まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第06話「不思議な出会い」
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あいこ「ふぁあ、今日もあんまし眠れんかったわぁ。」
 あいこは眠たそうに布団から出てきた。
???「睡眠は十分に取らないと健康によくありませんよ。」
あいこ「そうやけど・・・寝られへんのは水龍さん、あんたのせいやろ!」
 あいこはすかさず突っ込む。
水龍「え、そ、そうだったんですか?」
あいこ「あんたが夜遅くまで修行だの何だのでごそごそやってるから・・・。もう、なんで神殿に精霊を連れて行けるのは月の笑う晩だけやねん!」
水龍「時空の狭間と人間界がつながるのは月の笑う晩だけですから・・・。」
あいこ「おまけに次の月の笑う晩までまだ1週間以上あるし・・・。」
 あいこはがっくりと肩を落とす。

***

 ここは、北海道のとある田舎の街。静かなこの街に男の人の声が響いた。
監督「カット、良いよ、おんぷちゃん。それじゃぁ今日の撮影は終わりにしよう か。」
 監督らしき人がそう言うと、おんぷはマネージャーでもある母親、瀬川美保のもとへと行く。
おんぷ「今日の仕事はこれで終わりなの?」
美保「えぇっと、そうよ。」
 瀬川美保は手帳らしきものをながめながらそう答えた。
おんぷ「じゃぁ・・・ちょっと辺りを散歩してきても良いかな?」
美保「良いけど・・・この辺は田舎で何もないわよ?」
おんぷ「たまにはこういう森とか海の見える街でゆっくりしたいな、って思って。」
美保「そう?じゃぁ、日が暮れるまでには帰ってくるのよ。8時には空港まで行って東京に帰らないといけないから。」
おんぷ「うん、分かったわ。」
 おんぷはそう言うとサングラスと帽子を鞄から取り出して、装備(?)した。
おんぷ「それじゃぁ、行ってきます。」

***

おんぷ「風が涼しいわ。本当にのどかな街ね。」
 おんぷは海岸沿いの防波堤から海を眺めながら言う。
おんぷ「やっぱり北海道は涼しいのね。」
 おんぷはそう呟きながら海岸沿いの道を歩き始めた。しばらく歩くと、今度は山へと続く道が見えてきた。
おんぷ「こっちの方に行ってみようかな・・・。」
 おんぷはその山の方へと続く道を歩き始めた。すると、奥に古びた洋館のような建物が目に映った。
おんぷ「あら、何かしら、あの建物。」
 おんぷはその建物に近づく。いや、なぜかその建物に呼ばれたような気がしていた。
おんぷ「ただの廃墟なのかなぁ。」
 おんぷは建物の門に手をかける。すると・・・。
おんぷ「わっ!」
 門の扉に体重をかけると、扉が開いていたためにおんぷは倒れそうになってしまう。
おんぷ「この門、開いてたんだ。びっくりした。あれ・・・?」
 おんぷは建物の中に誰かがいる気配を感じた。
おんぷ「誰かいるのかしら、こんな古びた洋館に。人が住んでるのかなぁ?」
 そしておんぷはその建物にゆっくりと近づいて行った。おんぷは入り口の扉を引くと、鍵がかかっていなかったため扉はなんなく開いた。
おんぷ「開いてる・・・。おじゃまします・・・。」
 おんぷは何故かその建物に入ってしまう。いや、何故かその建物に入らなければいけないような気がしていたのだった。まるで招かれるようにおんぷは建物の中に入ると、中は薄暗く、ひっそりとしていた。
おんぷ「誰かいたような気がしたんだけど・・・気のせいかしら。」
 そのとき、奥のほうでなにやら物音が聞こえてきた。
おんぷ「あれ、やっぱり誰かいるみたい。って、見つかったら私不法侵入よね。一応有名人なんだし・・・ここは気付かれないうちに帰ろうっと。」
 おんぷはそっと外へ出ようと振り返った。しかしそのとき、首から下げていた鞄が机の上の花瓶にあたってしまった。
おんぷ「あっ!」
ガッシャーン─
おんぷ(しまった・・・。)
???「だ、誰?」
 奥から女の人の声が聞こえてきた。
おんぷ(ど、どうしよう・・・。とにかく逃げなきゃ・・・。)
 おんぷはとっさにそう思って扉を押すが開かない。
おんぷ「え、何で?」
 おんぷが戸惑っているうちに部屋の奥の扉が音をたてて開く。
女の人「どろぼう?・・・って、あら、随分可愛いどろぼうさんね。」
 奥から出てきたのは、おんぷよりも2、3歳くらい年上だろうか、とても若い女の人だった。
おんぷ「ご、ごめんなさい、入り口が開いてたからつい・・・。」
女の人「あら、どろぼうじゃないの?」
おんぷ「え、あ、はい。」
女の人「そう・・・。もしかしてこの建物に呼ばれた?」
おんぷ「え?」
女の人「うふふ。やっぱりそうみたいね。まぁゆっくりしていったら?」
おんぷ「え、良いんですか?」
女の人「見たところどろぼうじゃなさそうだしね。」
おんぷ「すいません・・・。あの・・・。」
女の人「何?」
おんぷ「こんなこと聞いたら失礼かもしれないですけど・・・日本人の方じゃないですよね?」
女の人「あら、分かる?これでも結構日本語勉強したつもりだったけど・・・。」
おんぷ「それに私のこと知らないみたいだったから・・・。」
女の人「え?」
おんぷ「いや、何でもないです。」
 おんぷがそう聞いたのは、日本語が少したどたどしく聞こえたのと、おんぷはアイドルだから、大抵の日本人なら普通自分のことを知っているだろうと思ったからだった。

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