まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第05話「ももこのデビュー戦」
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ももこ「あ!」
 敵ディフェンスがももこの左手側に回り込み、そしてももこの手からボールを奪い取ると、そのままゴール下へ走っていった。
キャシー「やばい!」
 キャシーも、ももこも急いでゴール下へ戻るが間に合わず、2点を先制されししまった。敵チームはそれから勢いに乗って、第1クォーターだけで一挙24点を上げた。得点は2-24。その差22点。第2クォーター。これも敵チームの方へ流れはは傾いていた。そして第2クォーターの終わりになってやっと反撃に入るも、得点は14-38と、差は24点のまま変わっていなかった。第2クォーターが終わって数分の休憩の時、まだ1本もシュートを決めていなかったももこの下へ、トムはやってきた。
トム「おい、どうしたんだよ。」
ももこ「トム・・・。」
トム「お前なら大丈夫だっていっただろう?この間1対1で勝負したときに2戦目はお前が勝ったんだ。なのに俺が2クォーターで8本もシュートを入れられてお前が1本も入らないなんてありえないだろ?」
ももこ「でも・・・。」
トム「ほら、ことわざであるだろ?えっと、日本語でなんていうんだっけ、"二度あることは三度ある"、だったか?」
 トムはたどたどしい発音でそう言う。
ももこ「え"・・・何か全然違うよ。」
 ももこは思わず笑ってしまう。
トム「と、とにかくだ。落ち着いていけよ。」
ももこ「ありがとう。」
 ももこの心からさっきまでの焦りは消えていた。第3クォーター。
ももこ「先輩!」
キャシー「ナイスパス、モモコ!」
 ももこからパスを受けたキャシーは敵ディフェンスを二人抜くと、一気にゴール下までドリブルした。そしてキャシーはシュートを放つが、リングを通らなかった。しかし、リバウンドしたボールをももこは上手くキャッチした。
キャシー「モモコ、そのままシュート!」
 ももこはすぐにシュートを放った。そのボールがネットを通過する音と共にベンチからは歓声が上がった。第3クォーターの流れはももこたちに傾いていた。そして30-40と点差は10点差にまで詰め寄っていた。そして最後の第4クォーター、始まって3分のうちについに2点差へ詰め寄った。敵のエンドから始まり、敵チーム間でパスが回るが、ももこはパスカットに成功する。
キャシー「モモコ!」
 ももこはその声に反応してすぐにキャシーにパスを回した。そして、キャシーはパスを受け取らず、手のひらの上にのせてすぐにレイアップシュートの体勢に入った。ボールは彼女の手から離れると、一度ボードに当たってからリングの上を転がってネットを通過した。同点。残り時間は1分を切っている。すぐに敵のエンドからのスローイン。今度はそのパスカットをキャシーが決める。しかし、キャシーはディフェンス2人に行く手を阻まれてしまう。
キャシー「モモコ、任せたよ!」
 キャシーはディフェンスの足の下を通してももこのパスを繰り出すと、それを受けてももこはまっすぐにゴール下を目指した。ゴール下近くにいたディフェンスの手の下をももこは潜り抜けると、バレエでも踊るように身を翻してディフェンスを背にしたままシュートを放った。ボールはリングを通り抜け、地面に落ちると同時に試合終了のブザーがなった。

***

トム「よく頑張ったな。ほらよ。」
 帰り道、トムはももこに自販機で買ったオイコーラの缶を渡した。
ももこ「え?」
トム「俺のおごり。」
ももこ「いいよ。お金ぐらい払うから。」
トム「高いもんでもないから良いって。」
ももこ「・・・じゃぁ、ありがたくもらっとくよ。」
トム「結局お前は・・・シュート9本決めたのか?」
ももこ「うん。私の方が1本多いから私の勝ち?」
トム「ば、俺は2クォーターしか出てないんだよ。よって1クォーターあたり4本でおまえは2.25本だから俺の勝ち。」
ももこ「えぇ、そんなの無しだよ。」
トム「ははは。細かいことは気にするな。それじゃぁな。俺はこっちだから。」
ももこ「うん、バイバイ。あ、あのさ・・・。」
トム「ん?」
ももこ「・・・ありがとう。」
トム「あ、おう。えっと・・・それじゃぁまた明日な。」
 トムはそう言ってその場を走り去っていく。ももこはそのトムの後ろ姿をみながら鼓動の高鳴りを感じていた。

***続く


次回予告
おんぷ「今回のドラマの撮影場所は北海道ね。」
しずく「良いなぁ。北海道って涼しそうだから。」
どれみ「それに比べて美空市の暑いこと・・・。次回、『不思議な出会い』、ドキドキピース未来にひ〜かれ♪」
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