おジャ魔女どれみ+α
特別編2『銀髪の魔女見習い』
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翌日。はづき、おんぷ、しずく、さつき、こがねの5人はどれみの家にやってきていた。そして、キララやアルス、白虎の水晶について知った5人は、どれみ、あいこ、ももこ、ぽっぷ、とともにキララとアルスのことについて真剣に話し合いを始めた。
「ということは、まずはアルス君と会って、どうして白虎の水晶を盗んだりしたのか聞いてみる必要があるわね」
はづきは眼鏡を光らせながら言う。
「でも、そうなるとアルス君が何処にいるかを考えないと行けないんだけど・・・」
「ねぇ、キララちゃん、昨日アルス君と出会った場所が何処か、覚えてる?」
「えぇ、覚えてるわ」
「じゃぁ、そこに行ってみましょう、ここであれこれ考えるよりも、実際に行動した方が早いわ」
「それもそやな、よっしゃ、じゃぁ早速行ってみるか」
おんぷの意見に皆頷くと、どれみたちは早速、キララがアルスを見つけた場所までやってきた。

***

魔女見習い服に着替えたどれみたちはキララに案内され、美空市から20キロ離れた山の洞窟の前までやって来ていた。
「ここでキララちゃんはアルス君を見つけたの?」
「うん・・・あ・・・」
「どうしたの?キララちゃん」
「ここの扉・・・昨日は閉まってたのに・・・」
「扉?」
大きな洞窟の入り口をよくよく見ると、扉がついていた。
「なんでこんな洞窟なんかに扉がついてるの?」
「さぁ・・・」
「そういえば、アルス、昨日この扉を必死で開けようとしてた・・・」
「アルス君が?」
「じゃぁ、この中に居るのかな、アルス君・・・」
「入ってみる?」
「うん、たとえアルスがもうここに居なくても、きっと何か分かると思うから・・・」
「そうね、入ってみましょう」
どれみたちは恐るおそる洞窟の中へと入っていった。
「真っ暗だね・・・」
「何か灯りが欲しいわ」
「私に任せて」
そう言ってキララはポロンを構えた。
「ピラルータエリータ リドルフコンツェルン!懐中電灯よ、人数分出てきて!」
すると、全員分10個の懐中電灯が姿をあらわした。キララがそれの1つを手にすると、どれみたちも1人1つずつ懐中電灯を持った。
「先を急ぎましょう」
しばらく進むと、広くなっている部分にたどり着いた。
「うわぁ、広い・・・まるで部屋みたい」
「きゃぁ!!」
「さつきちゃん、どうしたの?」
「あ、あそこ!何か居るわ!」
さつきが指差す先には、赤く光る何かがこちらに向かってきていた。
「シンニュウシャハッケン・・・シンニュウシャハッケン・・・」
「ロボット・・・?」
赤い目のようなものを持ったロボットが、数台どれみたちの居るその部屋に現れた。すると、そのロボットたち全員の目が突如光り始めた。
「目が・・・光ってる?」
「み、みんな伏せて!」
突然声を上げたこがねの声に反応して、どれみたちはいっせいに体を伏せた。それとほぼ同時に、ロボットたちの目から一斉にレーザーが放たれた。
「あ、危なぁ・・・」
「こがねちゃんが伏せてって言わなかったら、直撃だったね・・・」
「こんな危ないロボットなんて相手してられへん、先いそご」
どれみたちは、ロボットが再びレーザーを放つ前に、洞窟のさらに奥に向かって走り始めた。しかし・・・。
「お、追いかけてくるよ〜!?」
「どうするの?どうするの?どうするの?」
少しパニック気味のしずくとはづき。
「みんな、ここは私に任せて、先を急いで!」
そう言ってももこは立ち止まった。
「・・・ももちゃん?」
「ももちゃん1人じゃ危険や、私も残るわ、そのうちにみんな、先行って!」
「で、でも・・・」
そうこうしてるうちに、ロボットたちの目は再び赤く光だした。
「ま、またレーザーが来るよ!?」
ももこは素早くポロンを構えた。
「ペルタンペットン パラリラポン!バリアーよ、出て来い!」
そういうと、道をふさぐように透明なバリアーが出現した。そのバリアーが出現した直後に、レーザーはそのバリアーに直撃。すると、そのレーザーが直撃した部分からヒビが入り、バリアーは決壊した。
「うわぁ、危ない!」
「痛っ!!」
バリアーを破った1本のレーザーがももこの左腕をかすめた。
「ももちゃん、大丈夫!?」
「だ、大丈夫みたい・・・」
「やっぱりももちゃん1人に任せるのは危険だよ」
「そやから私も残るって言うてんねん」
「だけど、ももちゃんとあいちゃんにもしも何かあったら・・・」
キララが何かを言おうとするのを、あいこが遮った。
「アルス君を一早く見つけるのが、キララちゃんの役目や。もしアルス君がこんなロボットが居るような洞窟の中に未だにおるとしたら、きっと危険な目にあってるはずやから、そやから、早く行ってあげて早く行って、アルス君に会って、思いっきしぶつけたってや、キララちゃんがどれだけアルス君のこと、心配してるかっていうその気持ちを」
「あいちゃん・・・」
ロボットの目はまた再び赤く点滅し始めた。
「ほら、さっさと行きや、ここは私ら2人に任せて」
「キララちゃん、私、いい知らせ待ってるからね」
ももこが言うと、キララは涙目になりながらも、大きく頷いた。
「よっしゃ、ももちゃん、とりあえずもっかいバリアーや、それからこのロボットを倒す方法を考えよう」
「OK、じゃぁもう1回魔法で・・・」
ももこは再びポロンを構える。
「キララちゃん・・・行こう」
「う、うん」
「あいちゃんたちがせっかく頑張ってあのロボットたちを食い止めてくれてるんだから・・・早く行かないと、あいちゃんたちに悪いよ」
「うん、行こう」
キララはまた大きく頷くと、洞窟の奥に向かって走り始めた。途中、あのバリアーの決壊する音が2、3度聞こえたが、キララは決して振り返らなかった。

***

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