まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第03話「発見、1人目の精霊!?」
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あいこ「京都に!?」
こがね「そう、でも精霊も生きてるからたまには大阪の街に来たり、奈良のお寺へ行ったり、滋賀の琵琶湖に訪れたりするんだって。それで京都に一番近い大阪にいるあいちゃんにそれを教えておこうと思って。」
あいこ「ってことはさっきの精霊は・・・。」
こがね「うん。たぶんその京都に住む精霊だと思うよ。」
あいこ「けど、マジョラッタはなんでそんなこと知ってるん?」
こがね「マジョラッタは大阪で魔法堂を経営する前は京都に住んでいたんだって。それでその時に、住んでいた近くのお寺に"水龍"っていう伝説の生き物が生息してるって聞いたらしいよ。」
あいこ「でも、その"水龍"っていうのがなんで精霊やって分かったんやろ?」
こがね「それがね、近所の子供が羽の生えた天使のような人がそのお寺に入っていくのを見たっていう噂があって。もしその噂が本当だったら・・・。」
あいこ「そっか、精霊は子供にしか見えないから・・・。それにその特徴、女王様の言ってた精霊の特徴と同じや。それじゃぁ、こんどの日曜日にでもそのお寺に行ってみよか。こがねちゃん、わざわざありがとうな。」
こがね「ううん、私たちも大変だから、あいちゃんたちも大変だろうなって思って。」
あいこ「あ、そや、ちょうど良かった。今、急いでる?」
こがね「え、全然急いでないけど、どうして?」
あいこ「いやな、こがねちゃんにはまだ果たしてない約束があったから。」
こがね「約束?」
あいこ「私こがねちゃんに約束したまますっかり忘れとって・・・。というわけで今からちょっと私のうちまで来てくれへん?」
こがね「うん、いいけど・・・。」
 こがねはあいこと何か約束したかどうか、特に思い当たることがなく、首を傾げていた。こがねは言われるがままにあいこの後をついていき、そしてあいこの家へと辿りついた。
あいこ「ただいま〜。」
あつこ「あ、お帰り、あいこ。何処へ行ってたん?」
 奥から出てきた母のあつこは言う。
あいこ「いや、ちょっと遠くの友達が大阪に来るってことを思い出して・・・。」
 魔法で私服に着替えていたこがねはあいこがそう言うと、軽く頭を下げた。
あつこ「あら、そうやったん?でも随分突然ね。そんなこと聞いてへんかったけど・・・。」
あいこ「あ、そういえば言ってへんかったかな?」
 あいこは笑いながら自分の部屋へ入っていく。
あつこ「・・・変な子。」

***

 こがねは初めて入ったあいこの部屋をキョロキョロと物珍しそうに見ていた。
こがね「ここがあいちゃんの部屋かぁ・・・。」
あいこ「あ、ちょっと今作ってもってくるし、ここで待っててな。」
こがね「あ、作って、って何を・・行っちゃった。」
 あいこが廊下を走っていく音に続いて窓の外をパラパラと何かが当たる音が聞こえてきた。
こがね「あ、雨・・・。そういえば傘持って来てなかったっけ。」
 こがねは困ったような顔をするが、
こがね「まぁいざというときは魔法があるか・・・。」
 と呟いた。こがねは再び辺りをキョロキョロしだした。すると、あいこの部屋にある勉強机の上に数枚の写真が立てかけてあるのが目にとまった。一つはあいことあいこの両親らしき人物が写っていた。その写真の中のあいこはとても幸せそうな顔をして笑っていた。そして、もう一つの写真はこの間大阪の魔法堂でこがねのお別れ会をやったときに取った記念写真だった。写真を眺めていると、突然扉が開いて、あいこが部屋に入ってきた。
あいこ「お待ち、はい、約束してたもの持ってきたで。」
 あいこが差し出した手の上をみると、数個のたこ焼きがのった皿が出てきた。
こがね「これは・・・?」
あいこ「覚えてへんかな・・・文化祭の時に、こがねちゃんがたこ焼き食べてみたいって言ったから、私が作って持ってきてあげるって約束したの。」
こがね「あ・・・。そういえばそんな約束を・・・。」
あいこ「まぁ私もちょっと忘れてて・・・。こがねちゃんが魔女界に帰ってから思い出してんけど、でも良かったわ。今日約束果たせて。だから、食べてくれる・・・?」
こがね「もちろんだよ。いっただきま〜す。」
 こがねはあいこからその皿を受け取ると、つまようじに刺さっていたたこ焼きを口に入れた。
こがね「おいし〜。これ、あいちゃんが作ったの?」
あいこ「当然、たこ焼き作るのはまかせときや。」
 こがねは思わず笑ってしまう。
こがね「あいちゃん、ありがとう。本当においしいよ。」
あいこ「ほんまに?それやったら全部食べて良いで。」
こがね「うん、ありがとう。」

***

 その頃、この2人のやり取りを遠くから覗いているものがいた。
謎の男「精霊探しを任せられた子供が何をしているか見てみれば・・・。こんな奴等ごときに、私の計画の邪魔など出来はしないな。しかし油断大敵だ・・・。一応手はうっておくか。特に魔法使い界のあの四人組・・・。あいつらは今のうちに釘をさしておかなければ、私の計画の邪魔になることは間違いないだろう・・・。」
 男はそう呟くと、マントをひるがえし、そして空高く飛び上がっていった。

***続く


次回予告
あいこ「ここがその水龍とかいう精霊が住んでるお寺やな?よっしゃ、ここは早速一人目の精霊捕獲といったろか!」
どれみ「次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『ギャンブル好きな精霊!?』、ドキドキピース未来に光れ♪」
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