まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第06話「不思議な出会い」
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女の人「私はもともとイギリスに住んでて・・・今はフランスのマルセイユっていう街に住んでるの。」
おんぷ「でも、何でこんなところに居るんですか?」
女の人「私のお母さんがここで昔お店をやってたの。だからたまにこうして来て掃除して帰ってるの。」
おんぷ「お店?」
女の人「そ。スキー場をやってたんだって。」
おんぷ「でも、なんでお姉さんが掃除をしに来てるんですか?お母さんのお店なのに・・・。」
女の人「私のお母さん・・・もう居ないから。」
おんぷ「え・・・?」
女の人「小さい時に死んじゃったんだ・・・。」
おんぷ「ご、ごめんなさい。」
女の人「良いのよ。もう平気だから。それより、こんなところで立ち話もなんだか ら、奥でお茶でも飲みましょう。」
 おんぷは女の人に連れられて奥の部屋の椅子に座った。女の人はしばらく何処かへ消えていたがすぐに帰ってきた。手には紅茶を入れたカップを二つ持っていた。
女の人「あ、そうだ、あなた名前はなんて言うの?」
 女の人は紅茶をテーブルにおきながら言う。
おんぷ「瀬川おんぷです。」
女の人「そう。私はメアリー・ヒルス。今年で16歳よ。」
おんぷ「16歳ってことは私より2歳年上ですね。ということは・・・いろはさんと同 い年か。」
 おんぷは呟く。
メアリー「いろ・・・は?」
 メアリーは顔をしかめる。
おんぷ「どうかしたんですか?」
メアリー「うっ!」
 メアリーは突然頭を押さえて床に倒れこみそうになった。
おんぷ「大丈夫ですか、顔色が悪いですよ?」
メアリー「だ、大丈夫だから。それより・・・その子ってもしかして藤崎いろはって いう名前?」
おんぷ「え?」
メアリー「いろはなんて珍しい名前だからまさかとは思うけど、あなたの知っているいろはは・・・藤崎いろはって子じゃない?」
おんぷ「そうです、でもどうして知っているんですか。」
メアリー「フランスで・・・彼女に会った気がするの・・・。」
おんぷ「気がする?」
メアリー「あれ・・・?どうしてだろう、その子とよく喋っていたような気がするの に・・・思い出せない。」
 その時、おんぷはマジョダークが"藤崎いろは"を知るものからその記憶を消した、ということを思い出す。
おんぷ「そっか・・・マジョダークが・・・。」
メアリー「マジョ・・・ダーク?」
おんぷ「あ、いえ、それより、本当に藤崎いろはさんを知っているんですか?」
メアリー「えぇ。何故かはっきり思い出せないけど・・・あの子のおかげで私は魔女 に・・・。」
おんぷ「魔女?」
 おんぷは思わずその言葉に反応する。
メアリー「あ、ごめんなさい。信じるかどうかは別だけど、この世界には魔女が実在 するの。正確には魔女界という世界にね。」
おんぷ「信じるというより・・・知ってます。」
メアリー「え?」
おんぷ「えっと、私魔女見習いをしていたことがあったんで。」
メアリー「そうだったの・・・ねぇ、そのいろはって子、今何処にいるか分かる?」
おんぷ「魔女界にいますけど・・・。」
メアリー「魔女界に・・・?そっか、いろは魔女になれたんだ。会いに行きたいけど・・・お父さんに心配かけるわけにはいかないから。」
 メアリーは少し寂しそうな表情を浮かべる。おんぷはそれに気付いて話題を変えた。
おんぷ「メアリーさんも昔魔女見習いだったんですか?」
メアリー「うん。そうよ。そして今は魔女になったわ。」
おんぷ「メアリーさん魔女なんですか?」
メアリー「えぇ。お母さんが魔女だったから、私も魔女になろうと思ってね。」
おんぷ「お母さんも魔女だったんだ。ということは、ここは魔法堂だったんですか ?」
メアリー「昔ね。今はただの廃墟になってるけど・・・。でも、あなたがこの建物に呼ばれてきたってことは、まだ魔法堂としての力を持っているみたいね。」
 おんぷは納得したように頷く。そして窓の外を見ると、もうあたりはすっかり暗く なっていた。
おんぷ「あ、大変、早く帰らないと夜の仕事に間に合わないわ。」
メアリー「仕事?なんだかよく分からないけど、急いでるみたいね。」
おんぷ「すいません、私帰ります。」
メアリー「気を付けてね。また会えるといいね。」
 おんぷは笑みを浮かべて、
おんぷ「そうですね。それじゃぁ・・・。」
 と言って魔法堂を去っていった。
メアリー「不思議な子ね。なんだか昔のいろはと雰囲気が似てたわ。」
 メアリーはそう呟くと、再び魔法堂の掃除を始めた。

***続く


次回予告
どれみ「もう梅雨の季節。そのせいか、今日は雨が降ってるみたい。梅雨はじめじめして蒸し暑くて嫌だよう〜。次回まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『雨の雫、相川しずく?』、ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」
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