まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第08話『もうひとつの世界!?』
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あいこ「今夜やっと笑う月の晩かぁ。よっしゃ、そろそろ行くで、水龍さん。」
水龍「はい。これで私もようやく神殿に帰れるわけですね。」
あいこと水龍は夜中にこっそりと家を出た。
あいこ「って、そういえばどうやってその神殿に言ったらいいんやろ・・・。」
あいこは思い出したように言う。
水龍「そのためにはまず・・・京都に行く必要がありますね。」
あいこ「へ、京都?」
あいこは拍子抜けしたように言う。
水龍「私が住まわしてもらっていたお寺の裏に時空の狭間に通じる空間があります。」
あいこ「そやったんや。でも、どないして京都まで行こう。こんな時間やから もう電車動いてないし・・・。」
水龍「そうですね。私がなんとかしましょう。」
あいこ「なんとかって、なんとかなるん?」
水龍「もちろん。あなたにも一度私の持っている"精霊の力"というものを是非見てもらっておかなくてはと思いますしね。」
水龍はそう呟くと右手を上にかざして何やらぶつぶつと唱えはじめた。すると、風が水龍の回りを渦巻き始めた。

あいこ気が付くと、あたりはしんとした部屋の中だった。
あいこ「ここは・・・。」
あいこは辺りを見回す。暗闇に目が慣れてくると、そこはどうやらお寺の一室であることに気が付く。
水龍「少々、力が強すぎましたかね・・・気を失っていたようで。」
暗闇の中、突然声が響いた。
あいこ「ここは、水龍寺・・・?」
水龍「はい。そうですよ。」
あいこ「さっきのは・・・魔法?水龍さん、魔法が使えるんですか?」
水龍「魔法とは少し違います。まぁでも魔法と片付けるのが一番手っ取り早いでしょう。それより、早く行きましょう。夜が明けてしまう前に。」
あいこ「そやな。よっしゃ、それじゃぁ行くで、時空の狭間にある神殿へ!」
???「待ってください。」
あいこ「うわぁ!」
あいこは突然背後から聞こえてきた女の人の声に驚いて叫んだ。
水龍「!?どうした?」
あいこ「え、今女の人の声が・・・。」
???「・・・驚かせてしまいましたか?」
あいこ「じょ、女王様?」
水龍「女王様?魔女界のか?」
女王様「あいちゃん、近くに精霊が居るのですか?」
あいこ「え、あ、はい。」
女王様「私は人間界のしかも子供でもないのでその姿は見えませんが・・・。」
あいこ「あ、そういえば・・・。それより、女王様、何かあったんですか?」
女王様「えぇ、人間界で一人目の精霊が見つかったと聞いて・・・マジョリン。」
マジョリン「は。」
あいこ「あれ、マジョリンさんいつのまに・・・。」
マジョリンは女王様に一枚の紙を手渡す。
女王様「これは・・・時空の狭間の地図です。」
あいこ「時空の狭間の・・・地図、ですか?何も書いていないような気がするんですけど・・・。」
女王様が手に持つその地図は明らかに何もかかれていない白紙だった。
女王様「時空の狭間は正確な形状を持っていません。ですからその地図が無いと道に迷ってしまい非常に危険です。」
マジョリン「その地図は数百年前の魔女界の科学者が作ったもので、時空の狭間に入ると自動で地図が書き込まれます。」
女王様「しかし今回は初めてということもありますから、私たちも付いていきましょう。」
あいこ「ありがとうございます。」
マジョリン「では早速・・・。」

***

あいこ「ここが時空の狭間・・・。」
そこは何もかもが歪んでいて上下も左右も分からなくなってしまいそうな空間だった。
女王様「あいちゃん、地図を・・・。」
あいこ「あ、はい。」
あいこは地図を広げる。
あいこ「えっと・・・建物が8個映ってますけど、どの建物が人間界の神殿なんですか?」
女王様「これですね。」
女王様はあいこの地図を見て即答する。その建物は地図上で緑色に塗られていた。
女王様「人間界の宝石は緑樹石(りょくじゅせき)ですから、人間界の神殿は緑色で示されます。」
あいこは納得したようにうなずいてその神殿を目指した。

あいこ「よっしゃ、ついたで。水龍さん、さ、入って。」
あいこは神殿の扉を開けて言う。
水龍「本当にお世話になりましたね。どうもうありがとうございました。」
水龍はそう言うと、神殿の扉を自分の手で閉めた。

あいこたちは今度は先ほど入ってきた時空の狭間への出入口を目指して歩き始めた。
あいこ「あれ、そういえば・・・。」
あいこは呟く。
女王様「どうかしたのですか?」
女王様はそれに気付いて尋ねた。
あいこ「この地図上の建物って全部神殿なんですか?」
女王様「・・・はい。そうです。」
あいこ「でも、世界って確か7つでしたよね?けど神殿は8個・・・?」
女王様は突然足を止める。そして、マジョリンを顔を見合わせたあと、あいこの方を見て言った。
女王様「・・・ここでじっとしていると空間に飲み込まれてしまいます。とにかく話の続きは人間界に戻ってからしましょう。」

***

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