まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第04話「ギャンブル好きな精霊!?」
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 その人物を良く見ると、お坊さんのような服を着ていて頭はつるつるとしていて、そして背中には大きな羽が生えていた。その姿は、"水龍"という名前から連想されるものとはほど遠かった。
あいこ「あ、あなたが精霊・・・!?」
???「そう、僕が精霊の"水龍"。水の力を司る精霊さ。」
あいこ「じゃぁ、その水龍さん、今のこの人間界の状況はしってはりますよね?」
水龍「もちろん。緑樹石(りょくじゅせき)がとられたのだろう?」
あいこ「知ってるんやったらなんで自分から神殿に行かへんのですか?」
水龍「精霊は自らの力で人間界を出ることを許されていない。人間界から外へ出るには誰かの手助けが必要なのさ。」
あいこ「そ、そうなんですか?」
 あいこは驚きあきれたように言う。
水龍「そう。」
あいこ「そやったら、今すぐ私と一緒に神殿へ・・・。」
水龍「それは出来ないね。」
 あいこが言い終わる前に水龍は言ってそして寺の境内へと入っていこうとした。
あいこ「な、なんでですか?」
 あいこも水龍の後を追うようにして境内に入っていく。
水龍「・・・精霊の力を悪用しようとする人間は山ほどいる。今日、たったいま初めて会った君を信用しろといわれても無理な話・・・。」
あいこ「そ、そやかて、このままじゃ人間界が崩壊してしまうかもしれへんねんで?」
水龍「人間界が崩壊したところで私は死なない。私には関係無い話だ。」
あいこ「見損なったは、精霊っちゅうのは人間界を守るための生き物とちゃうんかいな!」
水龍「・・・。」
 水龍は足を止めた。
あいこ「精霊っちゅうのは自分勝手な生き物なんやな。今迄こんな精霊に守られとってよう人間界も滅ばんかったなぁ。」
 あいこは皮肉っぽくそう言った。
水龍「口の悪い女だ・・・。そこまで言うならいいだろう。みせてやるよ、精霊の力というものを。」
あいこ「!?」
 水龍はあいこの方を振り返った。
水龍「今から私と1勝負しよう。それでもしも君が勝ったら私は君について神殿へ行こう。ただし、もしも私が負けたら、私が今まで人間界のためにどれだけのことをしてきたか・・・目の当たりにしてもらおう。」
あいこ「・・・どういうことや?」
水龍「言っただろう?私は"水の力を司る精霊"だと・・・。もしも私が人間界のために働くのをやめればどうなると思う・・・?」
 水龍はにやりと笑ってあいこの顔を見る。
あいこ「・・・まさか!?」
水龍「そう、この人間界から水というものが存在しなくなるのさ。そうなれば水が必要な全ての生命体は絶滅するだろう・・・。」
あいこ「とことんせこいやっちゃな。分かったわ、その勝負のったで。」
水龍「よし、では勝負の方法だが・・・。」
 水龍はどこからか3枚のコインを取り出してきた。
水龍「私は賭け事が好きでね。こういう運任せの勝負が好きなんだ。」
あいこ「人間界を守る精霊が・・・イメージ崩れるっちゅうねん。」
 あいこはあきれて言う。
水龍「この3枚のコインを投げて、表の枚数の多いほうが勝ち。引き分けの場合はもう一度・・・。」
あいこ「よっしゃ、受けてたつで。」
水龍「よし。では私から行くかな。」
 水龍は3枚のコインを指ではじいた。すると、コインは境内の砂利の上に落ちた。
水龍「表は2枚・・・。君が表を3枚出せば君の勝ちだよ。」
 水龍はあいこを嘲笑うかのようにそう言った。あいこはコインを全て拾うと、
あいこ「そやったら一発でこの勝負終わらしたる。」
 と言った。そして、そのコインを指ではじいた。宙を舞うコインは音をたてて地面に落ちた。しかし、表をむいているコインは1枚しかなかった。
あいこ「げ・・・。」
水龍「凄いじゃないか、君の宣言どうり一発で勝負が終わっちゃったね。」
 水龍は笑いながら言う。
あいこ「そんなん・・・こんなんで人間界の未来を決めるなんて、そんなこと・・・。」
水龍「勝負を受けてたつと言ったのは・・・君じゃなかったかな?」
水龍にそういわれ、あいこは言葉を返せなかった。  すると突然水龍は声をあげて笑い出した。
あいこ「な、なんや・・・?」
水龍「ごめん、ごめん。冗談だよ。」
あいこ「・・・はぁ?」
水龍「人間界の精霊である僕が人間界を見捨てるわけないだろう?だいいち人間界が滅んでも僕は死なないなんて言うのは嘘だしね。」
あいこ「・・・。」
水龍「君が僕を悪用しようとしてるのかどうか試させてもらっただけだよ。君はどうやら本気らしいからね。そ・・・。」
 水龍は突然、殺気を感じた。
あいこ「冗談ですむか〜!!」
水龍「ご、ごめんって。本当に、最近に人間は怖いなぁ〜。」
あいこ「まぁけど精霊は1人捕まえられたし、よしとするか。この調子であとの4人も捕まえるで〜!!」

***続く


次回予告
ももこ「凄い、あいちゃん、もう精霊を1人捕まえたんだって?」
どれみ「私たちもがんばらないとね。」
ももこ「そういえば来週バスケの公式戦が始まるみたい。」
さつき「ももこちゃん、ファイト!」
どれみ「次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『ももこのデビュー戦』、ドキドキピース未来に光れ♪」
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