは関係無いお話なんだけどね・・・。次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『はづきの願い、ももこの想い』ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」
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