まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第03話「発見、1人目の精霊!?」
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精霊「皆さん、本当にありがとうございました。」
 背中に羽をはやしたその精霊はそうお礼を言うと神殿の中へ入っていった。
暁「これで3人目か。」
 紫色の髪をした少年はそう呟く。
トオル「かなり順調な感じだね。」
フジオ「この調子で行けば魔法使い界はあと半月ほどで息を吹き返しそうですね。」
レオン「せっかく魔法使い界は復興をはじめていたんだ。こんなことでこの世界を消滅させたりはしたくないよ。」
トオル「そうさ、だから俺たちの手でこの魔法使い界を救うのさ。みんなぁ、ヘイ!」
フジオ「フジオのF!」
レオン「レオンのL!」
暁「あかつきのA!」
トオル「トオルのT!」
トオル「俺たちイケメン4人組、FLAT4にかかれば、精霊探しなんてあっという間さ!」
 誰も居ない時空の狭間で彼らはいったい何をかっこつけているのかは分からないが、彼らは自信満々であった。
暁「うおっと。」
 突然空間が歪み始め、暁はバランスを崩したがなんとか踏みとどまった。
フジオ「また歪んだ・・・この"時空の狭間"からは早く退散したほうが良さそうだね。」
暁「そうだな。よし、みんな、魔法使い界に帰るぞ。」
 4人は足早に魔法使い界へ通じる扉を目指した。
レオン「それにしてもあの神殿は不思議な建物だよ。」
トオル「あぁ。こんなグニャグニャした空間でああも真っ直ぐ建ってるんだから。」
フジオ「そういえばそうだね。魔法使い界と通じるあの扉も・・・。」
 4人は魔法使い界に通じる扉の前に来ると、扉を開けて中へ入っていった。

***

どれみ「そっか、あいちゃんのところにも女王様来たんだ。」
あいこ「それにしても、また大変なことになってしもたなぁ。」
どれみ「うん。」
あいこ「あ、そや、しずくちゃんとさつきちゃんは元気にしてる?」
どれみ「2人とも元気だよ。あ、でもクラス替えでクラスがみんなバラバラになっちゃったんだ・・・。」
あいこ「そやったんや。あ、もうこんな時間か。そろそろ電話切るわ。ほな、またな!」
どれみ「うん、バイバ〜イ。」
 あいこは受話器を置くと、自分の部屋へ戻って女王様からもらったスティックを手にした。
あいこ「精霊探しか・・・。」
 あいこがそう呟くと、スティックの先端が突然青く光り始めた。
あいこ「え、ひ、光ってる?ってことはまさか・・・!!」
 あいこはスティックを折りたたんでポケットに入れると、走って家を出ようとした。
あつこ「あ、あいこ?何処行くん?」
あいこ「お母さん、ごめんちょっと急用思い出してん、すぐ帰るし。」
 あいこは走りながらそう言うと玄関から外へ出て言った。
こうじ「なんや、えらい騒がしいなぁ。」
 あいこの父、幸治はドタバタと騒がしい玄関までやってくる。
あつこ「電話かけてたと思うてたら突然・・・。」
 一年前に再婚した母、あつこはあいこが走りさって行った玄関を呆然と見つめていた。

***

 あいこは走りながら人気の無いところへ行くとポケットからスティックを取り出して、光を確かめた。
あいこ「さっきより光がよわなってる・・・精霊から少し遠くなってしもたってことか?」
 あいこはそう呟くと、今走ってきたほうへ逆戻りし始めた。あいこがしばらく走りつづけると、気が付けば淀川沿いを走っていた。
あいこ「だんだん光がつよなってる・・・。でも、精霊がほんまにこんな街中にいるんかいな?精霊ってもっと森の中とかにいそうなイメージがあるんやけど・・・。」
 あいこは苦笑いしながら呟く。すると、なぜかは分からないがあいこは懐かしい雰囲気を感じていた。
???「あいちゃ〜ん!」
 あいこはその聞き覚えのある声に反応して後を振り向いた。
あいこ「こ、こがねちゃん!」
こがね「あいちゃん、やっと見つけたよ。」
あいこ「こがねちゃん、久しぶりやなぁ、って言うてもまだ一ヵ月ぶりくらいか。」
こがね「うん、そうだね。」
 あいこはこがねの服装を見て気付いたように言う。
あいこ「魔女らしい服装してんな。よう似合うてんで。」
こがね「ありがとう、あいちゃん。」
 こがねは前まで着ていた見習い服と同じ色の、群青色のマントを羽織っていた。
あいこ「それで、こがねちゃんはなんでここにおるん?なんかあったん?」
こがね「私はあいちゃんに話があって来たんだ。」
あいこ「私に?」
こがね「人間界の宝石、″緑樹石(りょくじゅせき)″もなくなってしまったから、あいちゃんたちが精霊探しをしてるって聞いて・・・。」
あいこ「あ、そや、さっきスティックに反応があったんや!」
 あいこはポケットからスティックを取出し、先端から放たれる青い光の強さを調べた。しかし、その輝きはまったくなくなっていた。
あいこ「あぁ〜逃げられてしもうたわ。」
 あいこはがっくりと肩を落とす。
こがね「あいちゃんごめん、私が話し掛けたせいで精霊見失っちゃったんでしょ?私はあいちゃんに精霊の居場所を話しにきたのに逆に邪魔しちゃって・・ ・。」
あいこ「ううん、こがねちゃんのせいやあらへん。そもそも精霊の姿もまだ確認できてなかったし。それより、精霊の居場所って?」
こがね「あ、うん。実はマジョラッタの話によると日本の京都のあるお寺に精霊が住んでいるらしいんだって。」

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