まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第07話『雨の雫、相川しずく?』
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その日の夕方。まだ雨は降っていた。
どれみ「しずくちゃ〜ん、帰ろう。」
どれみは2年2組の教室へ入ってきて言う。
しずく「あ、うん。ちょっと待って。あれ、さつきちゃんは?」
どれみ「さつきちゃんは今日は用事があるんだって。」
しずく「そうなんだ。それじゃぁ二人で帰ろっか。」

***

しずく「ただいま〜♪」
千里「ちょっといい加減にして下さい!」
しずくが家に帰ってくると、奥から突然しずくの母親、相川千里の声が聞こえてきた。しずくは急いでその声の聞こえてきた方に走った。
しずく「お母さん、どうかしたの?」
千里「あ、しずく、なんか瀬川おんぷって名乗る子供から電話がかかっきたのよ。冗談もいい加減にして欲しいわ。」
しずく「え、おんぷちゃんから?」
千里「そうよ。しずくちゃんに変わって欲しいって言うんだけど、あなたがおんぷちゃんの知り合いなわけ・・・。」
しずく「電話代わって!」
千里「・・・へ?」
しずくは母親から受話器を奪う。
しずく「もしもし、おんぷちゃん?」
おんぷ「あ、もしもし、しずくちゃん?もぉ、やっと代わってくれたよぉ・・・。」
おんぷは疲れたような声で言う。
しずく「ごめんごめん、お母さんが私とおんぷちゃんが知り合いだって知らなかったみたいで・・・。で、何かあったの?」
おんぷ「そうそう、メアリー・ヒルスって言う女の子を知ってる?」
しずく「メアリー・・・ヒルス?あぁ、うん、知ってるよ。って、何でおんぷちゃんがその子のこと知ってるの?」
おんぷ「この間ドラマの撮影で北海道に行ったときに、会ったんだ。」
しずく「どういう話をしてたの?」
おんぷ「メアリーさんが16歳って聞いて藤崎さんと同い年なんだ、言ったら向こうが藤崎さんのことを知ってて・・・。」
しずく「え、だけど・・・。」
おんぷ「ううん、それが思い出しちゃったみたいなの。私がその名前を口にだしちゃったせいで。」
しずく「そうなんだ・・・。メアリーさん、藤崎先輩のこと何か言ってた?」
おんぷ「会いたいって言ってた。」
しずく「そっか・・・。でも藤崎さんは魔女界にいるからそう簡単には会えないしね。」
おんぷ「けど、メアリーさんも魔女だからもしかしたら会えるかもね。」
しずく「え、メアリーさんま・・・なの?」
しずくは後に母親が固まっていることに気が付いて魔女という言葉を言いそうになるのをなんとかおさえた。
おんぷ「しずくちゃん知らなかったの?私てっきり知ってるものかと。あ、そっか、そういえば藤崎さんが昔魔女見習いだったってことも知らなかったものね。」
しずく「うん。そっか、メアリーさん・・・だったんだ。でも、それだったら何時でも会えるんじゃない?」
おんぷ「そうね。あ、でもメアリーさん、お父さんに心配かけたくないからって人間界を離れる気はないんだって。」
しずく「そっか・・・。」
おんぷ「どうしたの?しずくちゃん?」
しずく「ううん、何でもないよ。ごめん、私やらなきゃならない宿題いっぱいあるから・・・またね。」
おんぷ「え、あ、うん、」
しずく「それじゃぁ。また電話するね。バイバ〜イ。」

おんぷは携帯電話を手に持って首をかしげていた。
おんぷ「しずくちゃん、なんだか様子がおかしかったけど・・・。」
おんぷは携帯の画面を見つめてそう呟いたあと、鞄の中に携帯をしまった。
一方、しずくは受話器を置くと、一呼吸おくとそのまま自分の部屋に走っていった。
しずくの後で固まっていた母親の千里はふと我に返る。
千里「あ、ちょっと、しずく・・・。」
しかし、しずくは呼ばれたことに気がついていないのか、そのまま二階へ上がっていってしまった。
千里「どうしてうちの子があんな有名人と・・・。」
千里は首をかしげている。

部屋に入ったしずくは、制服のままベッドに横たわった。
しずく「藤崎さん・・・。私、やっぱり私は・・・。」
しずくの視界は涙でにじんでいた。部屋にある何もかもが見えないくらい、瞳からは涙があふれていた。窓の外では、未だに雨は止んでいなかった。

***

翌日、学校へ行く途中のこと。
どれみ「おはよう、しずくちゃん。」
しずく「おはよう、どれみちゃん、さつきちゃん。」
さつき「おはよう。あ、そうそう、忘れないうちに渡しておくよ、はい、これ。」
しずく「え、何これ?」
どれみ「今日は何月何日でしょう!」
どれみが問う。
しずく「6月10日・・・あ!」
さつき「そういうこと。昨日私さきに帰ってしずくちゃんの誕生日プレゼント買いに行ってたんだ。」
どれみ「もちろんお金は割り勘だよ。」
しずく「うわぁ、ありがとう。開けても良い?」
どれみ「もちろん。」
しずくはそこで包みを開ける。
しずく「うわぁ、可愛い!」
包みの中には、可愛らしい腕時計が入っていた。
さつき「この間腕時計壊れたとか言ってたからさ。」
しずく「どれみちゃん、さつきちゃん、ありがとう♪」
しずくは早速その腕時計を腕にはめた。
しずく(─フランスに居た頃、私の友達は藤崎先輩とメアリー先輩しかいなかった。でも、今の私には友達が居る。こんなにも素敵な友達が。)
どれみ「しずくちゃん、早くしないと遅刻するよ〜?」
気が付くとどれみたちはすでに十数メートルほど前方を歩いていた。
しずく「あ、うん、待って!」
しずくは走って二人の親友を追いかけた。

***続く


次回予告
あいこ「やっと待ちに待った笑う月の晩や〜!!」
はづき「あ、あいちゃんとっても嬉しそうね・・・。」
おんぷ「何でも精霊のせいでずっと寝不足だったんだって。」
どれみ「次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『もうひとつの世界!?』、ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」

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