まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第05話「ももこのデビュー戦」
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どれみ「えぇ、あいちゃんそれ本当?」
あいこ「ほんまやて。」
どれみ「凄い。私なんて精霊の姿すらまだみてないのに・・・。」
あいこ「言うたかて、私もこがねちゃんから話聞いてたから捕まえられただけやし・・・。」
どれみ「で、その精霊ってどんな感じだったの?」
あいこ「お坊さんみたいな格好してたで。」
どれみ「え"・・・お坊さん?」
あいこ「うん。あと背中に羽が生えてた。」
どれみ「羽の生えたお坊さんか・・・。なんかイメージ違うなぁ。」
あいこ「ははは、私もそれ思うたわ。そうそう、そういえばその精霊、自分は"水を司る精霊"で、名前は"水龍"やって言ってたで。」
どれみ「水を司る精霊・・・?ってことは他の精霊も・・・?」
あいこ「多分火の精霊とか、そんなんなんちゃう?」
どれみ「ううん、どうなんだろう。」
あいこ「まぁ、その辺もいつか分かるやろ。っと、そろそろ宿題とかもしなあかんし電話切るで。」
 あいこは電話の近くにあった時計を見ながら言う。
どれみ「うん、わかったよ。それじゃあね、バイバ〜イ。」
 どれみはそう言うと受話器を置いた。

***

 海を越えてここはアメリカ・ニューヨーク。
先生「はい、それじゃぁ、練習終わり。」
体育館の中に大きなその声が響き渡った。
 彼はももこの所属するバスケットボールクラブの男女ともの顧問だった。彼の声に反応して生徒たちは顧問のもとへと集まってきた。
先生「明日はいよいよ夏の大会へ向けての予選が始まる。で、メンバー発表だが・・・。」
 先生は男子から先に次々にメンバーを発表し始めた。その中にトム・フリークの名前もあった。そして、続いて女子のメンバー発表。
先生「そして最後に・・・。モモコ・アスカ。お前だ。」
ももこ「え、は、はい。」
 ももこは驚いたように返事をする。
先生「以上。それじゃぁ明日は気合を入れていけよ。」
 先生がそう言ったあとみんなは後片付けなどを始め、それを終えると家路についた。帰り、トムがももこを呼び止めた。
トム「よう、お前メンバー入りかよ。やるじゃねぇか。」
ももこ「ありがとう。でも、トムだってメンバー入りしてたじゃない。」
トム「それもそうだけどな。まぁ、お互い頑張ろうぜ。」
ももこ「うん。」

***

 翌日の朝、ここは試合が行われる、とある体育館。
ももこ「うわぁ・・・広い。」
ももこはその体育館の広さに絶句していた。
トム「確かに広いな、予選会場でこの広さかよ。」
ももこ「うん。」
 ももこは同感だ、と言った感じで頷く。
ももこ「私・・・なんだか緊張してきたよ。」
トム「お前なら・・・落ち着いてプレイすれば上手くいけると思うぜ。だから自信持てよ。大丈夫だって、絶対。緊張することなんかねぇよ。とか言う俺もちょっとは緊張してるけどな。」
 トムはそう言って笑った。ももこもそれにつられて笑ってしまう。しかし、そのおかげで幾分か緊張はほぐれていた。

 試合の順序から、男子の方が先に試合が始まった。その試合でトムははじめ控えだったが、途中第3クォーターから試合に出場した。ボールはサイドから敵ボール。得点は42-52で負けていた。
敵1「よし、このまま逃げ切って行くぜ。」
敵2「おぅ。」
 サイドからパスされたボールをもらった敵は巧みにドリブルでディフェンスをかわしてゴールを目指した。そしてゴール下にたどり着くとシュートを放つ体勢を取った。
敵2「よっしゃ、2点追加、っと。」
トム「遅いぜ。」
ももこ(あ・・・。)
 トムは前にももこと1対1で対決した時(4話参照)のように、敵がシュートを放つ瞬間を狙ってボールを奪った。
敵2「な、何!?」
 トムはそのままドリブルでゴールを目指した。敵チームは不意をつかれたのか、ゴール下にディフェンスは一人しかいなかった。トムはターンしてそのディフェンスをなんなくかわすとそのままシュートした。ボールは静かにリングを通過した。
トム「反撃開始だ!」
ももこ「トム!」
 トムはももこのその声に反応してベンチの方を見た。
ももこ「ナイスシュート!」
 それを聞いてトムはももこに向かって親指を立てた。

 結果、勢いにのったトムたち男子のチームは、64-56で勝利した。ももこはベンチに帰ってきたトムに言った。
ももこ「凄いね、8本もシュート決めたね。」
トム「まぁな。流れにのればこんなもんだろう。」
ももこ「次は私たちの番かぁ。わたし上手くできるかなぁ。」
トム「さっきも言ったけど大丈夫だって。多分。」
ももこ「多分は余計だよ。」
 二人はそう言うとお互いに顔を見合わせて笑った。
トム「お前、第1クォーターから入るんだろ?頑張れよ。」
ももこ「うん。」
 そうこうしているうちに女子の試合が始まった。
キャシー「モモコ!」
 開始数十秒後、キャシーというももこのひとつ年上の先輩がももこにパスを回した。ももこはそのボールをもらうと、ドリブルして前にいたディフェンスの右手の下をすり抜けようとした。しかし・・・。

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