おジャ魔女どれみ+α
特別編2『銀髪の魔女見習い』
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「ただいま」
「ちょっと、どれみ、買い物にいつまでかかって・・・どれみ、その子は?」
居間から玄関まで出てきた母、はるかは、どれみの横に居る銀髪の女の子に気付き、尋ねた。
「あ、えっと、友達だよ」
どれみは、買い物袋をはるかに渡しながら言った。
「はじめまして、キララです・・・」
「お母さん、キララちゃん、今晩家に泊めてあげても良いでしょ?」
「別に泊まる子が1人ぐらい増えてもかまわないわ・・・それにしても、2人とも、随分服が汚れてるみたいだけど・・・」
「あ、えっと・・・ちょっと転んじゃって」
「もう、気をつけなさいよ、さっさと着替えてらっしゃい、すぐご飯にするから」
「は〜い、キララちゃん、さ、上がって」
「う、うん・・・」

***

服を着替えたどれみたちは、自分の部屋に入った。
「あ、どれみちゃんお帰り、遅かったねって、あれ?どうしてキララちゃんが・・・」
ももこは、キララを見つけて言った。
「ちょっといろいろあってね、実はさ・・・」

***

「そっか、そうだったんだ。」
「じゃぁ、キララちゃんはほんまに火星から来たってわけなんや」
「うん」
「私、火星人なんて始めて会ったよ・・・」
驚きを隠せずにいるぽっぷ。
「ぽっぷちゃん、それはみんな同じだよ・・・」
「あ、そっか・・・」
ぽっぷはももこの言葉に納得している。
「でも、そのアルスって子もひどいよね。アルス君のことを心配してせっかく探してきてくれたキララちゃんに対して帰ってくれ、だなんて・・・」
「それは・・・違うと思うわ」
「違う・・・ってどういうこと、キララちゃん」
「アルスは・・・私の知ってるアルスは・・・優しくて、親思いのとっても良い子で・・・絶対に国家の財宝を盗むなんてことはするような子じゃなかった。
それにね、私は王女っていう身分のせいか、回りの子はみんな私に接してくれなかった。別に私のことが嫌いとかそいうのじゃなくて・・・。みんな私のことを雲の上の人みたいに思ってるらしくて・・・。誰も私と仲良くなろうとしてくれなかった。アルスもはじめはそうだった。
でも、私が・・・親しい友達が誰も居なくて寂しくて・・・公園で1人で泣いていたら、アルスが優しく声をかけてくれたの。そして、私が友達が居なくて寂しいって言ったら・・・
『俺が友達になってやるよ』って言ってくれた。
私、凄く嬉しくて・・・本当に嬉しくて・・・。だから・・・そんなにも優しいアルスが・・・私に向かってお前に貧しい一般庶民の気持ちが分かるかって言った時・・・すごくショックだった・・・でも、アルスはそんなこと本心で思ってないと思うの。
きっと何か理由があって・・・どうしても国家の財宝を盗まないといけない様な理由があって・・・。それで無関係な私に心配かけたくないから、巻き込みたくないから、そう言ったんだと思うの」
「キララちゃん・・・」
「あ、その、みんな、ごめん・・・」
「・・・どうして謝るの?」
「え、だって、みんなには関係無いことなのに・・・迷惑かなって・・・」
「ううん、そんなこと無いよ」
「Yes,There is no problem.」
「そんなん気にする必要無いって」
「・・・地球の人はみんな優しいんだね、アルスみたいに。ありがとう、みんなのおかげでちょっとすっきりしたよ」
そういうと、キララはどれみたち4人に微笑みを見せた。
「どれみ〜、ぽっぷ〜、みんな〜、ご飯出来たわよ」
「あ、は〜い、行こ、キララちゃん」
「うん」
「そういえばキララちゃんって地球の食べ物って食べたことあるの?」
「え、ううん、無いけど・・・火星と違うのかな・・・」
「火星人って地下で生活してるんやろ?それやったら、日光が当たらんところで生活してるっちゅうことやから、結構違うと思うで。とれる作物とかが違うと思うし」
「ううん、どうだろう・・・」
「まぁ食べ比べてみれば分かるよ」
「ねぇ、キララちゃん・・・1つだけ聞きたいことがあるんだけどさ・・・」
「え、何?どれみちゃん」
「なんや、えらい改まって・・・そんな大事な質問なんか?」
「どれみちゃんのことだしな〜んか嫌な予感が・・・」
そう感じるももこをよそにどれみはキララに尋ねた。
「あのさ・・・火星にもステーキってあるの?」
どれみのその言葉に反応してコケなかったのはキララだけだった。
「何聞くかと思ったら・・・ステーキのことかいっ!」
「さ、さすがお姉ちゃん・・・」
「嫌な予感的中したよ・・・」
「で、どうなの?キララちゃん」
キララに詰め寄るどれみ。
「あ、あるけど・・・」
「えぇ!?あるの?良かった〜」
「何が・・・良かったんや?」
「どれみちゃんの発想はやっぱり謎だね・・・」
「あはは、やっぱりどれみちゃんって面白い」
キララが笑うと、どれみたちもつられて笑った。

***

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