まだまだ!?おジャ魔女どれみ
第01話「枯れた桜の花」
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どれみ「あれ?」
しずく「どうしたの、どれみちゃん?」
どれみ「ここって昨日まで桜が満開じゃなかった?」
 どれみの指差した先には桜の木があったが花は全て散ってしまっていた。
しずく「そういえばそうね・・・。」
どれみ「桜の花ってこんなにすぐ散っちゃったっけ?」
しずく「さぁ・・・?」
どれみ「・・・なんでだろう、なんだか凄く嫌な予感がする。」
しずく「ど、どれみちゃん、深く考えすぎだよ。」
 しずくも否定したものの、嫌な予感はしている様子だった。その散った桜の木が、何かこれから大変なことが起こるということを物語っているようであった。

***

どれみ「ただいま〜。」
はるか「あら、お帰りなさい。クラス替えとかどうだったの?」
どれみ「うん、仲の良い友達とはみんなバラバラになっちゃったよ。」
 そう言ったあと、どれみはテレビの電源がついていることに気付き、画面を見入った。テレビは各地で異常気象が起こっているということを報じていた。九州地方では雪が降ったというニュースや、北海道では落雷が相次いだというニュースもあったが、どれみが一番気になったのは、各地で咲いていた桜が全て散っていたというニュースだった。
どれみ「桜の木・・・。」
はるか「おかしなことがあるものね。これも地球温暖化の影響かしら。」
どれみ「私は・・・違うような気がする・・・。」
はるか「え?」
どれみ「ううん、なんでもないよ。」
 どれみはそう言うと居間を出て自分の部屋へ向かった。
はるか「何かあったのかしら・・・。」
 どれみの母、春風はるかは不思議な眼差しでどれみが居間を立ち去る様子を見ていた。どれみは2階へ上がってきて部屋に入ると、そこにはぽっぷが居た。
ぽっぷ「お姉ちゃん、お帰り。」
どれみ「ただいま、ぽっぷ。・・・ねぇ、ぽっぷどう思う?」
ぽっぷ「え、何が?」
どれみ「最近いろんなところで異常気象が起きてるってこと。」
ぽっぷ「・・・それがどうかしたの?」
どれみ「私はなんだか嫌な予感がするんだけど・・・。」
ぽっぷ「お姉ちゃん考えすぎだよ。」
 ぽっぷはそう言って笑うが、どれみは真剣な顔をしていた。それに気がついたぽっぷは、どれみに尋ねる。
ぽっぷ「何か・・・あったの?」
どれみ「ううん、今のところは何もないけど、なんだか胸騒ぎがするんだ。」
 どれみは天窓から見える白い雲を見つめている。
ぽっぷ「変なの・・・。」

***

 場所が変わって、ここは魔女界のはずれにある廃墟の城。
シス「よいしょっと。」
 マジョシスは魔法を使って城を修繕するための道具を取り出し、城の修理をしていた。
いろは「マジョシスさん、ちょっと一休みしませんか?おやつの準備が出来てますよ。」
シス「あら、そう。ありがとう。すぐ行くわ。」
 マジョシスは一旦作業を中止して城の奥の小部屋へ入っていった。その小部屋にはマジョラッタがすでにお茶をすすっていた。
ラッタ「だいぶ修理し終わったのぉ。」
シス「そうね。」
いろは「本当にすいません、わざわざ私のわがままを聞いてくれて。」
ラッタ「何、お前にとってこの城はマジョダークとの思い出の詰まった城じゃろう?ここを活動の拠点にしたいというお前の気持ちは良く分かる。」
 ラッタはそう言うとまたお茶をすすった。
ラッタ「あぁ、お茶が上手いのう。」

 マジョラッタたち3人は魔女界から差別やいじめを無くすための団体、"平等組合"なるものを結成していた。彼女たちはその活動の拠点として、マジョダークの居城だったこの城を使うことにしたのだった。

ラッタ「あと5日もあれば完全に復旧し終わりそうじゃのう。」
いろは「そうですね。」
 いろはは嬉しそうな表情を浮かべている。それをマジョラッタは黙って見つめていた。
シス「あ、そうそう、聞いた?魔法使い界の水が枯れ果てたって。」
ラッタ「何じゃと?初耳じゃな。」
いろは「私は聞いた覚えがあります。今魔法使い界では各地で災害が多発していて、せっかく復興しかかっていた魔法使い界がまた衰退するかもしれないと・・・。」
シス「水は魔女界から輸出してるみたいだけど、それ以外の災害はどうしようもないそうね。」
ラッタ「おい、お前達、それは本当か?」
シス「えぇ、本当よ。」
いろは「1ヶ月ほど前から突然そうなったそうよ。」
ラッタ「なんと・・・。大変じゃのう、魔法使い界も。」
 ラッタは真剣な顔でそう呟く。
ラッタ「まさか・・・まさかのう。」
シス「どうかしたの?」
ラッタ「うぬ、なんでも無い。まさかそんなはずは無い。」
 マジョシスといろはは首を傾げている。すると、突然小部屋のとびらが開き、そこからこがねことマジョビートが姿をあらわした。
こがね「みんな、居たんだ。」
ラッタ「おう、学校はどうじゃったんじゃ?」
こがね「そ、そんなことより、大変なの!!」
 3人はこがねが息を切らしていて、ここまで急いでやってきたということを悟ると、こがねに問い掛けた。
いろは「何かあったの?」
 こがねは頷き、呼吸を整えてから呟いた。
こがね「・・・無くなったのよ。」
ラッタ「何だって?よく聞こえんぞ。」
こがね「時空の狭間にある神殿から橙光石が無くなってるのよ!!」
ラッタ「な、何じゃと〜!!」

***続く


次回予告
おんぷ「あら、こんなに暑いのに・・・雪が降ってるわ。」
はづき「本当、最近変な天気ばかり続いているけど・・・。」
どれみ「私の嫌な予感当たっていないといいんだけどなぁ・・・。次回、まだまだ!?おジャ魔女どれみ、『7つの世界』ドキドキピース未来に光れ♪」
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